英語のライティング勉強法について調べて実践してみても、どうしても頭の中で日本語を翻訳してしまい、なかなか上達を実感できないという悩みをお持ちではないでしょうか。単語や文法を覚えるだけではネイティブスピーカーのような自然な英文を書くことは難しく、挫折してしまう方も少なくありません。
この記事では、自然な英語力を育てながらライティングを伸ばす方法について、私自身の経験も踏まえて解説します。初心者の方でも今日から独学で始められる具体的な練習方法や、学習をサポートしてくれる便利なアプリやサイトの活用法についても網羅していますので、ぜひこの記事を参考にして、自分の言葉で思いを伝える楽しさを手に入れてください。
- 自然な文章を英語で表現するライティングのコツと勉強方法
- 多読や多聴といったインプットがライティングに直結する理由
- 初心者から社会人まで実践できる練習方法とおすすめツール
- AIやオンライン英会話を活用してライティング力を伸ばす方法
英語ライティングの勉強法と書き方のコツ

ここでは、英語のライティングを習得するために役に立つ勉強法や書き方のコツについて解説します。なぜ「書く」ために「読む・聞く」というインプットが不可欠なのか、どうすれば長年の翻訳癖から抜け出すことができるのか、そのアプローチとポイントを掘り下げて共有します。
英語のライティングを学ぶメリット
「英語ができる」というと、どうしても「流暢にペラペラ話せること(スピーキング)」ばかりに注目が集まりがちです。しかし、実社会においてライティング力こそが、あなたの英語力を「信頼」という資産に変える最強のスキルであることはあまり知られていません。
なぜなら、話し言葉はその場で消えてしまいますが、書き言葉はメールやチャット、資料として「記録」に残り、読み手が時間をかけて吟味できるものだからです。整った英文を書けることは、あなたの知性や論理性を証明し続けることと同義なのです。ここでは、ライティングを習得することで得られる具体的なメリットを、ビジネス、思考力、そしてプライベートの3つの視点から掘り下げます。
1. ビジネスでの「信頼」とキャリアの可能性が広がる
ビジネスシーンにおけるライティング力の価値は絶大です。例えば、海外のクライアントや同僚にメールを一通送る場面を想像してみてください。文法が正確で、かつ英語特有の「結論から述べる」スタイルで書かれた簡潔なメールは、それだけで「この人は仕事ができる」「コミュニケーションコストがかからない」という安心感を与えます。
逆に、どれだけ日常会話が流暢でも、いざテキストでやり取りをした際にスペルミスだらけだったり、論理が飛躍していたりすると、プロフェッショナルとしての評価を損ないかねません。企画書、報告書、プレゼン資料、そして日々のチャットツール。リモートワークやグローバル化が進む現代において、「書く力」はそのまま「仕事の成果」に直結するのです。昇進や海外転職といったチャンスを掴む際も、履歴書やカバーレター(送付状)での自己表現力が決定的な差別化要因になります。
2. 「論理的思考力」が劇的に向上する
ライティングを学ぶ過程で得られる大きな副産物が、思考力の強化です。英語の文章は基本的に「主張(Opinion)→ 理由(Reason)→ 具体例(Evidence)」という厳格なロジックで組み立てられます。この型に沿って自分の考えを整理し、文字にする訓練を繰り返すことは、脳の筋トレのようなものです。
このプロセスを経ることで、英語だけでなく、日本語でのプレゼンテーションや会議の発言においても、「要するに何が言いたいのか」を瞬時にまとめ、相手に分かりやすく伝える力が養われます。「英語のライティングを練習していたら、なぜか日本語で伝えるのも上手くなった」というのは、多くの学習者が得られる恩恵の一つです。
3. 受け身の学習から「発信する楽しさ」へ
そして何より、自分の言葉で発信できることは純粋に楽しいものです。読む・聞くといったインプット中心の学習は「受け身」になりがちですが、ライティングは「能動的」な行為です。
SNSで海外のニュースにコメントしたり、Amazonのレビューを英語で書いたり、あるいは自分の趣味についてブログで発信したり。拙い英語であっても、世界中の誰かから “I agree!” と反応が返ってきた時の喜びは、学習のモチベーションを何倍にも高めてくれます。ただ情報を消費する側から、世界に向けて自分の考えを発信する側へと立場を変えられること。これこそが、ライティングを習得する最大の醍醐味かもしれません。
なぜ英語ライティングが難しいのか

