マルタとはどんな国?文化の特徴や観光・留学の魅力を紹介

マルタとはどんな国?文化の特徴や観光・留学の魅力を紹介

「マルタっていったいどんな国?」地中海の地図を眺めながら、そんな疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。イタリア・シチリア島のすぐ南、地中海のへそとも呼ばれる位置に浮かぶこの小さな島国は、近年、その治安の良さと英語圏という利便性から、旅行先としてだけでなく、語学留学や海外移住、さらにはノマドワーカーの拠点としても注目を集めています。

美しいコバルトブルーの海、世界遺産の街並み、そして複雑な歴史が織りなす独自の文化。物価は日本と比べてどうなのか、現地の食事は口に合うのか、そして日本からどうやって行くかなど知っておきたい情報は山ほどあるはずです。この記事では、マルタ共和国の基本情報から文化の特徴、知っておくと役立つマナーや注意点まで幅広く解説していきます。

記事のポイント
  • マルタ共和国の文化の特徴と基本的な場所、気候、歴史背景
  • マルタの食文化や治安の実情、衣食住など現地での生活様式
  • 観光旅行や語学留学で訪れる際の具体的な魅力、費用感、注意点
  • 渡航前に知っておきたい現地でのマナーやタブーなどの実用情報
目次

マルタとはどんな国?基本情報と文化

マルタとはどんな国?基本情報と文化

ヨーロッパの地図を広げてみると、イタリアのブーツのつま先の先に、小さな点がポツンとあるのが見つかります。それがマルタ共和国です。「名前は聞いたことがあるけれど、実際マルタはどんな国なのかイメージが湧かない」「イタリアの一部だと思っていた」という方も少なくありません。

まずは、この国の基本的なプロフィールから紐解いていきましょう。小さな島国ですが、そこには多様な歴史と文化、そして地政学的な重要性が凝縮されています。

マルタ島はどこの国なのか

マルタ共和国の地図 Britannica
画像左:マルタの位置、画像右:マルタの拡大地図(Britannica出典)
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正式国名マルタ共和国(Republic of Malta)
首都バレッタ(Valletta)
通貨ユーロ(€)
日本との時差-8時間(サマータイム時は-7時間)
水事情水道水は淡水化された海水が含まれ塩分を感じることがあるため、飲用が心配な場合はボトルウォーターが推奨されます。
電源プラグBFタイプ(イギリスと同じ3本足の角型)

マルタ共和国は、地中海のほぼ中央に位置する立派な独立国家です。イタリアのシチリア島沿岸から南へ約90–100km、北アフリカのチュニジアからは東へ約400kmの場所にあります。この「ヨーロッパとアフリカの中間」という絶妙な位置関係こそが、マルタの運命を決定づけてきました。EU(欧州連合)やシェンゲン協定加盟国でもあるため、ヨーロッパ諸国からのアクセスは非常にスムーズです。

国土は主に「マルタ島」「ゴゾ島」「コミノ島」の3つの有人島と、無人の小さな島々から成り立っています。面積は合計しても約316平方キロメートルしかなく、これは東京23区の面積(約627平方キロメートル)の約半分という驚きのコンパクトさです。車で走れば、端から端まで1時間もかからずに移動できてしまいます。

マルタを構成する3つの島は、それぞれ全く異なる顔を持っています。

3つの島の特徴

  • マルタ島
    首都バレッタや繁華街があり、政治・経済・観光の中心地です。人口のほとんどがこの島に集中しており、常に活気に満ちています。
  • ゴゾ島
    「マルタの妹」とも呼ばれる第二の島。マルタ島よりも緑が多く、牧歌的でのんびりとした時間が流れています。伝説の「カリプソの洞窟」があるのもここです。
  • コミノ島
    定住者はわずか数人と言われる、ほぼ無人の島。ここには世界的に有名な「ブルーラグーン」があり、夏場は多くの観光客が透明度抜群の海を求めて訪れます。
    (出典:About Comino & the Blue Lagoon|Suncat Malta Charters

