ヨーロッパでおすすめのSIM・eSIMを紹介|目的別の選び方

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ヨーロッパでおすすめのSIM・eSIMを紹介|目的別の選び方

ヨーロッパへ旅行や出張で出かける際、現地のインターネット環境をどう準備するかは最初に直面する課題ですよね。ヨーロッパ向けSIMのおすすめはどれなのか、情報量の多さに戸惑っている方も多いのではないでしょうか。また、eSIMの比較をしながら、ヨーロッパ周遊用が便利なのか、あるいは無制限プランを選ぶべきかと迷うこともあるでしょう。さらに、電話番号付きでは従来のプリペイドSIMの方が安心なのか、日本での購入と現地購入ではどちらがスムーズなのかといった疑問も次々と湧いてくるはずです。この記事では、独自の視点も踏まえながら、これらの疑問について網羅的に解説していきます。

記事のポイント
  • ヨーロッパでの通信手段ごとのメリットとデメリット
  • 自分の旅行スタイルに最適なeSIMやSIMカードの選び方
  • 日本での事前準備から現地到着後の具体的な設定手順
  • 複数国の周遊や長期滞在など用途に合ったおすすめプラン
目次

ヨーロッパ向けSIM・eSIMの選び方

ヨーロッパの高速鉄道で移動しながらスマートフォンで快適に通信する女性旅行者

ヨーロッパで快適にインターネットを利用するためには、現地の通信環境を正しく理解し、ご自身のスマートフォンに合った通信手段を事前に準備しておくことが不可欠です。ここでは、最新の通信事情や、eSIMと物理SIMカードの基本的な違い、そして賢い購入方法について、基礎知識から解説していきます。

ヨーロッパでの通信環境

ヨーロッパの通信環境は、近年目覚ましい進化を遂げています。ロンドン、パリ、ベルリン、ローマといった主要都市部では、5Gネットワークが広く普及しており、日本国内と遜色のない、あるいはそれ以上の高速で安定した通信が可能です。一方で、地方、山岳部、地下鉄、石造りの建物内などでは通信が不安定になることもありますが、近年では郊外へのカバレッジも拡大しています。

そして、ヨーロッパの通信事情を語る上で外せないのが、EUが導入している「Roam Like at Home(国内と同じようにローミング)」という制度です。このおかげで、EU加盟国およびEEA(欧州経済領域)のいずれかの国の通信キャリアが発行したSIMカードやeSIMを契約していれば、他の加盟国へ移動しても自国と近い条件でデータ通信や音声通話を利用することができます。
(出典:欧州連合公式ウェブサイト『Roaming: what you pay to use your smartphone in another EU country』

ただし、この制度にはいくつかの例外や注意点が存在します。ヨーロッパはEU加盟国だけで構成されているわけではありません。代表的な例外がイギリスです。ブレグジット(EU離脱)以降、イギリスは法的なEUローミング無料規制の対象外となりました。そのため、一部の通信事業者では、イギリスとEU諸国間のローミングに追加のサーチャージを課すようになっています。さらに、スイス、モナコ、アンドラといった非EU加盟国も、通信事業者のプランによっては無料ローミングの対象外となるケースがあります。

非EU圏の取り扱いに注意

「ヨーロッパ対応」と銘打たれたSIMであっても、スイスやイギリスが対象エリアに含まれていない場合があります。渡航予定の国が、購入するプランのカバーエリアに確実に含まれているかを事前に確認することが必須です。ここを確認しそびれると、現地で高額なローミング料金が発生したり、通信自体ができなかったりするトラブルに直面します。

また、「無制限」と謳うプランであっても、他国でのローミング利用時には「フェアユースポリシー(公正利用の原則)」が適用され、一定のデータ量(例えば12GBなど)を超えると速度制限がかかるのが一般的です。これらヨーロッパ特有の通信事情をしっかりと理解しておくことが、トラブルのない快適な旅の第一歩となります。

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確認すべき国・地域理由
イギリスEUローミング規制の対象外
スイスEU/EEAではなく、対象外プランがある
ノルウェーEUではないがEEAのためEUローミング制度の対象。ただし旅行eSIMでは要確認
アイスランドEEA対象だが、旅行eSIMでは要確認
トルコヨーロッパプランに含まれないことがある
モナコ・アンドラEUローミング対象外扱いになりやすい
バルカン諸国プランごとに対応差が大きい

