留学やワーホリの準備を進める中で、スマホやSIMの扱いに悩む方は多いでしょう。渡航前にスマートフォンのSIMロック解除をしておくべきか、現地の電話番号はどうやって取得するのか、日本の番号を残してSMS認証を受け取るための格安SIM維持の仕組みや、短期滞在ならポケットWiFiが便利なのかなど、気になる疑問がたくさんあると思います。私も海外生活の準備についていろいろと調べる中で、携帯の契約をどうするかで頭を悩ませた経験があります。本記事では、そんな通信に関する不安を少しでも解消し、安心して海外での新生活をスタートするための具体的な手順やアイデアをお伝えしていきます。
- 渡航期間に合わせた最適な通信手段の選び方
- 日本の電話番号を残しながらコストを抑える方法
- 現地到着後すぐにインターネットへ接続する手順
- SIMカードとeSIMそれぞれのメリットと注意点
留学・ワーホリでSIMとスマホはどうする?【基礎編】

いざ海外へ出発する前に、日本国内で済ませておくべき準備は意外とたくさんあります。ここでは、渡航前の時点で知っておきたい通信手段の基本や、現在使っているスマホをどう扱うべきかについて詳しく見ていきましょう。
海外留学やワーホリの通信手段

海外での新生活をスタートさせるにあたり、「スマートフォンをどのようにインターネットに繋ぐか」は、滞在先の家探しや学校の手続きと同じくらい重要な課題です。海外でインターネットや通話を利用するための通信手段には、主に4つの選択肢が存在します。まずは、それぞれの基本的な仕組みと特徴について整理していきます。
現地の通信キャリアと直接契約する(現地SIM)
1つ目の選択肢は、渡航先の国にある通信会社の店舗やスーパーマーケットで「現地のSIMカード」を購入し、自分のスマートフォンに挿入する方法です。この最大のメリットは、何と言っても圧倒的なコストパフォーマンスの高さと、現地の電話番号が取得できることです。数ヶ月以上の長期滞在においては、この方法が一般的な生活の基盤となります。契約の際に英語でのやり取りが発生するため、最初は少しハードルが高く感じるかもしれませんが、留学生向けの分かりやすいパッケージプランを用意しているショップも多く、店員さんも外国人対応に慣れています。現地の社会インフラにしっかりと溶け込むための、最初の大きなチャレンジと言えるでしょう。
次世代のデジタル通信「eSIM」を活用する
2つ目は、物理的なチップの抜き差しを一切必要としない「eSIM(イーシム)」を利用する方法です。これはスマートフォンの内部にあらかじめ組み込まれているデジタル形式のSIMに、インターネット経由で通信プロファイル(契約情報)をダウンロードして使うという、近年主流になりつつある革新的な仕組みです。最大の強みは、日本にいる間にオンラインで購入から初期設定まで全て完結できる点にあります。飛行機が現地に着陸して機内モードを解除した瞬間にインターネットに繋がるため、初めての海外で右も左も分からない到着直後の不安を劇的に解消してくれます。
いつものスマホをそのまま使う「海外ローミング」
3つ目は、現在日本で契約している携帯会社の回線を、海外の提携ネットワークを経由してそのまま利用する「国際ローミング(海外ローミング)」というサービスです。事前の複雑な申し込みやSIMの入れ替え作業が不要で、スマートフォンの設定画面からデータローミングをオンにするだけで通信が始まります。この手軽さは大きな魅力ですが、日本の通信会社の電波を海外に引っ張ってくる仕組み上、長期間利用すると通信費が高額になってしまうリスクを伴います。あくまで数日間の短期旅行や、現地SIMを契約するまでの数日間の繋ぎとして利用するのが賢明です。
複数デバイスの接続に強い「モバイルWi-Fiルーター」
4つ目は、日本から海外用の「持ち運び可能なWi-Fiルーター(ポケットWi-Fi)」をレンタルして持参する方法です。これはスマートフォン本体の通信機能を使うのではなく、小型のルーターから飛んでくるWi-Fiの電波を拾ってネットに繋ぐ仕組みです。ノートパソコンやタブレットなど複数のデバイスを同時に接続したり、友人同士で通信費を割り勘してシェアしたりするのに非常に向いています。ただし、外出時は常にルーター本体を持ち歩く必要があり、スマホとは別にルーターのバッテリー充電も気にしなければならないという物理的な手間がかかる点は考慮が必要です。
| 通信手段のタイプ | メリット・強み | デメリット・注意点 | 設定の難易度 | おすすめの対象者 |
|---|---|---|---|---|
| 現地の通信回線契約 (プリペイドSIM等) | 現地の電話番号が取得できる。中長期の滞在においてデータ単価が最も安く、生活費を抑えられコストパフォーマンスが圧倒的に高い。 | 購入や契約の手続きを外国語で行う必要がある。初期設定(APN設定等)を自分で行うケースが多い。 | 中〜高 | ワーホリ参加者、半年以上の長期留学生、現地で仕事を探す予定の方 |
| デジタル通信 (旅行用eSIM) | 日本にいる間に購入・設定が完了し、到着直後からネットが使える。物理カード紛失のリスクが全くない。 | 対応している比較的新しいスマートフォンが必要。現地の電話番号が付与されないデータ専用プランが大半を占める。 | 低〜中 | 1〜3ヶ月の短期留学生、複数の国を周遊する予定の方、到着直後の繋ぎとして使いたい方 |
| 日本の海外利用プラン (楽天モバイル、ahamo等) | 事前の複雑な切り替え手続きが不要で、今使っている日本の電話番号のまま海外でシームレスに利用できる。 | 15日間の連続使用で大幅な速度制限がかかる場合(ahamo等)や、長期間使うと費用が高額になる場合がある。 | 極めて低い | 1〜2週間の短期滞在者、出張者、現地の契約手続きに不安を感じている方 |
| 海外用Wi-Fiルーター (ポケットWi-Fi) | 複数人でシェアでき、パソコンやタブレットなど複数のデバイスを同時に安定して接続できる。 | 常に端末を持ち歩く必要があり、バッテリーの充電管理の手間がかかる。長期利用では高額になる。 | 低 | グループでの短期留学、パソコンでのオンライン授業や仕事がメインの方 |
海外留学やワーホリ向けの通信手段はそれぞれ一長一短があり、どれか一つが全ての状況において完璧というわけではありません。事前の情報収集をしっかり行い、ご自身の目的に合った通信環境を構築することが、充実した留学生活をスタートさせるための第一歩となります。