英語のライティングにおいて最も重要な基礎知識は、関係代名詞の複雑な用法を暗記することでも、難解な語彙を詰め込むことでもありません。それは、「英語は英語のまま理解し、英語のまま出力する」というマインドセットを持つことです。多くの日本人学習者が陥りがちなのが、伝えたい内容をまず完璧な日本語で作文し、それをパズルのように英語に置き換えようとする「翻訳ライティング」です。
この方法には致命的な欠点があります。日本語特有の語順(SOV型)や、「空気を読む」文化に基づく曖昧なニュアンスに引きずられ、文法的にも不自然で、ネイティブには意図が伝わりにくい文章になってしまうのです。さらに、脳内で「日本語生成→翻訳→英語生成」という複雑な処理を行うため、書くスピードが圧倒的に遅くなります。
例えば、「私は彼に電話をかけた」という動作を考えるとき、「私=I」「彼に=to him」「電話=phone」…と単語を個別に繋ぎ合わせるのではなく、「I called him」という塊(チャンク)として、受話器を持っている自分の映像や動作のイメージと音で捉える感覚が必要です。この「イメージと言語の直結」こそがライティング上達のポイントとなります。
英語ライティングのポイント
- 日本語を介在させない
知っている簡単な英語表現だけで、子供に話すようにシンプルに表現する癖をつける。 - 完璧を目指さない
文法的な正しさよりも「相手に伝わること」を最優先し、使いこなせない複雑な構文を無理に使わない。 - イメージと直結させる
日本語訳(文字)ではなく、状況や映像、感情の動きと英単語を結びつける。

書く力を支えるインプットの重要性

「ライティングの練習」というと、ひたすら机に向かって英作文(アウトプット)をすることだと思われがちですが、実は「読む・聞く」というインプットの質と量こそが、ライティングの質を決定づけます。なぜなら、自分の中にストックされていない表現は、どれだけ頭を捻っても決して出てこないからです。アウトプットは、インプットした情報があふれ出たものに過ぎません。
私たちが自然な日本語の文章を書けるのは、幼少期からこれまでに膨大な量の日本語を読み聞きし、「こういう場面ではこう言うのが自然だ」「この言葉の次にはこの言葉が来ることが多い」というパターンが無意識レベルで蓄積されているからです。英語もこれと全く同じ原理です。多読(Extensive Reading)や多聴(Extensive Listening)を通じて、文法ルールとしてではなく「感覚」として、自然なコロケーション(語と語の結びつき)や文の流れを体に染み込ませる必要があります。
ここで重要なのは、教科書的な堅苦しい例文ではなく、自分が心から興味を持てるコンテンツを選ぶことです。海外のニュース記事、趣味のブログ、YouTubeのコメント欄、SNSの投稿など、生きた英語に大量に触れてください。「勉強」として一語一句を分析するのではなく、内容を楽しむつもりでリラックスして大量にインプットすることで、いざ書こうとした時に「あ、この言い回し見たことある」と、借り物ではない自分の言葉として自然に出てくるようになります。
また、言語習得理論における「インプット仮説」でも、自分の現在のレベルよりわずかに高いレベル(i+1)の英語を大量に理解することが、言語能力の向上に最も効果的であるとされています。書くためにこそ、まずは読んで聞いて、英語の貯金を増やすことから始めましょう。
(出典:Principles and Practice in Second Language Acquisition | Stephen D Krashen)