主要な各通信手段を比較

スマートフォンの通信設定を追加するSIMテクノロジーのイメージ

ヨーロッパでの快適な旅行を実現するための通信手段には、主に4つの選択肢が存在します。ご自身の旅行スタイル、滞在期間、予算に合わせて最適なものを選ぶことが、旅の充実度を大きく左右します。費用対効果(コスパ)と時間対効果(タイパ)の両面で主要な通信手段を比較してみましょう。

  • eSIM(イーシム)
    スマートフォンに内蔵されたデジタルSIM。現在最も推奨される主流の手段です。オンラインで購入・設定が完結し、SIMの差し替えが不要です。
  • 物理SIMカード
    ICチップを端末に差し替える従来の方法。現地での電話番号取得に優れており、長期滞在に必須です。
  • 海外ローミング(国内キャリア)
    ahamoや楽天モバイルなど、日本の契約をそのまま使う方法。設定不要で手軽ですが、利用日数や容量に制限がある場合があります。
  • レンタルWi-Fi
    複数人でのシェアに便利。しかし、機器の持ち歩きや充電の手間、受取・返却の手続きが必要です。
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通信手段メリットデメリットおすすめの旅行スタイル
eSIM即日利用可、荷物が増えない、安い対応機種が限定される、設定に慣れが必要短期〜中期の個人旅行、周遊旅行
物理SIM現地電話番号が持てる、大容量が安いSIMの差し替え手間、紛失リスク留学、ワーホリ、1ヶ月以上の長期滞在
海外ローミング設定不要、日本の番号で着信可能長期間の利用に不向き、容量制限あり数日間の超短期旅行、IT設定が苦手な方
レンタルWi-Fi複数人でシェア可能、設定が簡単重い、充電が必要、紛失時の違約金家族旅行、グループ旅行、PC複数台利用

これらの比較から、現代の身軽なヨーロッパ旅行において最もバランスが良く、費用対効果が高いのが「eSIM」であると私は結論付けています。次のセクションでは、そのeSIMの魅力についてさらに深く掘り下げていきましょう。


便利で手軽なeSIMの特徴

抜き差し不要、日本の電話番号維持、紛失リスクゼロといったeSIMを利用する3つのメリット

近年、海外旅行者の間で爆発的に普及し、もはや「海外旅行のインフラ」として定着しつつあるのがeSIM(イーシム)です。eSIMとは「Embedded SIM」の略で、直訳すると「組み込み型SIM」となります。従来の物理的なプラスチック製のSIMカードとは異なり、スマートフォン本体の基板にあらかじめ内蔵されたデジタルのSIMチップを指します。この革新的な技術が、旅行者の利便性を飛躍的に高めています。

最大の特徴でありメリットは、物理的なカードの抜き差しが一切不要になることです。オンラインで好みの通信プランを購入すると、専用の「QRコード」やアクティベーションコードがメールで送られてきます。それをスマートフォンの設定画面からカメラで読み込むだけで、通信キャリアの契約情報(プロファイル)が端末にダウンロードされ、通信が可能になる仕組みです。

また、eSIMを利用するもう一つのメリットが「デュアルSIM運用」が容易になる点です。eSIMで現地のデータ通信を確保しつつ、物理SIMスロットには普段日本で使っているSIMカードを挿したままにしておくこともできます。これにより、海外にいながら日本の電話番号でSMSを受信することが可能になります。クレジットカードの決済時や、各種ウェブサービスのログイン時に求められる「SMSのワンタイムパスワード認証」を海外でも確認できるため利便性が高いと言えるでしょう。

eSIM対応機種の確認方法について

非常に便利なeSIMですが、唯一のハードルは「すべてのスマートフォンが対応しているわけではない」という点です。iPhoneの場合、2018年発売のiPhone XS、XS Max、XR以降のモデルであれば、基本的にeSIMに対応しています。Android端末をご利用の方は、機種によって対応状況が大きく異なります。「設定」アプリを開き、「デバイス情報」や「端末情報」の項目から「EID(32桁の識別番号)」が表示されるかを確認してください。このEIDが表示されれば、あなたのスマートフォンはeSIM対応機種です。

購入から設定、そして利用開始までが完全にオンラインで完結し、SIMカードを紛失するリスクも皆無なeSIMは、まさに現代のヨーロッパ旅行において効率的な選択肢と言えるでしょう。