短期留学と長期留学での選び方

留学の期間によって、通信手段の選び方や考え方は大きく変わってきます。短期留学と長期留学の選び方における目安は、「滞在期間が3ヶ月未満か、それ以上の長期にわたるか」という点にあります。ここでは、滞在期間ごとの選び方について解説します。
3ヶ月未満の短期留学
例えば、1週間から数ヶ月程度の短期留学であれば、現地の携帯ショップで身分証を提示し、複雑な契約手続きを行う「手間や時間を省くこと」が最優先となります。短期滞在の場合、現地で本格的な銀行口座を開設したり、自分でアパートを賃貸契約したりする必要がないことがほとんどです。そのため、現地の電話番号を無理に取得しなくても、日本にいる家族や友人、現地で知り合った語学学校のクラスメイトとは、LINEやWhatsApp、Instagramなどのデータ通信を通じた連絡手段だけで十分に生活を成り立たせることができます。
この場合、日本で契約している携帯会社の海外ローミングプラン(楽天モバイルなど)を活用するか、オンラインで即日発行できる旅行者向けのeSIMを事前に購入しておくのが最もスマートで無駄がありません。限られた貴重な留学期間を、現地の携帯ショップでの長い待ち時間や、不慣れな英語での契約トラブルの解決に費やしてしまうのは非常にもったいないからです。飛行機を降りた瞬間からスムーズに行動を開始できる手軽さが、短期留学における最大のメリットとなります。
半年以上の長期滞在・ワーホリ
一方で、半年から1年以上にわたる長期留学やワーキングホリデーの場合は、コストパフォーマンスと「現地社会への本格的な適応」が何よりも重要になってきます。日本のローミングサービスや旅行者向けのデータ専用プリペイドSIMを長期間使い続けると、データ単価が割高になり、月々の通信費が膨大な額になって生活費を大きく圧迫してしまいます。さらに、現地でのアルバイト探し(雇用主へのレジュメ提出)や、シェアハウスの大家さんとの連絡、お給料を受け取るための銀行口座開設など、長期滞在ならではの重要なイベントにおいては「現地の電話番号(音声通話・SMSが可能なもの)」が必須条件となる場面が多々あります。
したがって、長期滞在を成功させるための王道のステップは次のようなハイブリッド型の戦略になります。まず、到着して最初の1週間程度は日本から準備したeSIMやローミングなどの「繋ぎの通信」で凌ぎます。そして、その間にシェアハウスなどの定住先の住所を確定させ、現地のスーパーマーケットや通信会社(格安SIMや大手キャリア)の店舗に直接足を運んで、現地の電話番号付きの長期契約SIMカードを手に入れるという流れです。
期間別の通信選びのポイント
- 短期留学(3ヶ月未満)
契約の煩わしさを回避。eSIMや海外ローミングを活用し、データ通信メインで身軽に過ごす。 - 長期留学・ワーホリ
生活の基盤作りを最優先。到着直後は繋ぎの通信を利用し、落ち着いたら現地の通信網(現地回線)にしっかりと入り込む。
長期滞在者は、契約時に少しの語学的なハードルがあったりしても、現地の通信を利用することがおすすめです。最初の苦労を乗り越えることが、結果的に最も安上がりで、かつ安全で快適な海外での生活基盤の構築に直結するということをぜひ覚えておきましょう。
現地のスマホ端末はどうする?