初心者向けライティングの基礎知識

「英語を書きたいけれど、スペルに自信がない」「そもそも書き方のルールがよく分からない」という悩みは、英語を始めたばかりの方が最初にぶつかる壁です。しかし、安心してください。ネイティブスピーカーの子供たちでさえ、最初は “people” を “pepl” と書くような時期を経て、徐々に正しい綴りを身につけていきます。
大切なのは、最初から辞書のような完璧さを求めず、英語特有の「音のルール」と「見た目のルール」を少しずつ体に馴染ませていくことです。ここでは、丸暗記に頼らずに基礎を固めるための効率的なステップを紹介します。
1. 日本語にはない「書き方の作法(パンクチュエーション)」を知る
英語には、日本語の原稿用紙にはない「見た目のルール」が存在します。これを知らないと、どんなに良い内容を書いても「読みづらい」「教養がない」と思われてしまう可能性があります。最低限、以下の3つの鉄則だけは今日から意識してみてください。
覚えておきたい3つの鉄則
- 大文字のルール
文の最初の文字、固有名詞(人の名前や国名)、そして一人称の「I(私)」は必ず大文字にします。 - スペースのルール
単語と単語の間には必ず半角スペースを1つ空けます。また、ピリオド(.)やカンマ(,)の後ろにも必ずスペースを入れます。(記号の前には入れません) - 句読点の役割
文の終わりには必ずピリオド(.)を打ちます。日本語の「。」と同じ感覚です。文を区切りたい時はカンマ(,)を使います。
2. 「型(スキャフォルディング)」を使って書くことに慣れる
白紙の状態から文章を作ろうとすると手が止まってしまいます。最初は「基本的な型(スキャフォルディング)」となる定型フレーズを使い、単語を入れ替えるだけのパズル感覚で練習しましょう。
「I like [好きなもの].」「I want to [したいこと].」といった中学1年生レベルの型を使い、[ ]の中身を変えて毎日3文だけ書いてみる。この反復練習により、基本的な英語の感覚やスペルを定着させるためのトレーニングになります。
3. 「音(フォニックス)」でスペルを予測する
英単語のスペルを「a-p-p-l-e」のようにアルファベットの羅列として暗記しようとすると、全て覚えるのにもストレスを感じるはずです。効率的にスペルを定着させる際には、英語の「音」と「文字」のルールである「フォニックス」を知ることが役に立ちます。
例えば、”cat” はカタカナの「シー・エイ・ティー」ではなく、「c・a・t」という音の組み合わせでできています。この音の法則を少し学ぶだけで、初めて聞く単語でも「こういう音だから、こう綴るはずだ」と予測して書けるようになります。ローマ字読みの癖を抜け出し、音を頼りに書く習慣をつけることが、スペルミスを減らす近道だと言えるでしょう。
論理的な実用英語での書き方のコツ

英語でレポートなどの実用的なライティングを行う際のコツは、「結論から先に書く」という英語特有の論理構造を意識することです。
日本語の文章では「起承転結」に代表されるように、背景説明や理由を述べ、最後にようやく結論が来るという構成も存在します。しかし、英語(特に実用的なライティング)では、「ワンパラグラフ・ワンアイデア(1つの段落に1つの主張)」が基本であり、その主張(トピックセンテンス)をパラグラフの冒頭に持ってくるのが鉄則です。これを意識するだけで、文章の英語らしさが格段に上がります。
| 構成要素 | 役割 | 英語での意識・書き出し例 |
|---|---|---|
| Topic Sentence (トピックセンテンス) | 主張・結論 | 「私はこう思う」「事実はこうだ」と最初に言い切る。 例: Online learning is effective. |
| Supporting Sentences (支持文) | 理由・具体例 | 「なぜなら~」「例えば~」で主張を論理的に補強する。 例: First, you can study anywhere… |
| Concluding Sentence (結びの文) | まとめ | 別の言葉(パラフレーズ)で再度、主張を繰り返して締める。 例: Therefore, it is a great way to learn. |
また、主語(S)と動詞(V)をできるだけ近づけ、一文を短く保つことも重要です。日本語の「~であり、~なので、~ですが…」といった長く続く文章を英語で再現しようとすると、不自然な英語の原因になります。「誰が、どうした」を明確にするシンプルな文を積み重ねることで、リズムが良く、力強い英文になります。
ライティングで使える表現や例文