物理的なSIMカードの特徴

1ヶ月以上の留学や駐在で必須となる、現地の電話番号が持てる物理SIMカードの特徴

eSIMが主流となりつつある現代ですが、従来の物理的なSIMカードが持つ優位性も決して無視することはできません。特に、長期間ヨーロッパに滞在する予定の方や、現地での社会インフラに深く入り込む必要がある方にとっては、物理SIMカードは依然として選択肢の一つとなります。

まず、最大のメリットとして挙げられるのが、「現地の電話番号(音声通話機能)」を確実かつ安価に取得できるという点です。多くの旅行者向けeSIMは「データ通信専用」であり、電話番号が付与されないか、付与されたとしてもデータプランに比べて高額になる傾向があります。しかし、ヨーロッパでの滞在が1ヶ月を超えるような留学、ワーキングホリデー、あるいはビジネスでの駐在となると、データ通信だけでは生活が成り立ちません。

このような場面では、フランスのOrange、イギリスのVodafoneやThree、ドイツのO2といった現地の通信キャリアが発行する物理SIMカードや現地キャリアを契約し、現地番号を取得することが不可欠だと言えます。近年はeSIMでも通話・SMS付きプランがあるため、端末対応状況や滞在国での利用目的に応じて選びましょう。

また、eSIMに対応していない少し古い世代のスマートフォン(例えばiPhone 8やXなど)や、一部の格安Android端末を愛用している方にとっても、物理SIMカードが主な通信手段となります。

物理SIMカードにおける注意点

物理SIMを利用する際のリスクとして、日本のSIMカードの紛失が挙げられます。機内や空港のベンチなどで小さなSIMカードを入れ替える際などに、うっかり落として紛失してしまうケースもあります。元のSIMカードが無いと帰国後に日本の回線が使えなくなり、再発行に数千円の手数料と日数がかかってしまいます。物理SIMを利用する場合は、専用のSIMピンと、取り出した日本のSIMカードを安全に保管するための小さなケースを必ず日本から持参し、落ち着いた環境で入れ替え作業を行うようにしましょう。

さらに、現地のスーパーマーケットやキオスクで販売されている格安のMVNO(仮想移動体通信事業者)のプリペイドSIMパッケージは、長期的に見れば旅行者向けeSIMよりも1GBあたりの通信単価が安くなることも多々あります。滞在期間や目的に応じて、eSIMの利便性と物理SIMカードの実用性を天秤にかけることが重要だと言えるでしょう。


事前に日本で購入する方法

eSIMと物理SIMを日本で事前購入するメリットと、出発前に必須となるSIMロック解除の注意点

ヨーロッパ旅行における通信手段の確保において、おすすめなのが「渡航前に日本で事前に購入・手配しておくこと」です。言葉の通じない現地の空港でSIMを探し回る時間は、限られた旅行期間でもったいないロスとなります。日本での事前購入には、主に「eSIMの購入」と「物理SIMカードの購入」の2つのアプローチがあります。

eSIMを公式サイトや専用アプリで購入する

最も手軽で主流なのが、Holaflyやtrifa、AiraloといったeSIMプロバイダーの公式サイトやスマートフォンアプリから直接購入する方法です。これらは物理的な配送が一切ないため、出発の数日前、極端に言えば出発当日の空港ラウンジにいる間でも手配が可能です。行き先と滞在日数、データ容量を選んでクレジットカード等で決済すると、設定用のQRコードがメールで送られる、もしくはアプリ内で直接「eSIMをインストール」というボタンが表示されます。

eSIMを日本で事前購入・設定する際に確認しなければならないのが「有効期間(日数)のカウントがいつ始まるか」です。「QRコードを読み込んでインストールした瞬間」から有効期限が消費されるタイプと、「ヨーロッパの現地ネットワークに初めて接続した瞬間」から消費されるタイプがあります。前者の場合、日本にいる間に出発の1週間前に設定してしまうと、現地に着いた時にはすでに7日分の期限が切れているという悲劇が起こります。必ず各サービスの公式サイトでマニュアルを確認するようにしましょう。

ECサイトでSIMカードを購入する

eSIMに対応していない端末をお使いの方や、物理SIMカードが必要な方は、Amazon、楽天市場といった日本の大手ECサイトで、旅行者向けのSIMカードを事前に購入しておくことも可能です。