現在日本で使っているスマートフォンを、中身の写真データやアプリの履歴もそのままに海外で使いたいと考える方は非常に多いでしょう。使い慣れた端末があれば、見知らぬ土地でもすぐに地図を開いたり、翻訳アプリを使ったりできるため安心感が違います。
渡航時に携帯やスマホはどうするか考えた際にクリアしておかなければならないのが「SIMロックの解除(SIMフリー化)」です。日本の大手通信キャリアで購入した端末には、自社の回線以外の電波(海外の回線を含む)を利用できないようにする制限がかけられていることが少なくありません。これを解除せずに海外へ行き、現地のSIMカードを挿入しても一切の通信を行うことができないという悲劇が起こり得ます。(出典:総務省『SIMロックについて』)
そのため、出発の数ヶ月前には必ずご自身のスマートフォンの設定画面からSIMロックのステータスを確認し、ロックがかかっている場合は、契約している携帯会社のマイページや店頭で解除手続きを完了させておきましょう。オンラインで手続きを行えば無料で簡単に解除できることがほとんどです。
また、スマートフォンの機種によっては、渡航先の国で使われている電波の周波数帯(バンド)に物理的に対応していないケースもあります。特にAndroid端末の場合は、日本国内の特定の電波網専用にカスタマイズされているモデルも多いため、ご自身の端末のスペック表と、渡航先の主要キャリアの対応バンドを事前にインターネットなどで照らし合わせておくことが大切です。万が一対応していないことが判明した場合は、日本でSIMフリーのグローバルモデルに買い替えるか、現地に到着してから安いスマートフォン本体を現地調達するといった対策が必要になります。
日本の電話番号を維持する方法

