海外旅行で何ギガ必要か１週間・１日の目安やおすすめギガ数の選び方

「１週間の海外旅行を計画中だけど、一体何ギガ必要なんだろう？」と、通信プラン選びで悩んでいませんか。旅行中のインターネット接続は、地図を見たり情報を調べたりするのに欠かせないものですが、1日に何ギガ使うかの平均や、滞在期間ごとのギガ数の目安は分かりにくいものです。

特に１週間や２週間、さらに長期の滞在では、通信手段の選択が費用と快適さを大きく左右します。選択肢には、現地のSIMカードや便利なeSim、手軽な国内キャリアの海外ローミング、グループに最適なレンタルWiFiなど様々です。

この記事では、それぞれのおすすめの通信手段について、どこで買えるのか、料金の相場、そして具体的な準備や使い方まで詳しく解説します。また、通信ギガを上手に節約する方法も紹介するので、あなたの旅行スタイルにぴったりのプランを見つける手助けになるはずです。

海外旅行で何ギガ必要？１週間・１日のギガ数目安

旅行で1日何ギガ使う？平均的な消費量

海外旅行中に1日で使用するデータ通信量は、個人のスマートフォンの使い方によって大きく変動します。ただ、自身の利用スタイルを把握することで、必要となるギガ数はおおよそ予測可能です。利用スタイルは、主に3つのパターンに分けられます。

ユーザータイプ	1日のデータ消費量目安	主な利用スタイル
ライトユーザー	300MB～500MB	地図アプリでの最低限のナビゲーションや、LINEなどでのテキスト連絡が中心。SNSや動画はほとんど利用せず、ホテルのWi-Fiをメインに活用する。
ミドルユーザー	500MB～1GB	地図アプリを頻繁に使い、観光地の情報をウェブで検索したり、写真付きでSNSに投稿したりする。移動中に音楽ストリーミングも楽しむ。
ヘビーユーザー	2GB以上 or 無制限	移動中や空き時間に高画質の動画を視聴し、ビデオ通話も頻繁に行う。日本にいる時と変わらない感覚でスマートフォンをフル活用する。

ご自身の使い方をこれらのタイプに当てはめてみましょう。例えば、「SNSは見るけど投稿は少しで、地図をよく使う」という方ならミドルユーザーと考え、1日あたり1GBあれば安心、というように判断できます。この自己分析が、最適なプラン選びの第一歩となります。

用途別のデータ通信量のギガ数目安

1日に何ギガ使うかをより正確に把握するためには、具体的な活動ごとのデータ消費量を知ることが役立ちます。特にデータ消費が激しい活動と、そうでない活動を理解しておくと、無駄なデータ消費を避けることができます。

以下に、1GBのデータ容量で各活動がどれくらい利用可能かの目安をまとめました。

活動内容	1GBあたりの利用可能目安	補足情報
地図アプリ (Googleマップ)	約166時間 (通常利用)	基本的なルート案内は非常に低燃費です。ただし、航空写真モードの多用や頻繁な検索は消費量を増やします。
SNS (Instagram)	約1時間40分 (閲覧)	動画が自動再生されるため、データ消費は比較的大きくなります。フィードを眺めているだけでもデータは消費され続けます。
動画 (YouTube)	約2時間 (標準画質480p)	最もデータ消費が激しい活動です。高画質(1080p)にすると、同じ1GBでも約30分しか視聴できません。
メッセージ (LINE)	音声通話：約44時間	テキストメッセージの送受信はごく僅かです。音声通話も非常に効率的ですが、ビデオ通話は約2時間47分と消費量が大きくなります。
Web閲覧	約3,300ページ	テキスト中心のニュースサイトなどの目安です。画像や広告が多いサイトでは、消費量は増加する傾向にあります。

見落としがちなバックグラウンド通信

スマートフォンは、私たちが能動的に操作していない間も、アプリの自動更新、通知の受信、データの同期などで静かにデータを消費しています。これを「バックグラウンド通信」と呼びます。特に小容量プランを利用している場合、この受動的な消費が原因で予期せずデータ不足に陥ることがあるため注意が必要です。