ECサイトで購入する最大のメリットは、日本語の丁寧な設定マニュアルが同封されている商品が多いことです。ただし、物理的なカードが自宅に郵送されるため、出発の1〜2週間前には余裕を持って注文しておく必要があります。また、販売業者によっては古い在庫やアクティベーション期限が迫っているものが送られてくるリスクもゼロではないため、購入時は商品レビューや販売元の評価をしっかりと確認することが大切です。

SIMカード選びに迷われた方は、以下の「Almond sim」はイギリスでも利用できるのでおすすめです。

SIMロック解除の事前確認を忘れずに

eSIMであれ物理SIMであれ、日本で購入した通信サービスを海外の現地回線で利用するためには、お使いのスマートフォンが「SIMフリー」である必要があります。日本の大手キャリアで購入した少し古い端末の場合、他社のSIMが使えないように制限(SIMロック)がかけられていることがあります。現在では、2021年10月以降に発売された端末は原則としてSIMロックが禁止されていますが、それ以前のモデルを使用している場合は、必ず渡航の数日前に各キャリアのマイページからSIMロック解除の手続きを完了させておきましょう。
(出典:総務省『移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン』

空港や現地で購入する方法

現地の空港に到着してSIMの設定をする日本人旅行者の様子

事前の準備が理想であるとはいえ、様々な事情で出発前にSIMを手配できなかったり、あるいは長期間の滞在のためにあえて現地のキャリアと直接契約を結びたいと考える方もいらっしゃるでしょう。もちろん、ヨーロッパの現地で直接SIMカードを購入することも十分に可能です。しかし、そこにはいくつかの乗り越えるべきハードルと、知っておくべき現実があります。

最も一般的な購入場所は、到着した国際空港のロビーです。主要な国際空港であれば、税関を抜けた先の到着ロビーに通信会社の専門カウンターやキオスク、さらにはSIMカードの自動販売機が設置されています。これらは旅行者向けサービスのため、購入のハードル自体はそれほど高くありません。

しかし、ここで直面する最大の問題が「価格の高さ」と「選択肢の少なさ」です。空港で販売されている「ツーリスト向けパッケージ」は、街中にある通常のキャリアショップで販売されている一般的なプリペイドプランに比べて割高に設定されていることが珍しくありません。また、設定を店員にお願いできるメリットはありますが、早朝や深夜の到着便の場合は店舗自体が閉まっているリスクにも注意が必要です。

疲れた状態での現地手配には注意

12時間以上の長時間のフライトを終えた時差ボケの状態で、空港内で通信ショップを探して契約するのは想像以上に体力と精神力を削る作業です。判断力が鈍っているため、必要以上に高額なプランを契約してしまうミスも起こりやすくなりがちです。

もし現地で購入するのであれば、空港からホテルまでの移動はホテルのWi-Fiや国内キャリアのローミングで一時的に凌ぎ、翌日以降に体力と気力が回復してから、街中のVodafone、Orange、O2といったキャリアの実店舗や、スーパーマーケットを訪れて購入するのもおすすめです。ただし、国によっては購入時にパスポートの提示や、滞在先の住所(ホテルの住所でも可の場合あり)の登録が法律で義務付けられているため、必要な書類は常に携帯しておく必要があります。


ヨーロッパにおすすめのSIM・eSIM

ヨーロッパのカフェで無料Wi-FiとSIMを併用して通信を利用する日本人旅行者

ヨーロッパ向けのeSIMや物理SIMには、世界中の企業が参入しており、その数は年々増加しています。旅行の期間や訪れる国、予算、データ容量、現地の電話番号の必要性など、「渡航の条件」によって選ぶべき正解は全く異なります。ここでは、用途別に最適な通信手段の選び方やおすすめのSIMサービスについて解説していきます。

目的別のおすすめSIM一覧

ヨーロッパ向けのSIMサービスについて調べると、情報が多くて「結局、自分の旅行にはどれが一番合っているの?」と迷われている方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、旅行の期間やスタイル、目的別におすすめの通信手段をまとめているで、検討する際の参考にしてみてください。