ライティングのスピードと質を同時に高めるための秘訣は、単語を一つひとつパズルのように組み合わせるのではなく、ネイティブスピーカーがよく使う「フレーズ単位(チャンク)」をそのままセットで知っておくこともポイントです。
チャンクで覚えてしまえば、書くたびに「この動詞の後ろはtoだっけ?ingだっけ?」と文法ルールを頭の中で分析する必要がなくなります。また、前置詞の選択ミスや不自然な語彙の組み合わせ(コロケーションの誤り)も減らせるメリットもあります。
ここでは、日常会話からビジネス、アカデミックなシーンまで幅広く使える「型(テンプレート)」をシーン別に整理しました。ライティングを学ぶ際の参考としてご活用ください。
1. 自分の意見や立場を明確にする表現 (Giving Opinions)
「I think」ばかり使っていませんか?場面や確信度に合わせて表現を使い分けることで、文章の説得力が変わります。
| 表現 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| From my perspective, … | 【ややフォーマル】 感情的にならず、自分の視点・見解を客観的に述べたいビジネス会議や議論で重宝します。 | From my perspective, focusing on customer satisfaction is more important than short-term profits. |
| It seems to me that … | 【ソフトな表現】 断定を避け、「私にはこう見える(間違っているかもしれないが)」という謙虚さや柔らかさを出したい時に使います。 | It seems to me that we might be overlooking a crucial detail in this report. |
| I am convinced that … | 【強い確信】 「I think」よりもはるかに強く、自信を持って主張したい時に使います。プレゼンの締めくくりなどに効果的です。 | I am convinced that this new technology will revolutionize the industry. |
| As far as I am concerned, … | 【個人の意見】 「他の人はどうあれ、私個人の意見としては」と、個人の立場を強調する際に使います。 | As far as I am concerned, the project was a huge success despite the delay. |
2. 論理的に理由や原因を説明する表現 (Reasoning & Cause)
説得力のある文章には、明確な「根拠」が不可欠です。「Because」の連発を避け、バリエーションを持たせましょう。
| 表現 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| The main reason is that … | 【標準的】 複数の理由の中で、最も重要なものを際立たせる時に使います。聞き手の注意を惹きつけます。 | The main reason is that we need to reduce our environmental impact immediately. |
| This is largely due to … | 【分析的】 ある結果が「主に~のせいである」と原因を特定する際に使います。ポジティブ・ネガティブ両方で使えます。 | The increase in traffic is largely due to the construction work on the main road. |
| Taking into account that … | 【考慮・配慮】 「~という事情を考慮すると」と、前提条件を踏まえた上で論を展開する知的な表現です。 | Taking into account that he is new to the team, his performance has been impressive. |
| Due to the fact that … | 【フォーマル】 書き言葉専用です。論文や公式なレポートで、事実関係に基づいた理由を述べる際に使用します。 | The event was cancelled due to the fact that the weather conditions were unsafe. |
3. 話の展開をスムーズにする「繋ぎ言葉」 (Transitions)
文章の流れ(Coherence)を作るための接続詞です。これらを適切に配置することで、読み手は迷子にならずにあなたの論理を追うことができます。
| 表現 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| On the other hand, … | 【対比】 前述の内容とは対照的な視点を導入します。物事の二面性を語る際によく使われます。 | Living in the city is convenient. On the other hand, it can be noisy and expensive. |
| Furthermore, … | 【追加】 情報をさらに付け加え、主張を補強します。”Also” よりもフォーマルで説得力があります。 | The software is easy to use. Furthermore, it is compatible with all major operating systems. |
| Consequently, … | 【結果】 前の文が原因となり、その結果どうなったかを示します。”So” のフォーマル版です。 | He missed the last train. Consequently, he had to take a taxi home. |
| In conclusion, … | 【結論】 議論を締めくくり、最終的なまとめに入る合図です。エッセイやレポートの最後で必須の表現です。 | In conclusion, regular exercise is essential for both physical and mental health. |
4. ビジネスメールで即使える依頼・感謝の型 (Business Email)
ビジネスライティングでは、失礼がなく、かつ用件が明確な以下のような「定型文」を使うのがマナーとされています。
| 表現 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| I am writing to inquire about … | 【問い合わせ】 メールの書き出しで「~についてお伺いしたくご連絡しました」と目的を明確にする定番フレーズです。 | I am writing to inquire about the availability of your conference room next Monday. |
| I would appreciate it if you could … | 【丁寧な依頼】 「~していただけると幸いです」という、相手に強制感を与えない丁寧な依頼表現です。 | I would appreciate it if you could send me the report by the end of the day. |
| Please let me know if … | 【結びの言葉】 「もし~ならお知らせください」と相手のアクションを促してメールを締める便利な表現です。 | Please let me know if you have any further questions regarding this proposal. |
英語ライティングの勉強法と練習するコツ