海外に長期滞在する際、多くの方が直面するのが「日本の携帯電話の契約をどうするか」という問題です。昔は「海外に行っている間は解約する」か「キャリアの休止サービス(番号保管)を使う」のが当たり前でしたが、現代においては多くのリスクも伴います。ここでは、安全かつお得に日本の電話番号を維持する方法についてご紹介します。
現在、日本の銀行口座からの海外送金(Wiseなど)、クレジットカードのネット決済(3Dセキュア)、さらにはLINEやAmazonなどのウェブサービスのログインなどには、電話番号宛に届く「ワンタイムパスワード(SMS認証)」がほぼ必須となっています。もし海外でこのSMSが受け取れないと、カードが止められたり、口座のお金が引き出せなくなったりと、文字通り異国で「詰んでしまう」事態になりかねません。そのため、日本の電話番号は「海外でもSMSが無料で受信できる状態」で生かしておくことが必須条件となります。
大手通信キャリアには、格安で電話番号を預かってくれる「休止(番号保管)サービス」もありますが、、休止期間中は電波が止められるため海外でSMS(ショートメッセージ)を一切受信できなくなるリスクもあります(保管期間・料金はキャリアごとに異なります)。番号を使ったSMS受信が必要なら、格安SIMなどにMNPで移す方法も検討しましょう。
(出典:NTTドコモ『長期間利用されないとき(海外赴任・留学など)の電話番号保管・解除』)
おすすめは格安SIMへのMNP(乗り換え)
そこで現在、留学生やワーホリ参加者の間で人気の方法が、出発前に現在の電話番号を維持費の安い「格安SIM(MVNO)やオンライン専用プランへMNP(乗り換え)しておく」というテクニックです。これにより、番号保管サービスと同等以下のコストで、海外でもSMSを受け取れる待機用の回線を作ることができます。以下では、格安で利用できる主な通信キャリアをいくつかご紹介します。
| おすすめの通信会社 | 月額料金の目安 | 海外でのSMS受信 | 特徴と注意点 |
|---|---|---|---|
| HISモバイル | 約280〜290円 | 無料(要事前申込) | 業界最安水準で維持可能。留学生の間で人気があり、海外でデータを使わなければ格安で番号をキープできる。 |
| 楽天モバイル | 1,078円〜 | 無料 | 専用アプリで日本への通話も無料になります。海外到着直後から2GBのデータ通信が追加料金なしで使える。 |
| LINEMO | 990円〜 | 無料 | ソフトバンクの回線です。※新規契約の場合、海外ローミングが使えるまで5ヶ月かかるという条件あり。 |
| povo2.0 | 基本料0円 | 無料 | 維持費は無料ですが、180日ごとのプラン管理(トッピング購入)を忘れると解約になる点には注意が必要。 |
出発の1ヶ月〜2週間前には、必ず日本国内にいる状態でMNPの手続きとSIMの開通を完了させてください。海外に行ってからでは本人確認書類の受け取りやSIMの郵送ができず、手遅れになってしまいます。また、HISモバイルなどを選ぶ場合は、マイページから「国際ローミング」の利用申し込みを忘れずにオンにしておきましょう。
このように、月額数百円から千円程度の「保険料」を払って格安SIMに乗り換えておくことで、デジタル上の身分証明を安全に守ることができます。「たかが電話番号」と侮らず、渡航前の最優先タスクとして、ご自身に合った通信キャリアへの移行を確実に済ませておきましょう。
留学・ワーホリのSIMやスマホはどうする?【実践編】