気候は典型的な地中海性気候で、年間約300日が晴天と言われています。夏(6月〜9月)は乾季で雨がほとんど降らず、カラッとした暑さが続きますが、アフリカからの熱風「シロッコ」が吹くと気温も湿度も急上昇し、不快指数が高まる日もあります。一方、冬(11月〜3月)は温暖ですが雨が多く、風も強くなるため、体感温度は意外と低く感じられます。

豆知識:猫の楽園
マルタは猫の数が多いと冗談交じりに言われるほどの「猫の国」です。街中の公園や路地裏、港など、いたるところで地域住民に世話をされているローカルの猫たちに出会えます。猫好きにはたまらない癒やしの場所とも言えるでしょう。


マルタ共和国の文化と歴史

マルタ共和国の文化と歴史

マルタの文化を一言で表すなら、「文明の交差点」あるいは「地中海のるつぼ」です。地中海の要衝にあるため、古代からフェニキア、カルタゴ、ローマ、ビザンツ、アラブ、ノルマン、そして聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)、フランス、イギリスと、数々の大国や勢力による支配を受けてきました。

この激動の歴史的背景が、現在のマルタ独自の重層的な文化を形成しています。街を歩けば、アラブの影響を受けた「ガラリア」と呼ばれる木製の出窓を持つ建物があり、その横にはイギリス統治時代の名残である赤い電話ボックスやポストが立ち並び、カトリックの教会からは荘厳な鐘の音が響くという、不思議な調和を見ることができます。

聖ヨハネ騎士団と大包囲戦

マルタの歴史を語る上で絶対に外せないのが「聖ヨハネ騎士団(後のマルタ騎士団)」の存在です。1530年、神聖ローマ皇帝からマルタ島を与えられた騎士団は、ここを拠点としてオスマン帝国の脅威に対抗しました。

特に1565年の「大包囲戦」は歴史的な転換点でした。圧倒的な兵力差のあるオスマン軍に対し、騎士団と島民は3ヶ月以上に及ぶ籠城戦を耐え抜き、奇跡的な勝利を収めました。この勝利は「ヨーロッパを救った」と称賛され、現在の首都バレッタの建設へと繋がりました。バレッタは難攻不落の要塞都市で設計された、初期の計画都市の代表的な例として評価されています。(出典:City of Valletta|UNESCO

ジョージ・クロスが示す不屈の精神

マルタの国旗の左上には、小さな十字架が描かれていることに気づくでしょう。これは「ジョージ・クロス」と呼ばれる勲章です。第二次世界大戦中、マルタは枢軸国軍からの激しい攻撃に晒されましたが、島民は決して屈しませんでした。その勇気と忍耐を称え、イギリス国王ジョージ6世から島全体に対して贈られたのがこの勲章です。マルタの人々にとって、この十字架は誇りの象徴だと言えます。

公用語は英語とマルタ語

公用語は英語とマルタ語

マルタを語る上で欠かせないのが、非常にユニークな言語事情です。マルタの公用語は、土着の言葉である「マルタ語」と「英語」の2つです。

世界で唯一の言語「マルタ語」

マルタ語は、言語学的にも非常に興味深い特徴を持っています。基本的にはアラビア語の北アフリカ方言をベースにしたセム語族に属する言語ですが、歴史的な経緯からイタリア語(シチリア語)や英語の語彙が大量に混ざり合っています。さらに驚くべきは、「アラビア語系の言語でありながら、ラテン文字(アルファベット)で表記される世界唯一の言語」であるという点です。

日常会話では「Bongu(ボンジュ=おはよう)」「Sahha(サッハ=ありがとう/さようなら/お元気で)」といった言葉が飛び交い、現地の文化に深く根付いています。

なぜ英語が通じるのか?