ここでは、学習者のレベルや属性(学生・社会人)に合わせた最適な練習方法と、現代ならではの便利なツールやサービスの活用法について解説します。独学の限界を感じた時に役立つ、客観的なフィードバックを取り入れる勉強法も紹介しています。
初心者向けの短文ジャーナリング

英語学習の初心者の方がライティングで挫折する一番の原因は、「最初から立派な文章を書こうとしすぎること」です。いきなり長いエッセイやブログ記事に挑戦すると、単語調べるだけで疲れてしまい、三日坊主で終わってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、ハードルを極限まで下げた「3行日記(Micro-Journaling)」です。構成をパターン化し、悩む時間をなくすことが継続の鍵です。
構成はシンプルに、以下の「3つのF」の3要素を型として組み立ててみましょう。
【鉄板の3行構成】
- Fact(事実): その日あった出来事(例:I went to a new cafe.)
- Feeling(感想): どう感じたか(例:The coffee was great.)
- Future(未来): 次どうしたいか(例:I want to go again next week.)
「辞書を使わない」が英語脳を育てる
この日記を書く際におすすめしたいルールは「今の自分が知っている単語だけで書く」ことです。和英辞典で「くつろぐ」を調べて “relax” を探すのではなく、知っている単語で “I felt good.” と書く。これで十分です。
言いたい日本語を完璧に訳そうとするのではなく、「手持ちのカード(語彙)でどう表現するか」を脳に汗をかいて考えるプロセスも大切です。「I went to the park. It was fun.」レベルのアウトプットであっても、それを毎日続けることは、たまに書く長文よりも価値があると言えるでしょう。
慣れてきたら「類義語(Synonyms)」で表現を広げる
「Good」や「Happy」ばかり使って飽きてきたな、と感じたらレベルアップの合図です。その時は、和英辞典ではなく「英語類義語辞典(Thesaurus)」を活用してみましょう。
例えば “Happy” を調べると、”Delighted” や “Content” といった単語が出てきます。「今の気持ちはHappyよりもDelightedに近いな」と選ぶことで、日本語を介さずに英語のニュアンスを直接広げることができます。

気軽にできるライティング練習方法

英語脳を育てるためには、机に向かっている時間だけでなく、日常生活の中で「英語で考える時間」を少しずつ増やすことが大切です。私が実践して特に効果を感じた、隙間時間にできる練習方法を2つ紹介します。
1. 独り言ライティング(実況中継)
頭の中で考えていることや、今目の前で見ている状況を、リアルタイムで英語の実況中継のように書き出す練習です。実際に紙に書かなくても、スマホのメモ帳やチャットアプリ(LINEなど)の自分用スペースに入力するだけでも十分です。
「I’m hungry. I want to eat ramen. The shop is crowded.」といった中学1年生レベルの英語で全く構いません。重要なのは、「日本語で考える前に、反射的に英語が出てくる」状態を目指すことです。これを繰り返すと、日常生活のあらゆるシーンと英語が直結し始めます。
2. 5分間フリーライティング
タイマーをきっちり5分にセットし、あるテーマ(例:昨日の夕食、週末の予定、好きな映画)について、手を止めずにひたすら書き続けるトレーニングです。
ここでのルールは「絶対にペン(または指)を止めないこと」です。スペルミスや文法の間違いを気にして修正してはいけません。単語が出てこなければ、日本語で書いて飛ばしてもOKです。とにかく脳内にある英語をメンタルブロックを通さずに絞り出すことで、英語の流暢性(Fluency)が鍛えられます。書き終わった後に、辞書を使って答え合わせや修正を行えば、学習効果はさらに高まります。
英語で書く感覚を磨くための勉強法