１週間・２週間の旅行で必要なギガ数

1日あたりの必要データ量が把握できれば、旅行期間に応じた合計ギガ数を予測するのは簡単です。基本的には「1日の目安 × 旅行日数」で計算します。

例えば、SNSや地図を気兼ねなく使いたいミドルユーザー（1日1GB目安）の場合、滞在期間ごとの必要データ量は以下のようになります。

この計算に基づき、7GBや14GBといった容量を持つプランを選ぶのが一つの方法です。ライトユーザー（1日500MB）であれば、この半分の容量で十分かもしれません。

「日次リセット型」より「期間一括型（バルク型）」がおすすめ

海外通信プランには、主に2つのタイプが存在します。

旅行中は、移動が多くて地図や動画をたくさん見る日もあれば、ホテルでゆっくり過ごしてほとんどデータを使わない日もあるでしょう。日々のデータ使用量に波があることを考えると、柔軟に対応できる期間一括型（バルク型）のプランの方が断然使いやすく、おすすめです。日次リセット型だと、使いたい日に速度制限がかかってしまう可能性があります。

長期滞在で注意すべきデータプラン

滞在期間が16日以上、あるいは1ヶ月以上の長期になる場合、通信プランの選択はより慎重に行う必要があります。特に、国内キャリアが提供する海外ローミングサービスには、長期滞在者にとって致命的となりうる「隠れた制約」が存在するため、注意が必要です。

ahamoの「15日間」利用制限

NTTドコモのahamoは、追加料金なしで海外データ通信が利用できるため人気ですが、「海外で最初にデータ通信を利用した日から15日を経過すると、通信速度が最大128kbpsに制限される」という決定的なルールがあります。この速度制限は、データを追加購入しても解除できず、日本に帰国してドコモ網に接続するまで続きます。したがって、16日以上の旅行や留学、出張でahamoを利用するのは避けるべきでしょう。

長期滞在の場合、以下の選択肢が現実的となります。

いずれにしても、長期滞在では目先の安さだけでなく、滞在期間全体をカバーできるか、そして予期せぬ制限がないかを事前に確認することが極めて重要です。

２週間以上滞在する方は、SailyのeSIMや楽天モバイルの海外ローミングが特におすすめです。

簡単な通信ギガ節約テクニック

購入したデータプランを最大限に活用し、予期せぬデータ枯渇を防ぐためには、少しの工夫が大きな効果を生みます。スマートフォンの設定変更やアプリの便利な機能を活用して、賢くデータ消費を管理しましょう。

OSレベルのデータ節約設定

お使いのスマートフォンのOSには、データ通信量を自動的に抑制してくれる便利な機能が標準で搭載されています。これは最も手軽で効果的な方法の一つです。

• iPhoneの場合：「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」と進み、「省データモード」をオンにします。これにより、バックグラウンドでのアプリ更新や自動ダウンロードなどが抑制されます。
• Androidの場合：「設定」→「ネットワークとインターネット」と進み、「データセーバー」をオンにします。これもiPhoneの省データモードと同様の効果があります。

アプリレベルの工夫とオフライン活用

個別のアプリの使い方を工夫することでも、データ消費を劇的に減らすことが可能です。

Googleマップのオフラインマップ機能は、旅行者にとって必須の節約術です。出発前やホテルのWi-Fi環境で、渡航先の地図をダウンロードしておきましょう。これにより、データ通信がオフの状態でも地図の閲覧や現在地の確認、ルート検索が可能になります。

コンテンツはWi-Fiで事前ダウンロード

移動中の暇つぶしに使う音楽（Spotifyなど）や動画（Netflix、YouTube Premiumなど）、ポッドキャストといったコンテンツは、データ消費の大きな原因です。これらのアプリには、コンテンツを事前にダウンロードしてオフラインで再生する機能があります。ホテルのWi-Fiなどを利用して、外出前にまとめてダウンロードしておく習慣をつけましょう。

また、高画質な写真や動画のSNSへのアップロードといったデータ集約的な作業は、モバイルデータ通信中に行わず、Wi-Fi環境下で行うことを徹底するだけでも、大きな節約につながります。