無事に現地へ到着した後は、いち早くインターネット環境を確保して、滞在先への道のりを調べたり、家族や友達に連絡したいものです。ここからは、到着後に通信を確保するための具体的な方法やコツについて解説します。
現地でSIMカードを利用する方法
無事に渡航先の空港に到着し、いざ現地の生活をスタートさせる第一歩となるのが「現地SIMカードの購入と開通作業」です。初めての海外で、外国語を使って携帯電話の手続きをするのは少し緊張するかもしれません。しかし、購入場所の選び方や設定の手順をあらかじめ知っておけば、全く怖がる必要はありません。ここでは、現地で物理的なSIMカードをスムーズに使いこなすための具体的な方法と、失敗しないためのポイントを解説します。
空港と市内のスーパーの違い
現地SIMを購入する場所は、大きく分けて「空港の到着ロビー」と「市内のスーパーマーケットや携帯ショップ」の2つがあります。空港のカウンターは、英語に自信がなくてもスタッフが旅行者対応に慣れており、設定まで全てやってくれることが多いため、到着直後の安心感があります。しかし、便利な分だけ「旅行者向け価格」として少し割高に設定されていることがほとんどです。
一方、通信費を徹底的に節約したいワーホリメーカーや長期留学生におすすめなのが、市内の大型スーパーマーケット(オーストラリアならWoolworthsやColesなど)やコンビニエンスストアで購入する方法です。レジ横などに各通信会社の「プリペイドSIM(前払い式のスターターキット)」が数百円から売られています。これを購入し、滞在先やカフェの無料Wi-Fiを使って自分で開通手続き(アクティベーション)を行うのが、最もコストを抑えられる買い方です。長期滞在の場合は、審査の厳しい月額契約(ポストペイド)ではなく、パスポート一つで簡単に契約できるこの「プリペイド式」から始めるのが鉄則です。
SIMカードの入れ替え手順とAPN設定
購入したSIMカードをスマートフォンに入れる際の手順にも、いくつか注意すべきポイントがあります。まず、本体横の小さな穴に挿してトレイを引き出すための「SIMピン」を日本から持参しましょう。
そして最も重要なのが、「抜き取った日本のSIMカードを絶対に紛失しないこと」です。指先に乗るほど小さなこのチップには、あなたの日本の電話番号が記録されており、帰国後に再発行するとなると数千円の手数料と手間がかかってしまいます。専用のケースに入れるなど、パスポートと同じくらい厳重に保管してください。
新しい現地のSIMを挿入して電源を入れると、最近の機種であれば自動的に現地の電波を掴んでくれることが多いですが、通信会社によってはインターネットに接続するための「APN(アクセスポイント名)設定」を手動で行う必要があります。もし画面の左上に電波のマークが立っているのにネットに繋がらない場合は、この設定が原因です。購入したSIMカードのパッケージにも設定手順が書かれていますので、焦らずに指示通りに進めるようにしましょう。
(出典:Appleサポート『iPhone や iPad でモバイルデータ通信ネットワーク (APN) を表示・編集する』)
空港のカウンターや携帯ショップでSIMを購入し、スタッフに設定を手伝ってもらった場合は、その場でインターネットの閲覧と、電話の受発信ができるかテストすることをおすすめします。しっかり自分の目で接続を確認してからお店を出ましょう。
海外でeSIMを活用するポイント

ワーホリや長期留学において、eSIMは「到着直後の繋ぎの回線」として便利なツールになります。一方で、旅行者向けの安価なeSIMの多くは「データ通信専用」であり、現地の電話番号が付与されないことがほとんどです。そのため、長期滞在の銀行口座開設やアルバイト探しには向いていません。
活用方法としては、現地の長期滞在用プラン(現地の電話番号付きの物理SIM)を契約するまでの最初の1〜2週間だけ、この旅行用eSIMでデータ通信を確保しておきます。ホテルやシェアハウスに到着し、生活環境が少し落ち着いてから現地の通信会社の店舗へ足を運んで長期契約の物理SIMを手に入れるというステップを踏むことで、初期のトラブルを減らすことができます。
非常に便利でスマートなeSIMですが、利用するにはお使いのスマートフォンがeSIM機能に対応している機種(iPhone XR以降や、近年のAndroid端末など)であることが必須条件となります。また、本体の「SIMロック」が解除されている(SIMフリーである)ことも必要です。古い端末や一部の格安スマホではeSIMのメニュー自体が存在しないことがあるため、渡航前に必ずご自身の端末の設定画面(「設定」>「モバイル通信」など)やメーカーの公式サイトで仕様を確認してください。
このように、eSIMをうまく活用することで、海外渡航における通信確保のハードルは劇的に下がります。特に初めての海外留学で不安が多い方にとって、到着後すぐにネットが繋がる環境を日本国内で準備できるeSIMは心強いお守りとなるはずです。