ここでは、長年染みついた「日本語翻訳癖」を抜き、英語回路で書くためのトレーニング法としておすすめの「写経」と「パラフレーズ」について紹介します。
1. 英語の写経(書き写し)
これは、自分が「いいな」「使えそうだな」と思った英語の文章を、そのままノートに書き写すトレーニングです。ただし、単に右から左へ文字を書き写すだけの作業になってはいけません。それでは脳が働かず、効果が薄れてしまいます。ネイティブの音声付きの教材では正しい発音とイントネーションが学習できるため、リスニングを学習してから取り組むのが特におすすめです。
ポイントは、「今、自分がこの文章を書いている書き手本人だ」という意識で、その言葉が表す意味や情景イメージしながら書き写すことです。「ここではなぜ過去形なのか?」「なぜこの表現なのか?」という書き手の意図を追体験することで、英語のリズムや構文を身体で覚え、自分の言葉として使える感覚(語感)が養われます。最初は1日5分、数行からで構いません。
2. パラフレーズ(言い換え)練習
ある英文を読んだ後、その内容を自分の知っている「別の簡単な単語」を使って説明し直す練習です。これは通訳者のトレーニングでも使われる高度な手法ですが、学習者向けにアレンジして行います。
例えば、ビジネス記事で「The objective of this meeting is to determine the budget.(この会議の目的は予算を決定することだ)」という文に出会ったとします。これを難しい単語を使わずに言い換えるなら、「We meet to decide the financial plan.(お金の計画を決めるために会う)」のように、中学生レベルの英語に噛み砕きます。
この練習をすることで難しい日本語を直訳しようとする癖が減り、ポイントを掴んで柔軟に表現する回路を育てることに繋がります。
中・高校生と社会人の勉強法の違い

ライフスタイルや学習の目的によって、効果的なライティング勉強法は異なります。それぞれの環境を活かしたアプローチを取り入れましょう。
中学生・高校生の場合
学校の教科書や、英検・大学入試などの試験勉強とリンクさせることが効率的です。例えば、教科書のReadingパートの本文を要約(サマリー)したり、読んだ長文のテーマに対する自分の意見を3文程度で書く練習が良いでしょう。
文部科学省の調査によると、高校卒業段階でCEFR A2レベル(英検準2級相当)以上の英語力を達成している生徒の割合は年々向上しているものの、依然として「書くこと(ライティング)」を含む発信能力には課題が残るとされています。
(出典:文部科学省『令和5年度「英語教育実施状況調査」の結果について』)
入試や検定試験では、論理構成の「型」に沿って書くことが求められます。学校の授業で習う知識を「知っている」状態から「使える」状態にするために、実践で使える型を使った英文作成を繰り返すことが、成績向上と英語力向上の両方に役立ちます。
社会人の場合
ビジネスや生活で使える「実用性」を優先にしましょう。普段仕事で送っている日本語のメールやチャットを、「もしこれを英語で送るとしたらどう表現するか?」と考えて、実際にドラフトを書いてみるのも実践的です。
また、忙しい社会人は机に向かって勉強する時間が限られます。通勤電車の中でスマホで海外ニュースを読み、その感想を一言英語でSNS(Xなど)に投稿するなど、スキマ時間を活用した「短文」のアウトプットも有効です。世界中のユーザーから反応があれば、モチベーション維持にも繋がります。
AIツールとオンライン英会話の添削