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あなたの目的・旅行スタイル最適なおすすめサービスおすすめポイント
1週間前後の短期観光Airalo、World eSIM、Saily1GB数百円から買える少容量プランが豊富。ホテルWi-Fiと併用することで節約できます。
複数国をまたぐ周遊旅行Airalo、Ubigi、trifa国境を越えても再設定が不要。対象となる国のカバー率が広く、移動中でもシームレスです。
無制限プランHolaflyデータ無制限のプランが使いやすい。旅行中にデータ通信量を気にせず利用したい人向け。
出張・リモートワーク(PC利用)Ubigi(中〜大容量プラン)テザリングが安定しており、容量と価格のバランスが抜群。ビジネス利用にも最適です。
現地での電話番号が必要Orange Travelフランスなどの現地電話番号と無料通話が付与され、現地サービスへの登録もスムーズです。
1ヶ月以上の留学や長期滞在eSIM(数日分)+ 現地格安SIM到着直後はeSIMで凌ぎ、生活基盤を整えるために現地の物理SIMを契約するのが便利です。
安心の日本企業によるサポートtrifa、World eSIM日本企業による確実なサポート。アプリも日本人向けで使いやすく、安心して利用できます。
設定などの手間をかけたくないahamo、楽天モバイル(海外ローミング)短期旅行なら、今日本で使っているスマホをそのまま海外へ持っていくだけで使えます。

ヨーロッパ周遊旅行向けSIM

ヨーロッパのRoam Like at Home制度の解説と、ローミング対象外になりやすいイギリス・スイスなどの要注意エリア

ヨーロッパ旅行の大きな醍醐味の一つは、国際鉄道や長距離バス、LCC(格安航空会社)などを利用して、気軽に国境を越え、複数の国や文化を一度に味わえる「周遊旅行」です。例えば、パリのエッフェル塔を見た翌日にユーロスターでロンドンへ向かい、さらにその数日後には飛行機でイタリアのローマへ飛ぶ、といったダイナミックな旅程もヨーロッパならではの魅力です。このような国境をまたぐ周遊旅行において、通信手段をどのように確保するかは極めて重要な課題となります。

かつては、新しい国に入るたびに駅や空港でその国のローカルSIMカードを買い求め、設定をやり直すという非常に煩わしい作業が必要でした。しかし現在では、「ヨーロッパ広域周遊プラン」に対応したeSIMを利用することが便利な最適解となっています。

周遊プランの最大のメリットは、一度スマートフォンにeSIMのプロファイルをインストールし、データローミングをオンにしておけば、あとは国境を越えても自動的にその国の最適な提携ネットワークを掴んでくれる点です。利用者が特別な操作をする必要は一切なく、移動中の列車の中でも通信をスムーズに利用することが可能です。接続先キャリアはサービスやエリアによって異なるため、特定の現地キャリアを使いたい場合は、事前に対応ネットワークを確認するようにしましょう。

周遊プランを選ぶポイント

ヨーロッパの周遊プランを選ぶ際に妥協してはいけないのが、対応国数の確認と、非EU諸国の取り扱いです。「Airalo(エラロ)」のEurolinkプランや、「Ubigi(ユービージー)」といったグローバルeSIMプロバイダーは、通常30ヶ国から40ヶ国以上をカバーする広域プランを提供しています。また、日本企業による安心感を優先したい方には、「trifa(トリファ)」の周遊プランもおすすめです。

ここで注意すべきは、前述した通り、「イギリス(UK)」と「スイス」が含まれているかどうかです。西ヨーロッパを周遊する旅行者の多くがこの2ヶ国のいずれかを旅程に組み込みますが、格安の周遊プランの中には、これらを除外しているものもあります。「ヨーロッパ対応」という言葉だけを鵜呑みにせず、必ず国名リストを確認することが大切です。

周遊旅行の計画を立てる際は、1ヶ国単体のプランを複数買うよりも、多少割高に見えても全域をカバーする広域の周遊プランを選ぶことで、時間と手間の両面で大きな節約につながります。

長期向け電話番号付きプラン

到着直後はeSIMで凌ぎ、生活基盤が整ってから現地の物理SIMを契約する1ヶ月以上の滞在向け2段階アプローチ

数日間の観光旅行ではなく、1ヶ月を超える語学留学、ワーキングホリデー、あるいはビジネスでの長期駐在といった目的でヨーロッパに滞在する場合、通信回線に求められる役割は根本的に変わってきます。短期旅行であれば「データ通信でインターネットが見られれば十分」ですが、長期滞在においては「現地の社会インフラにアクセスするための電話番号」が不可欠となります。