マルタで英語が公用語となっているのは、1800年から1964年までの約150年間、イギリスの植民地であった歴史に由来します。マルタ語が多数派の母語である一方、英語は教育システムや行政、法律はイギリス式が採用されており、国民に広く使われています。年代や地域差もあり、特にスリーマなど一部地域や若年層では英語を幼少期から使う人の割合が高くなっています。

ヨーロッパには英語が通じにくい国も多々ありますが、マルタではバスの運転手からスーパーのレジ係、道端のお年寄りまでスムーズに英語でコミュニケーションが取れる傾向にあります。この「英語環境」こそが、日本からの留学生や旅行者にとって最大の安心材料となっています。

マルタ人の話す英語は、イタリア語のような抑揚があり、比較的ゆっくりと話す傾向があります。また、語尾を上げたり、身振りを交えたりと表現豊かです。ネイティブの早い英語に慣れていない日本人にとっては、むしろ聞き取りやすく、コミュニケーションへのハードルを下げてくれる要因にもなっています。


マルタ人の国民性や人柄

マルタ人の国民性や人柄

現地で実際に生活し、人々と接してみると、マルタ人の人柄は非常に「フレンドリーで、情に厚く、少しおせっかい」だと感じます。典型的な地中海気質で、陽気で声が大きく、感情表現が豊かです。

困っている人を放っておけない

マルタ人は他者への関心が強く、困っている人を見かけると放っておけない優しさを持っています。例えば、バス停で路線図を見ながら迷っていると、頼んでもいないのに「どこに行きたいの?」「そのバスならもうすぐ来るよ」と地元のおじちゃんやおばちゃんが声をかけてくれます。時には、そのまま世間話に花が咲くこともしばしば。

家族と伝統を大切にする心

彼らは家族や親戚との絆を何よりも大切にします。週末の日曜日には、親族一同が祖父母の家に集まり、長時間かけてランチを楽しむのが伝統的な過ごし方です。また、自分が生まれた村や教区(パリッシュ)への愛着も強く、村ごとの祭り「フェスタ」の時期になると、それぞれの村が花火の豪華さや教会の装飾を競い合い、凄まじい熱気に包まれます。

「マルタ時間」の文化

一方で、南国特有の「のんびり屋」な一面もあります。約束の時間に遅れることは珍しくなく、バスが時刻表通りに来ないこともしばしば。現地の口癖である「Mela(メラ)」は、「まあね」「そうだね」「OK」など多様な意味を持ちますが、この言葉が象徴するように、物事をあまり深刻に捉えず、流れに身を任せる傾向があります。この「マルタ時間」にイライラせず、寛容に受け止めることが、この国を楽しむコツかもしれません。


マルタ島の治安や危険性

マルタ島の治安や危険性

海外に行く際に最も気になるのが治安ですが、マルタはヨーロッパの中でも比較的治安が良い国として知られています。暴力犯罪に巻き込まれるリスクは他国に比べて低く、夜間に女性が一人で海岸沿いをジョギングしたり、路地を歩いたりする姿も日常的に見かけます。

しかし、「治安が良い」からといって「日本と同じくらい安全」というわけではありません。観光客の増加に伴い、軽犯罪のリスクには十分な注意が必要です。

注意すべき具体的なリスクと対策

  • スリ・置き引き
    観光客が集まるバレッタのメインストリート、混雑したバスの中、ビーチでの盗難が増えています。リュックは体の前で持つ、ビーチで泳ぐ際は貴重品を放置しないなどの対策が必須です。
  • 繁華街の夜
    ナイトクラブやバーが密集する「パーチャビル(Paceville)」地区は、週末の夜になると若者や酔っ払いで溢れかえります。喧嘩やトラブル、薬物の勧誘などの報告があるため、興味本位での深夜の立ち入りは避けたほうが無難です。
  • タクシーのトラブル
    白タク(無認可タクシー)によるぼったくり被害も稀にあります。配車アプリ(BoltやeCabsなど)を利用するか、正規の白いタクシーを利用しましょう。