独学でライティング学習を続けていると、必ずぶつかる壁があります。それは「自分の書いた英語が本当に合っているのか分からない」「文法的には正しくても、ネイティブにとって自然な響きなのか判断できない」という不安です。
どんなにたくさん書いても、間違ったままアウトプットし続けていては逆効果になりかねません。この「フィードバックの不在」という独学の弱点を克服するために、現在は「AIの即時性」と「人間の文化的感覚」を組み合わせたハイブリッド学習が効率的なアプローチとなっています。ここでは、それぞれの強みを活かした活用方法を紹介します。
AI(ChatGPT・Gemini等)を「専属コーチ」にする
ChatGPTなどの生成AIは、単なるスペルチェッカーではありません。使い方次第で、あなたの意図を汲み取り、より洗練された表現を教えてくれる優秀なコーチになります。AI活用のコツは、単に「添削して」と投げるのではなく、「役割」と「目的」を明確に指示(プロンプト)することです。
以下のようなプロンプトを使って、AIから深い学びを引き出しましょう。
| 目的 | 効果的なプロンプト(指示)の例 |
|---|---|
| 自然な表現を知る | 「以下の英文を、ネイティブスピーカーが使う自然な表現にリライトしてください。また、修正した理由を文法やニュアンスの観点から解説してください。」 |
| トーン(口調)の調整 | 「このメール文面を、取引先の重役にも送れるような『丁寧かつプロフェッショナルなトーン』に書き換えてください。」 |
| 語彙のレベルアップ | 「この文章の意味を変えずに、CEFR B2(中上級)レベルの語彙を使って書き直してください。」 |
| 別の言い回しを学ぶ | 「この表現のパラフレーズ(言い換え)を3パターン提示し、それぞれのニュアンスの違い(カジュアル、フォーマル等)を教えてください。」 |
このようにプロンプトを支持することで、表現チェックだけでなく、より洗練された言い回し(パラフレーズ)を学ぶことができます。「なぜその表現が良いのか」という解説まで読み込むことで、疑問をその場で解消し、知識として定着させることが可能となります。恥ずかしがらずに何度でも質問できるのもAIの大きな魅力です。
オンライン英会話で「自然な表現」と「文脈」を確認する
AIは正確ですが、文脈や相手との人間関係、その場の空気感を踏まえた「温かみのあるニュアンス」までは判断しきれないことがあります。そこで、オンライン英会話のレッスンを活用し、自分が書いた日記やメールを講師に見てもらいましょう。
AIでブラッシュアップした文章を、実際の講師(人間)に見せて、以下のような「感情や印象」に関する質問を投げかけてみてください。
講師に聞きたい質問の例
- 「このメールを送ったら、少し冷たい印象(too direct)を与えないかな?」
- 「親しい友人に送るなら、もっと砕けた言い方(casual way)はある?」
- 「あなたの国では、こういう頼み方をするのは一般的?」
実際に書いた文章を声に出して読み、講師とディスカッションすることで、ライティングとスピーキングを同時に鍛える相乗効果も期待できます。「書いたものをリアルでも相手に伝える」というプロセスを経ることで、より生きた表現力を伸ばすことができます。
おすすめ学習サイクル:AIで予習、リアルで実践
おすすめの学習フローの例としては、「AIで70点の完成度まで持っていき、オンライン英会話で100点(あるいは120点)に仕上げる」という流れです。
まずAIを使って基本的な文法ミスや不自然な箇所を修正し、自分なりに納得できる文章を作ります。その上で、オンライン英会話のレッスンに持ち込み、講師と「より自然な表現」について話し合う。このサイクルを回すことで、「実践で伝わるライティング力」を身につけることに繋がるはずです。