海外旅行で何ギガ必要か解決！１週間のおすすめ比較

旅行でのおすすめは便利なeSim

近年、海外旅行時の通信手段として急速に普及しているのがeSIM（イーシム）です。eSIMとは、物理的なSIMカードの代わりに、スマートフォン本体に内蔵されたデジタルSIMに通信プランをダウンロードして利用する方法を指します。

eSIMの最大のおすすめポイントは、その圧倒的な利便性です。オンラインストアでプランを購入後、送られてくるQRコードをスキャンするだけで設定が完了。SIMカードの到着を待ったり、小さなカードを交換したりする手間が一切ありません。特に、出発直前や、すでに海外に到着してしまってからでも即座に購入・利用開始できるのは大きな魅力です。

eSIMの主なメリット

• 即時性：オンラインで購入後、すぐに利用を開始できる。
• 利便性：物理SIMの抜き差しが不要で、紛失や破損のリスクがない。
• デュアルSIM活用：日本のSIMを挿したまま、データ通信用のeSIMを追加できる。日本の電話番号での着信も受けられる。
• 環境負荷の低減：プラスチックごみや配送が不要。

eSIM利用の注意点

便利なeSIMですが、利用するには2つの条件があります。一つは、eSIMに対応した比較的新しいスマートフォンが必要であること。もう一つは、そのスマートフォンがSIMロック解除済み（SIMフリー）であることです。国内キャリアで購入した端末をお使いの場合は、出発前に必ずSIMロックの状態を確認し、必要であれば解除手続きを済ませておきましょう。

eSIMを探している方には、値段やセキュリティの面からもSailyのサービスがおすすめです。

SIMカードのメリット・デメリット

eSIMが普及する中でも、従来ながらの物理的なSIMカードは、依然として強力な選択肢であり続けています。特にコストを最重視する場合や、eSIMに対応していないスマートフォンをお使いの場合にその価値を発揮します。

メリット：コストパフォーマンス

海外用SIMカードの最大の魅力は、その価格の安さです。多くの手段と比較して、安価に大容量のデータ通信を手に入れることができます。特に1ヶ月以上の長期滞在では、現地の通信キャリアが提供するプリペイドSIMを利用することで、通信費を大幅に抑えることが可能です。また、プランによっては現地の電話番号が付与されるため、レストランの予約などで役立つ場面もあります。

デメリット：物理的な手間と設定の複雑さ

一方で、物理SIMにはいくつかのデメリットも存在します。

• SIMカードの交換：非常に小さいSIMカードを、専用のピンを使って入れ替える作業が必要です。この際、元の日本のSIMカードを紛失しないよう、厳重に管理しなければなりません。
• APN設定の可能性：SIMを挿入しただけでは通信できず、APN（アクセスポイント名）という接続情報を手動で設定する必要がある場合があります。スマートフォンの操作に不慣れな方には、少し難しく感じられるかもしれません。
• 日本の番号が使えない：日本のSIMを抜いている間は、当然ながら日本の電話番号での着信やSMS受信はできなくなります。

これらの手間を許容できるのであれば、物理SIMは経済的な選択肢と言えるでしょう。

レンタルWiFiと国内キャリア海外ローミング

専門的な設定やSIMの交換を避け、手軽にインターネット環境を確保したい場合には、レンタルWiFiや国内キャリアの海外ローミングが有力な選択肢となります。

レンタルWiFi：グループ旅行の強い味方

レンタルWiFiは、渡航先で使えるモバイルルーターをレンタルするサービスです。最大のメリットは、1台の契約でスマートフォンやPCなど複数のデバイスを同時に接続できる点です。このため、家族や友人とのグループ旅行では、1人あたりのコストを非常に安く抑えられます。設定も、ルーターの電源を入れて、表示されるパスワードをスマートフォンで入力するだけなので非常に簡単です。

ただし、常にルーター本体を持ち歩き、充電する必要があるのがデメリットです。また、出発前に空港などで受け取り、帰国後に返却するという物理的な手間も発生します。

レンタルWiFiでは利用者数No1のグローバルWiFiが安心して利用できるのでおすすめです。

国内キャリア海外ローミング：究極の手軽さ

楽天モバイルやahamoなどが提供する海外ローミングは、現在契約しているプランをそのまま海外で利用する方法です。事前の申し込みや設定がほぼ不要で、現地に到着したらスマートフォンの「データローミング」をオンにするだけで使えるという、究極の手軽さが魅力です。

前述の通り、ahamoには「15日間制限」、楽天モバイルには「2GB超過後の128kbps制限」といった制約がありますが、それらを踏まえても１週間程度の旅行に行く方には非常におすすめの選択肢です。

SIMはどこで買える？値段の比較

海外で利用するSIMカード（物理SIM/eSIM）を購入できる場所は、主に3つに大別されます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の語学力や準備にかけられる時間に応じて最適な場所を選びましょう。