長期滞在に便利なデュアルSIM

ワーキングホリデーや半年以上の長期留学において、現代の運用方法と言えるのが「デュアルSIM」です。デュアルSIMとは、1台のスマートフォンの中に「2つの異なる通信回線」を同時に入れて使い分ける機能のことです。最近のiPhone(XR以降)やAndroid端末の多くは、この機能(物理的なSIMカード+内蔵型のeSIM)に対応しています。
この設定を行うことで、普段のインタネットには安くで「現地の回線」を使いつつ、「日本の電話番号」で必要な認証や連絡もリアルタイムに受け取ることができます。
具体的な活用方法としては、まず日本を出発する前に、日本の電話番号を維持費の安い格安SIM(前述したpovo2.0やLINEMO、楽天モバイルなど)の「eSIM」に変更してスマホにダウンロードしておきます。そして、渡航先に到着したら、現地で生活用に「物理的なSIMカード」を契約してスマホに挿入します。
デュアルSIMの具体的な設定イメージ
- 回線①(日本のeSIM)
データローミング通信は「オフ」にする。ただし、音声通話とSMS受信だけは「オン」にして裏側で待機させておく。(※日本の回線で海外データ通信をして高額請求になるのを防ぐため) - 回線②(現地のSIM)
データ通信も音声通話も「オン」にし、スマホのメイン回線に設定。日常的なインターネットや現地での電話はこちらを使う。
日本の銀行口座やWebサービスを安全に管理しながら、現地の社会にもしっかり溶け込んで生活する。この2つの相反する課題を1台のスマホで同時に解決できるデュアルSIMは、現代の海外渡航者にとって必須のテクニックと言っても過言ではありません。ご自身のスマホがデュアルSIMに対応しているか、渡航前にぜひ一度チェックしてみてください。
楽天モバイルを利用するメリット

海外渡航に向けて「日本の電話番号をどう残すか」と「到着直後の通信をどう確保するか」は多くの方が直面する2大テーマですが、中でもおすすめなのが「楽天モバイル」です。
楽天モバイルでは事前の複雑な申し込み手続きや海外用の追加オプション料金を一切支払うことなく、毎月2GBまでの高速データ通信を海外の対象国と地域でそのまま利用することができます。空港に到着してすぐに滞在先までのルートをGoogleマップで調べたり、家族や友人にLINEで連絡を入れたりする初期の通信インフラとしては、2GBあれば十分に事足りるでしょう。
さらに、「Rakuten Link」という専用の通話アプリが利用できる点もメリットとして挙げられます。渡航先が対象国かつ事前にアプリ認証を済ませておけば、海外から日本国内への通話を無料で利用することができます。現地でトラブルがあったり万が一の際にも、アプリで通話料を気にすることなく日本に電話をかけることができ、精神的な安心感に繋がります。また、日本の銀行口座の管理やクレジットカードなどの「SMS認証(ワンタイムパスワード)」の受信も利用可能です。
使わなかった月でも維持費は月額1,078円(税込)から発生しますが、この料金で「月2GBの海外データ通信」と「日本への通話回線」、そして「SMS受信用の電話番号」の3つがセットになっていると考えれば、コストパフォーマンスの良い選択肢と言えるでしょう。
長期滞在の方は渡航前に日本の回線を楽天モバイルへMNP(乗り換え)しておき、現地に到着して生活が落ち着いたら生活用の「現地SIM」を契約するという組み合わせ(デュアルSIM運用)がおすすめです。日本の重要な連絡と初期のネット確保は楽天モバイルに任せ、日常的なデータ通信は現地の通信会社を使うことで、費用を最小限に抑えつつ快適な通信環境を作ることができるはずです。
\ 契約者1,000万回線突破 /

総括:留学・ワーホリのSIMとスマホはどうする?

海外生活を控えた皆様にとって、通信環境の準備は非常に頭を悩ませる問題であり、少し複雑に感じるかもしれません。しかし、今回お伝えした情報を順を追って整理していけば、決して難しいことではありません。留学、ワーホリでスマホやSIMはどうするというかという問いに対する結論は、「出発前の事前の準備」と「現地のインフラへの適応」の2段階に分けて考えることです。
まずは大前提として、日本国内にいる間にご自身のスマートフォンのSIMロックが完全に解除されているかを確実にチェックしましょう。そして、日本の電話番号を安価に維持して海外でもSMSを受け取れる状態(格安SIMへのMNPなど)を作った上で、到着直後の数日間を凌ぐためのeSIMや海外ローミングの準備を整えます。現地での生活が落ち着き始めたら、現地のスーパーマーケットや携帯ショップで長期用の割安な現地のSIMカードを契約し、デュアルSIMの環境を作るのがリスクの少ない方法です。
異国の地において、スマートフォンは単なる連絡ツールではなく、あなたの信用を証明し、安全を守るためのパートナーとなります。今回ご紹介した様々な手段を参考にしながら、ご自身の滞在スタイルに合う通信環境を構築し、充実した海外生活の第一歩を踏み出してください。