外務省の海外安全ホームページでも、マルタの治安情勢は比較的落ち着いているとされていますが、最新の情報収集は怠らないようにしましょう。

(出典:外務省 『マルタ安全対策基礎データ』 /  Escape Artist『Is Malta Safe? 』


マルタはどんな国?文化や観光・留学

マルタはどんな国?文化や観光・留学

基本情報を押さえたところで、次はもっとディープな魅力に迫りましょう。実際に滞在して感じる生活の匂いや、観光客を惹きつけてやまない絶景、そして食事。ガイドブックだけでは伝わりきらない、マルタが「どんな国なのか」を五感で感じるための情報をお届けします。

生活様式に見る文化の特徴

マルタでの暮らしは、照りつける太陽と青い海という地中海特有の気候、そして国民の9割以上が信仰する敬虔なカトリックの教えによって形作られています。「郷に入っては郷に従え」と言うように、マルタ独自の生活リズムや住環境の特徴を知ることは、この国をより深く理解し、快適に滞在するための第一歩です。ここでは、ガイドブックには載っていないような、現地のリアルな衣食住や伝統文化について深掘りします。

街並みを彩る「住環境」

マルタを訪れた人がまず魅了されるのは、街全体が蜂蜜色(ハニーカラー)に輝く統一感のある景観でしょう。これは、島で豊富に採掘される「グロービジェリナ(Globigerina)」と呼ばれる石灰岩、通称「マルタストーン」を建材として使用しているためです。

この石造りの家には、過酷な気候を生き抜くための先人の知恵が詰まっています。

  • 天然の断熱材
    マルタストーンの厚い壁は、夏の強烈な熱気を遮断し、家の中をひんやりと保つ効果があります。
  • 小さな窓とガラリア
    直射日光が入らないよう窓は小さく設計されています。また、マルタ建築の象徴とも言えるカラフルな木製出窓「ガラリア(Gallarija)」は、外からの視線を遮りつつ風を取り込む、アラブ文化の影響を受けた独特の設備です。

石造りの家は夏こそ快適ですが、冬(12月〜2月)は「底冷え」します。断熱性は高いものの気密性が低く、湿度が高いため、体感温度はかなり低くなります。また、湿気がこもりやすくカビが発生しやすいため、現地の生活では除湿機がテレビや冷蔵庫と同じくらい必須の家電となっています。冬に滞在する場合は、部屋着を厚手のものにするなどの対策が欠かせません。


「マルタ時間」とシエスタの習慣

マルタには、南欧特有のゆったりとした時間感覚、いわゆる「マルタ時間」が流れています。バスが時刻表通りに来なくても、約束の時間に相手が現れなくても、イライラせずに「Mela(まぁ、いいさ)」と受け流すのがマルタ流です。

また、かつてスペインやイタリアと同様に一般的だった「シエスタ(お昼寝休憩)」の習慣も、形を変えながら残っています。

  • 個人商店の営業時間
    バレッタやスリーマなどの主要観光地や大型スーパーマーケットは一日中営業していますが、地方の村にある個人商店(八百屋、薬局、雑貨屋など)は、午後1時から4時頃まで店を閉めることが今でもあります。
  • 日曜日の静寂
    カトリックの安息日である日曜日は、スーパーを含む多くのお店が定休日となったり、午前中のみの営業となったりします。日曜日の午後は街がひっそりと静まり返るため、買い出しは土曜日に済ませておくのが鉄則です。

「働くときは働き、休むときはしっかり休む」。このメリハリのある生活リズムこそが、マルタ人の陽気でストレスフリーな国民性を支えているのかもしれません。


ビーチBBQと村祭り(フェスタ)

夏(5月〜10月頃)になると、マルタ人の生活の中心は完全に「海」へとシフトします。サマータイムで夜8時過ぎまで明るいため、仕事が終わればそのままビーチへ直行し、海に浸かって夕涼みをするのが日課という人も少なくありません。