個人的には、選択肢の豊富さと手軽さから、出発前に日本国内のオンラインストアで購入しておくのが最もおすすめです。

購入場所	メリット	デメリット	値段の傾向
① オンラインストア (Amazon, 楽天市場, Klook, 専門サイト等)	・日本語で比較・購入できる ・選択肢が非常に豊富 ・出発前に準備が完了する安心感	・物理SIMは配送期間が必要 ・商品が多くて選ぶのが難しい場合も	安い
② 国内の店舗 (空港カウンター, 家電量販店等)	・スタッフに対面で相談できる ・出発当日の駆け込み購入が可能	・オンラインより品揃えが少ない ・価格が割高になる傾向	高い
③ 渡航先の現地 (空港, 通信キャリア店舗, コンビニ等)	・現地価格で最も安価な場合がある ・現地の正規プランを選べる	・外国語でのやり取りが必要 ・購入や設定に時間がかかる	最も安い可能性

値段だけで見ると現地購入が最も安くなる可能性がありますが、慣れない土地で貴重な旅行時間を費やすことや、言語の壁を考えると、総合的な利便性ではオンラインでの事前購入が優れていると言えるでしょう。eSIMであれば、購入から設定まで全てオンラインで完結するため、最もスムーズです。

上記で紹介したeSIM、レンタルWiFi、国内キャリアは以下から利用することができます。

各データ通信手段の準備と使い方

最適な通信手段を選んだら、最後は出発前の準備です。これを怠ると、現地に到着してから「つながらない！」というトラブルに見舞われる可能性があります。以下の手順を確実に行いましょう。

出発前の必須準備：SIMロックの解除

eSIMや海外用物理SIMを利用する上での大前提が、お使いのスマートフォンがSIMフリー（SIMロックが解除されている状態）であることです。

もしSIMロックがかかっている場合は、契約しているキャリアの会員サイト（My docomoなど）から無料で解除手続きができます。2021年10月以降に発売された端末は原則SIMロックがかかっていませんが、それ以前の機種をお使いの方は必ず確認しておきましょう。

現地到着後の設定と使い方

現地に到着したら、以下の手順で通信を開始します。

1. 航空機内でオンにしていた機内モードをオフにします。
2. スマートフォンの設定画面を開き、「データローミング」をオンにします。（これは海外SIM/eSIM、国内キャリアローミングのいずれの場合も必要です）
3. eSIMやデュアルSIMで利用する場合は、データ通信に利用する回線として、今回購入した海外用の回線が選択されていることを確認します。

つながらない時は？

上記を設定してもインターネットに接続できない場合、まずはスマートフォンを再起動してみてください。多くの一時的な不具合はこれで解消されます。それでもだめな場合は、SIMの提供元から送られてきた説明書を確認し、APN設定が正しく行われているかを確認しましょう。

総括：海外旅行で何ギガ必要か１週間の目安

この記事では、1週間の海外旅行で必要なデータ通信量や、各種通信手段の選び方について詳しく解説しました。最後に、記事全体の要点をリスト形式でまとめます。

• 1週間の旅行で必要なギガ数は使い方によって大きく変わる
• ライトユーザーなら1週間で3GB、ミドルユーザーなら7GBが目安
• ヘビーユーザーは10GB以上の大容量か無制限プランが安心
• 動画視聴や高画質SNSは特にデータ消費量が大きいので注意が必要
• 通信手段は主にSIMカード・eSIM・レンタルWiFi・海外ローミングの4種類
• コストと利便性のバランスが最も良いのはeSIM
• eSIMや海外SIMを使うにはSIMフリー端末が必須
• ahamoの海外ローミングは15日以上の滞在では利用不可
• 楽天モバイルは2GB超過後1GB/500円でチャージ可能
• 複数人でのグループ旅行ならレンタルWiFiが経済的
• SIMはオンラインでの事前購入が最もスムーズで安心
• Googleマップのオフライン機能は最強のデータ節約術
• 動画や音楽はWi-Fi環境で事前にダウンロードしておく
• 出発前に必ずSIMロックの有無を確認し必要なら解除する
• 現地でつながらない時はまずスマホの再起動とデータローミング設定を確認

唯一絶対の正解はありません。ご自身の旅行スタイル、期間、予算、そしてITリテラシーを総合的に判断し、最適な通信手段を選択することが、快適な海外旅行の鍵となるはずです。