練習に役立つサイト・アプリ・教材

ライティング学習は「書く→添削される→修正する」というサイクルが大切です。幸いなことに、現在はテクノロジーの進化により、独学でもこのサイクルを回せる環境が整っています。
ここでは、それぞれの学習フェーズで活用できるサイトやAIツール、そしてオンライン英会話サービスを厳選してご紹介します。
ライティング練習サイト・便利ツール
自分の文章を客観的にチェックするためのツールです。これらはライティングの練習や書き終えた後の推敲で役に立ちます。
- Write & Improve
ケンブリッジ大学が提供する無料のライティング自動採点サイトです。様々なテーマに沿って英文を書くと、AIが瞬時にCEFRレベル(世界共通の英語力指標)を判定し、修正すべき箇所をハイライトで指摘してくれます。何度でも書き直して再提出できるため、「まずはAI相手に気兼ねなく練習したい」という初期段階に最適です。
(Write & Improve 公式) - Grammarly(グラマリー)
こちらは定番のツールですが、ブラウザ拡張機能やアプリとして入れておくと、スペルミス、文法ミス、句読点の誤りなどをリアルタイムで添削してくれます。また、ミスの指摘だけでなく「自信なさげな表現」や「冗長な言い回し」も提案してくれるAIアシスタントです。
(Grammarly 公式) - DeepL Write
高精度な翻訳で有名なDeepLが提供する、文章作成サポートツールです。「リライト(書き直し)」に特化しており、入力した英文のニュアンス(シンプル、ビジネス、アカデミックなど)をボタン一つで調整し、より洗練された表現を提案してくれます。「意味は合っているはずだけど、なんとなく拙い」という文章をブラッシュアップするのにも効果を発揮します。
(DeepL Write 公式)
ライティング練習に役立つAIアプリ
ここ数年で劇的に進化した生成AIは、英語ライティングの学習方法を根本から変えました。単なる「正解」を知るだけでなく、対話を通じて「なぜそうなるのか」を深掘りできるため、独学のパートナーとなります。それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
- ChatGPT (OpenAI)
圧倒的な対話力が強みです。「この文章を添削して」と頼むだけでなく、「文法的な誤りをリストアップして解説して」「もっとフォーマルな言い方に書き換えて」と指示(プロンプト)を出すことで、あなたのレベルや目的に合わせた指導をしてくれます。自分が書いた英文に対して、先生のようにフィードバックをもらう対話型学習に最適です。
(ChatGPT 公式) - Gemini (Google)
Googleが提供するAIで、最新の情報にアクセスできる点が強みです。時事ネタを使ったライティング練習をする際に、背景知識を含めてサポートしてくれます。また、GoogleドキュメントやGmailとの連携も強化されており、実務でメールを書く際の下書き作成や校正パートナーとしても優秀です。
(Gemini 公式)
ライティング学習に役立つ教材・オンライン英会話
ライティング力を飛躍させるには、静的なテキストだけでなく、プロの講師による指導が受けられるオンライン英会話サービスを利用するのも効果的です。ここでは、ライティング学習に特におすすめの2社をご紹介します。
- EF English Live(EFイングリッシュライブ)
世界最大級の語学学校EFが運営しており、カリキュラムの質が高いです。特筆すべきは、コースの中に「ライティング課題」と「プロ講師による添削」が組み込まれている点です。 スピーキングだけでなく「書いて提出する」ことも要件に含まれるため、体系的にライティング力を伸ばしたい方に最適です。ビジネス英語コースのメール課題なども実践的です。 - Cambly(キャンブリー)
全員がネイティブ講師であり、レッスンが自動録画される点が強みです。ビジネス経験豊富な講師や、元教師なども多く在籍しています。自分が書いたドラフトを画面共有し、リアルタイムで添削してもらうこともできます。「なぜその表現が不自然なのか」をネイティブの感覚で解説してもらい、後で録画を見返して復習することで、本場の表現力が磨かれます。


総括:英語ライティングの勉強法

英語のライティング力は、魔法のように一晩で身につくものではありません。しかし、今回ご紹介したような「翻訳せずに英語で考える回路」を作ることこそが、結果的に確実で、そして最も楽しいルートであると言えます。英語を書く際に最初はスペルミスや文法の間違いが怖いかもしれません。ですが、言葉は「正しさ」を競うテストではなく、あなたの「思い」を届けるためのツールです。完璧を目指す必要は全くありません。
この記事を読み終えたら、ぜひスマホのメモ帳などを開いて、今感じていることをたった1文でもいいので英語で書いてみましょう。その小さなアウトプットの積み重ねが、やがて自信を持って世界に自分の考えを発信できる英語力へと繋がっていくはずです。