  • ビーチでのBBQ文化
    特に週末の夜になると、各家庭がグリルやテーブルセットを持ち寄り、ビーチで盛大なバーベキュー大会を開きます。波音をBGMに、ソーセージやマリネした肉を焼き、ワインを飲む。これがマルタ人が最も愛する夏の過ごし方です。
  • 村中が熱狂する「フェスタ」
    もう一つの夏のハイライトが、各村の守護聖人を祝うお祭り「フェスタ(Festa)」です。週末ごとにどこかの村で開催され、教会は電飾で煌びやかに飾られ、通りには屋台が並びます。見どころは、村のブラスバンドによる行進と、空を焦がすほどの大量の花火。マルタ人の花火にかける情熱は凄まじく、爆音と光のショーは深夜まで続きます。これは単なる観光イベントではなく、地域コミュニティの絆を確認する重要な伝統行事なのです。

服装の傾向とTPO

服装に関しては、リゾート地らしくカジュアルで開放的です。夏場はTシャツ、短パン、サンダルが基本スタイルで、街中を水着の上に何か羽織っただけで歩いている人もよく見かけます。

しかし、忘れてはならないのが「TPO(時と場所と場合)」、特に宗教施設でのマナーです。

  • 教会訪問時のドレスコード
    マルタには360以上の教会がありますが、これらは神聖な祈りの場です。観光客であっても、以下の服装はマナー違反とされ、入場を断られることがあります。
  • 対策
    夏場でも薄手のストールやカーディガンを一枚持ち歩き、教会に入るときだけ肌を隠すようにしましょう。入り口でショールを貸し出している場合もありますが、持参するのが無難です。
  • NGな服装
    肩が出るノースリーブ、キャミソール、膝上丈のミニスカートやショートパンツ、帽子をかぶったままの入場(男性)。

食文化や有名なマルタ料理

食文化や有名なマルタ料理

マルタ料理は、イタリアンの要素をベースに、アラブや北アフリカのスパイス使い、そしてイギリスの食習慣が融合した、非常にユニークなものです。基本的には、地元で採れる季節の食材を活かした素朴な「クッチーナ・ポーヴェラ(庶民の料理)」ですが、その味わいは深く、日本人の口にもよく合います。

マルタ流の食事スタイル

レストランで注文する際、まず驚かされるのが「一皿のポーション(量)の多さ」です。マルタ人にとって食事は、家族や友人と長い時間をかけて楽しむエンターテインメント。前菜からメインまで一人一皿頼むと、日本人には食べきれないほどの量が運ばれてくることがよくあります。

そのため、前菜やパスタ、メイン料理をいくつか頼んで、テーブルのみんなでシェアするスタイルがおすすめです。大皿を囲んでワイワイと食べるのが、最もマルタらしい食事の楽しみ方と言えるでしょう。

代表的なマルタ料理

ウサギ料理(Fenek)
マルタの国民食と言えば間違いなくこれです。かつて狩猟が盛んだった名残や、食糧難の時代の貴重なタンパク源だった歴史があります。「フェンカタ」と呼ばれるウサギ料理を食べる宴会は、重要な社交の場。赤ワイン煮込みやガーリックソテーで食べるのが一般的で、臭みはなく鶏肉に近い食感です。

パスティッツィ(Pastizzi)
マルタのソウルフードとも呼べるスナック。何層にも重なったパリパリのパイ生地に、リコッタチーズや豆のペーストを包んで焼いたものです。街中の「パスティッツェリア」で1個50セント〜1ユーロ程度で売られており、朝食やおやつに最適ですが、カロリーは高めなので食べ過ぎには注意!

マルタパン(Hobz tal-Malti)
外はカリッと硬く香ばしく、中は気泡が多くて驚くほどモチモチした食感の大きなパン。これにオリーブオイル、トマトペースト、ツナ、ケッパーなどを挟んだサンドイッチ「フティーラ」は、ビーチでのランチの定番です。