現地の銀行口座の開設、アパートの賃貸契約、行政機関でのビザの更新手続きはもちろんのこと、日常生活において頻繁に利用するUberやBoltといった配車アプリ、Deliverooなどのフードデリバリー、さらにはAmazonの荷物受け取り時のドライバーとのやり取りに至るまで、あらゆる場面で「滞在国の電話番号によるSMS認証や音声通話」が求められます。

長期滞在のセオリーとしては、「現地に到着してから最初の数日間から1週間はeSIMで当面の通信を確保し、滞在先のアパートや生活の基盤が落ち着いた段階で、現地のスーパーや携帯ショップでその国の格安SIM(MVNO)の物理カードを契約して現地の電話番号を取得する」という2段階のアプローチが確実だと言えます。長期滞在を成功させるためには、通信手段を「旅行モード」から「生活モード」へと段階的に切り替えていく視点が役立ちます。

現地の主要キャリアが提供している長期旅行者向けSIMサービスとして挙げられるのが、フランスの「Orange Travel」です。プランによってはフランスの電話番号も付与され、公式サイトで身分証を登録すれば30日以上継続することが可能です。ヨーロッパ各国のデータローミングに対応しているため、フランス以外の国に滞在する場合でもデータ通信と通話を両立させることができます。ただし、公式サイトは現在日本語に対応しておらず、基本的に英語での利用となる点には注意が必要です。


データ無制限に最適なプラン

無制限プランに潜むテザリングの制限や、短期間での異常なデータ消費によるフェアユースポリシー(FUP)の注意点

現代の海外旅行において、スマートフォンのデータ容量を気にしながら過ごすのは、想像以上に大きなストレスとなります。データを大量に消費するヘビーユーザーにとって、容量に上限があるプランは常に「パケ死(データ上限到達による速度制限)」の恐怖と隣り合わせです。そこでおすすめしたいのが、データ無制限プランを提供するeSIMサービスです。

ヨーロッパ向けにデータ無制限プランを推し進めている代表格が「Holafly(オラフライ)」です。Holaflyの特徴は、1日単位(例えば1日から90日まで)で利用期間をカスタマイズでき、その全期間においてデータ通信が無制限で利用できるという点です。料金は1日あたり数百円から千円程度と、容量固定のプランに比べれば少し割高になりますが、通信量の上限を気にすることなく、日本にいる時と全く同じ感覚でスマートフォンを使い倒せるという精神的な安心感は何物にも代えがたい価値があるでしょう。

フェアユースとテザリングの注意点

データ無制限プランを選ぶにあたっては、一つだけ絶対に知っておかなければならない「業界の暗黙のルール」が存在します。それが「フェアユースポリシー(FUP:Fair Usage Policy、公正利用の原則)」です。

通信キャリアは、ネットワーク全体の品質と安定性を維持するために、一部のユーザーが極端に回線を占有することを防ぐルールを設けています。そのため、「無制限」と宣伝されているプランであっても、短期間(例えば1日)に数ギガバイト、数十ギガバイトといった常識の範囲を超える膨大なデータを消費した場合、現地の通信事業者の判断により、予告なく一時的な通信速度の制限がかけられることがあります。

さらに、パソコンやタブレットをスマートフォンの電波に繋ぐ「テザリング(インターネット共有)」機能に関しても、無制限プランでは制限が課されるのが一般的です。例えばHolaflyの場合、スマートフォン本体での通信は無制限ですが、テザリングとして他の機器に分け与えられるデータ量はプランによって明確な上限が設定されています。

もし、パソコンでの作業やテザリングをメインに考えているのであれば、あえて無制限プランを避け、「30日間で50GB」といった大容量が明確に固定されているプラン(Ubigiなどの大容量パッケージ)を選ぶ方が、テザリングの制限がなく、結果的に安定した作業環境を確保できるケースが多いです。「無制限」という言葉の響きだけで思考停止せず、ご自身のデータ消費スタイルを分析した上でプランを選択するようにしましょう。


安い通信費で利用するコツ

オフライン保存、設定の見直し、少容量eSIMからの都度チャージによる通信費の3つの節約術

ヨーロッパ旅行の費用は、航空券の燃油サーチャージの高騰や現地での物価上昇(インフレーション)、さらには為替の影響により、以前にも増して負担が大きくなっています。少しでも旅費全体を抑えるために、「通信費」は安く済ませたいと考える方も多いでしょう。