ブラジオリ(Bragioli)
牛肉の薄切りで、挽肉や卵、ハーブなどの具材を巻いて煮込んだ料理。「オリーブ・ビーフ」とも呼ばれます。

代表的なマルタのドリンク

食事のお供に欠かせないのが、マルタ独自のドリンクです。

  • マルタワイン
    実はマルタはワインの隠れた銘醸地でもあります。生産量が少なくほとんど輸出されないため、現地でしか味わえない希少なワインがたくさんあります。特にゴゾ島産のワインは評価が高く、レストランではぜひ「ローカルワイン」を試してみてください。
  • マルタビール「チスク(Cisk)」
    黄色いラベルが目印の国民的ビール。スッキリとした喉越しのラガータイプで、暑い地中海の気候にこれ以上ないほどマッチします。
  • 国民的炭酸飲料「キニー(Kinnie)」
    ビターオレンジとハーブ抽出液で作られた、琥珀色の炭酸飲料。独特のほろ苦さは「薬っぽい」と言われることもありますが、飲み慣れるとクセになる「大人のコーラ」です。

旅行で代表的な観光スポット

旅行で代表的な観光スポット

小さな国土に見どころがぎっしり詰まっているのがマルタの凄さです。数日の滞在では回りきれないほどの魅力がありますが、絶対に外せない主要なスポットをご紹介します。

首都バレッタ(Valletta)

街全体がユネスコ世界遺産に登録されている、世界でも珍しい首都です。急な坂道と階段、その先に広がる青い海、そして蜂蜜色の建物が織りなす景観は圧巻です。

  • 聖ヨハネ大聖堂
    外観はシンプルですが、一歩中に足を踏み入れると、床一面の大理石の墓碑と、天井を覆いつくすフレスコ画、そして金箔の装飾に圧倒されます。カラヴァッジョの傑作『洗礼者ヨハネの斬首』も見逃せません。
  • アッパー・バラッカ・ガーデン
    グランド・ハーバー(大港)を見下ろす展望公園。対岸のスリー・シティーズを一望できる絶景スポットです。

古都イムディーナ(Mdina)

バレッタができる前の首都で、城壁に囲まれた中世の街。「静寂の街(Silent City)」と呼ばれ、車がほとんど通らない迷路のような路地裏は、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気です。高台にあるため、城壁の上からはマルタ島を一望できます。散策の後は、名物のチョコレートケーキを食べるのがお約束。

自然の絶景スポット

  • ブルーグロット(青の洞門)
    マルタ島南部に位置する海食洞。小舟に乗って洞窟内を巡ると、太陽光の反射で海面が鮮やかな蛍光ブルーやエメラルドグリーンに輝く神秘的な光景に出会えます。午前中が最も綺麗に見えると言われています。
  • コミノ島のブルーラグーン
    船が宙に浮いて見えるほどの透明度を誇る、マルタ随一の絶景ビーチ。夏場は非常に混雑するため、朝一番のフェリーで向かうのが楽しむコツです。

ゴゾ島(Gozo)

フェリーで約25分でアクセスできるゴゾ島は、巨石神殿「ジュガンティーヤ」や、奇跡の教会「タ・ピーヌ聖堂」など見どころ満載。マルタ島よりも田舎の風景が残り、とてものんびりとした時間が流れています。


知っておきたいマナーやタブー

知っておきたいマナーやタブー

楽しく過ごすためにも、現地のマナーやタブーを知っておくことは重要です。マルタは開放的なリゾート地であると同時に、敬虔なカトリック教徒が多い保守的な国でもあります。

教会での服装と振る舞い

教会は観光地である以前に、神聖な祈りの場です。入場する際は、帽子を脱ぐのが基本です。また、ノースリーブやミニスカート、大きく背中の開いた服など、肌の露出が多い服装での入場は厳しく制限されます。入り口で係員に止められることもあるため、夏場でも薄手のショールやカーディガンを持参し、肩や膝を隠せるようにしましょう。

チップの習慣

イギリス文化の影響でチップの習慣が根付いています。レストランでは、サービス料が含まれていない場合、会計の5〜10%程度をテーブルに置くのがスマートです。タクシーでも、料金の端数を切り上げて渡すのが一般的。ただし、カフェでコーヒー1杯を飲む程度ならチップは基本的に不要です。

バスの乗り方

マルタのバスは、バス停に立っているだけでは止まってくれません。乗りたいバスが来たら、タクシーを止める時のように大きく手を挙げてアピールする必要があります。また、降りる際も早めに降車ボタンを押さないと、誰も乗る人がいなければ通過されてしまうので注意しましょう。