通信費を安く抑えるための最大の秘訣は、「自分の実際のデータ利用量を正確に見積もり、必要最低限の容量だけを購入する」ことです。

旅行中のデータ消費量の目安

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使い方1週間の目安おすすめプラン
地図、LINE、メール中心1〜3GB少容量eSIM
地図、SNS、検索、翻訳3〜5GB中容量eSIM
SNS投稿、動画少し、移動多め5〜10GB10GB前後
PCテザリング、ビデオ会議20GB以上大容量固定プラン
動画視聴・容量を気にしたくない無制限または大容量FUP確認必須
  • 最低限の1日目安:500MB〜1GB
    Googleマップでの現在地とルート確認、LINEでのテキストメッセージの送受信、レストランのウェブ検索、軽いSNSの閲覧程度であれば、この容量でも一日を乗り切れます。
  • スマートフォンの設定
    出発前にスマートフォンの設定を見直すことも効果的です。写真や動画のクラウド(GoogleフォトやiCloud)への自動バックアップ設定を「Wi-Fi接続時のみ」に変更し、アプリのバックグラウンド更新をオフにしておきましょう。これだけで意図しないデータ消費を防ぐことができます。
  • オフライン機能の活用
    Googleマップの地図データや、Netflixの映画、Spotifyの音楽、翻訳アプリの辞書データなどは、渡航前やホテルの無料Wi-Fi環境下で事前にスマートフォン本体へ「オフライン保存(ダウンロード)」しておきましょう。移動中のモバイル通信を大きく節約することができます。

安く利用できるeSIMサービス

小容量プランから節約したい方にとって味方となるのが「Airalo(エラロ)」「World eSIM」「Saily(セイリー)」といった、データ容量・固定型の格安eSIMサービスです。例えばAiraloの場合、ヨーロッパの複数国で使える1GB/3日間のプランがわずか数USドル(数百円程度)から提供されています。World eSIMなどの日本企業が提供するサービスでも、1日あたり500MBといった少量単位のプランを格安で選ぶことができます。

これらのサービスは、「容量が足りなくなったら、専用アプリからクレジットカードでいつでも追加チャージ(トップアップ)ができる」という利便性を備えています。最初から高額な大容量プランや無制限プランを購入してデータを持て余すのではなく、まずは一番安い1GBや3GBのプランでスタートし、もし旅行の終盤で足りなくなりそうなら、その時に必要な分だけ数百円で買い足す。この「スモールスタート&都度チャージ」が、ヨーロッパでの通信費を安くで利用するためのコツです。宿泊先のホテルや、長距離列車内で提供されている無料Wi-Fiと、ご自身のeSIMを上手に組み合わせて、浮いた通信費で現地での体験やアクティビティをぜひ楽しんでください。

総括:ヨーロッパでおすすめのSIM

ヨーロッパ渡航に向けたインターネット準備の3ステップ(現地の通信事情を知る、自分に合う手段を選ぶ、日本で準備する)

ここまで、ヨーロッパの通信事情から目的に合わせたSIMサービスの選び方に至るまで解説してきました。ヨーロッパにおけるSIMの世界は日々進化しており、選択肢も多岐にわたります。

日本にいる今のうちに、ご自身のスマートフォンのSIMロックが解除されているかを確認し、eSIM対応端末であればアプリから事前にプランを購入・設定しておく。物理SIMが必要であれば、パッケージのSIMカードをAmazonで取り寄せておく。このほんの少しの「出発前のひと手間」が、あなたのヨーロッパ旅行を快適なものに変えてくれるはずです。

ご自身の旅の期間、訪れる国、データ使用量、そしてサポートの必要性を総合的に判断し、最適な通信手段を見つけてみてください。この記事が、皆さんの充実したヨーロッパ渡航の一助となれば幸いです。


本記事で紹介した料金やプランの内容などは執筆時点のものであり、あくまで一般的な目安です。為替レートの変動や通信会社の規約変更により、実際のサービス内容が異なる場合があります。正確な最新情報は、必ず各サービスの公式サイトをご確認ください。また、スマートフォンの設定や契約に関する最終的な判断はご自身の自己責任において行っていただき、必要に応じて各通信キャリアの専門窓口へご相談ください。

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