環境への配慮

マルタは慢性的な水不足に悩まされている国です。水道水の多くは海水を淡水化したもので、コストもかかっています。ホテルや滞在先でのシャワーの出しっぱなしなど、水の無駄遣いには十分に配慮しましょう。


語学学習で人気のマルタ留学

語学学習で人気のマルタ留学

「マルタ どんな国」と検索されている方の中には、美しい海や観光情報だけでなく、語学留学先としてのポテンシャルに興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今、マルタはフィリピンやフィジーと並び、「費用を抑えながら英語を学べる穴場の留学先」として、学生から社会人、シニア層まで幅広い世代から熱い視線を集めています。

なぜ、これほどまでにマルタ留学が選ばれているのでしょうか。単に「安いから」だけではない、ヨーロッパの英語圏ならではの魅力と、知っておくべき注意点について解説します。

魅力①:コストパフォーマンス

マルタ留学最大の特徴は、やはりその費用の安さです。イギリスやアメリカ、オーストラリアといった主要な英語圏への留学と比較すると、時期やプランにもよりますが授業料と滞在費を合わせた総額が約3分の2から半分程度に抑えられるケースも珍しくありません。

物価は年々上昇傾向にありますが、それでもロンドンやニューヨークでの生活費に比べれば、食費や交通費などのランニングコストは圧倒的にリーズナブルです。「ヨーロッパに住んで英語を学びたいけれど、予算が厳しい」という方にとって、マルタはまさに救世主のような存在と言えるでしょう。
(出典:Cost of Living in Malta | Numbeo

魅力②:多国籍な英語環境

フィリピン留学(セブ島など)がアジア人の学生中心であるのに対し、マルタ留学は「クラスメイトの国籍が豊か」という大きな違いがあります。

  • ヨーロッパからの留学生が多数
    地理的な近さから、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、ロシアなど、近隣諸国からの留学生が非常に多いです。彼らの多くは夏休みや休暇を利用して訪れます。
  • 南米からの学生も増加中
    近年はブラジルやコロンビアなど、南米からの留学生も増えています。

彼らも私たちと同じ「英語学習者(非ネイティブ)」です。そのため、完璧な文法を気にするよりも「とにかく英語で伝えようとする姿勢」が強く、英語を話すことへの心理的なハードルが低いのが特徴です。多様なアクセントや価値観に触れながら、実践的なコミュニケーション能力を養うことができます。

魅力③:勉強も遊びも両立できる選択肢

マルタの語学学校の多くは、スリーマやセントジュリアンといった海沿いのリゾートエリアに位置しています。そのため、学習環境とレジャーが隣り合わせにある、理想的な「スタディ・ライフ・バランス」が実現します。

午前中は集中して英語のレッスンを受け、午後はクラスメイトとビーチへ行って宿題をしたり、世界遺産のバレッタでカフェ巡りをしたり、夜はパブで異文化交流を楽しんだり。単に語学力を伸ばすだけでなく、人生の夏休みのような「リフレッシュ」の要素を兼ね備えているのも、社会人留学として人気が高い理由の一つです。

マルタ留学の注意点と対策

良いこと尽くしに見えるマルタ留学ですが、もちろんデメリットや注意点もあります。ここを理解していないと「思っていたのと違う」と後悔することになりかねません。

マルタ留学の注意点と対策

  • 夏(7〜8月)は日本人比率が急上昇
    ヨーロッパのバカンスシーズンである夏は、世界中から留学生が集まる最高の時期ですが、同時に日本の大学生の夏休みとも重なるため、学校によってはクラスの日本人比率が高くなる傾向があります。「日本語禁止」の環境を求める方には厳しいかもしれません。
  • ハイシーズンの価格高騰
    6月から9月にかけては、航空券だけでなく、学校の寮やアパートの滞在費もハイシーズン料金が適用され、費用が跳ね上がります。
  • 遊びの誘惑が多い
    リゾート地特有の開放感があり、ナイトライフも盛んなため、意志を強く持たないと「毎日遊んで終わってしまった」ということになりかねません。

費用を抑えつつ、落ち着いた環境で学習に集中したい方には、あえて秋から冬(10月〜3月)のオフシーズンをおすすめします。航空券や滞在費が安くなるだけでなく、観光客が減って街が落ち着き、日本人の留学生も少なくなります。ヨーロッパの長期滞在ビザ(シェンゲン協定)をうまく活用し、マルタを拠点にヨーロッパ周遊旅行を楽しむのも、この時期ならではの賢い過ごし方です。


文化の具体例テーマ別一覧表

マルタ文化の具体例一覧表

ここまでマルタの歴史や生活、食文化など様々な魅力をお伝えしてきましたが、情報量が多くて整理しきれないという方もいらっしゃるかもしれません。

最後に、マルタという国の特徴や文化をテーマごとに一覧表にまとめました。旅行や留学の計画を立てる際の参考として、ぜひご活用ください。

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カテゴリーテーマ内容・特徴
基本情報地理・気候地中海中央部、シチリア島の南に位置
マルタ島、ゴゾ島、コミノ島の3島から成る
地中海性気候で温暖(夏は高温乾燥、冬は温暖湿潤)
言語・宗教公用語:マルタ語(セム語系で唯一ラテン文字表記)、英語
宗教:カトリック(国民の約8割以上が信仰)
歴史・社会歴史的背景「文明の交差点」として多様な勢力(フェニキア、ローマ、アラブ、騎士団、英仏など)の支配を受ける
聖ヨハネ騎士団による要塞都市建設(バレッタなど)
第二次大戦時の不屈の精神(ジョージ・クロス授与)
国民性・治安フレンドリーで親切、家族や伝統を重視
「マルタ時間」と呼ばれるのんびりした気質
治安は比較的良好だが、スリなどの軽犯罪には注意が必要
生活文化住環境・習慣「マルタストーン(蜂蜜色の石灰岩)」を用いた建築
特徴的な木製出窓「ガラリア」
シエスタ(昼休憩)の習慣が一部残る
祭り・行事村祭り(フェスタ):守護聖人を祝い、花火やパレードで盛り上がる
夏のビーチBBQ:家族や友人と海辺で過ごす定番スタイル
食文化特徴・スタイル地中海料理をベースにアラブ・英・伊の影響が融合
「クッチーナ・ポーヴェラ(庶民の料理)」:素材を活かした素朴な味
大皿料理をシェアするスタイルが一般的
代表料理ウサギ料理(Fenek):シチューやソテーが定番
パスティッツィ:リコッタや豆ペースト入りのパイ
マルタパン(フティーラ):サンドイッチとして人気
飲み物:チスク(ビール)、キニー(ハーブ系炭酸飲料)
観光・学習主要スポットバレッタ(世界遺産の首都)
イムディーナ(静寂の古都)
ブルーラグーン(コミノ島)、ブルーグロット(青の洞門)
ゴゾ島(巨石神殿など)
留学・マナー英語留学:費用が安く多国籍な環境、リゾート留学として人気
マナー:教会での服装(露出厳禁)、チップ習慣あり、バス乗車時の合図

マルタとはどんな国か総括

ここまで「マルタとはどんな国?」というテーマで、基本情報から独自の文化まで紹介してきましたが、具体的なイメージは掴めましたでしょうか?

マルタは、古代からの重厚な歴史と、まばゆいばかりの地中海の自然、そして陽気でお節介な人々が共存する、世界でも類を見ない魅力あふれる国です。英語が通じ、治安も比較的良くコンパクトに観光地がまとまっているため、初めてのヨーロッパ旅行や海外留学先としても適しています。

物価は近年上昇傾向にありますが、それでも得られる体験の豊かさと感動を考えれば、訪れる価値は十分にあるでしょう。ぜひ実際に足を運び、その蜂蜜色の街並みと深い青色の海のコントラストを、あなた自身の目で確かめてみてください。


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