英語のボキャブラリーを増やすうえで、当サイトが大切にしているのは、単語を実際の場面と結びつけて学ぶことです。私自身、英語のコンテンツを読み聞きするなかで、訳語だけではつかみにくかった意味や使い方が、少しずつ蓄積されていく感覚を持っています。
たとえば、知っているはずの単語でも、物語の登場人物が使う場面を見ると「ああ、こういうときにも使えるのか」と気づくことがあります。こうした経験を重ねることが、日本語に置き換えずに英語を理解する練習にもなるのです。
語彙力を育てる基本は、理解できる英語に繰り返し触れ、必要な言葉を自分でも使ってみること。忘れることを前提に、多読・多聴やストーリー学習を日常に取り入れてみましょう。この記事では、受動語彙と能動語彙の違いから、本やアプリの選び方、毎日の進め方まで解説します。
- ボキャブラリーの意味と受動語彙・能動語彙の違い
- 文脈から英語の語彙力を増やすための具体的な方法
- 学習者や初心者向けの本・辞典・アプリの選び方
- 忘れることを前提にした復習と学習習慣のポイント
その他の目的別の学習方法については以下の記事でも紹介しています。

英語のボキャブラリーと語彙力の基本

語彙力は、覚えた単語の数だけでは測れません。まずは「単語を知っている」とはどのような状態かを確認し、理解する力と使う力に分けて、自分の学習目標を考えていきましょう。
ボキャブラリーと語彙力の意味
ボキャブラリーは、英語のvocabularyに由来し、日本語では「語彙」といいます。ある人が知っている言葉の集まりや、特定の分野で使われる言葉の範囲を表すものです。一方、語彙力という言葉には、知っている言葉の量に加えて、意味を理解し、場面に応じて使い分ける力も含まれます。
たとえば、runを「走る」と知っていても、run a businessという表現を初めて見たら、戸惑うかもしれません。ここでは事業を運営する意味で使われています。また、run out of timeなら、時間がなくなるというまとまりです。同じ単語でも、一緒に使う言葉や場面によって意味は変わるのですね。
このため、語彙を増やすときは、発音やつづりという「形」、文脈のなかでの「意味」、自然な組み合わせや場面に合った「使い方」を一緒に見ていくことが大切です。見出し語を一つ覚えたあとにも、学べることは残っています。
難しい単語を知ることだけが上達ではありません。getやtakeなどの身近な言葉について、理解できる表現や自分で使える場面が増えることも、立派な語彙力の成長といえるでしょう。
受動語彙と能動語彙の違い

受動語彙は、読んだり聞いたりして理解できる言葉。能動語彙は、話したり書いたりするときに、自分で取り出して使える言葉です。英語ではそれぞれReceptive Vocabulary、Productive Vocabularyと呼ばれ、Passive、Activeという表現も使われます。
| 種類 | どのような状態か | 練習の例 |
|---|---|---|
| 受動語彙 | 文章や音声に出てきた言葉の意味がわかる | 物語を読む、会話を聞く、別の文脈で意味を確かめる |
| 能動語彙 | 伝えたい内容に合わせて言葉を選んで使える | 出来事を話す、短い日記を書く、会話で表現を試す |
一般に、理解できる語彙の範囲は、使える語彙の範囲より広くなります。日本語でも、新聞で意味はわかるのに、普段の会話ではほとんど使わない言葉があるはずです。英語でも、読める単語すべてをすぐに会話で使える必要はありません。
ただし、二つの語彙がきれいに分かれた箱に入っているわけではありません。同じ言葉でも「文字ならわかるが音では気づかない」「時間をかければ書けるが会話では出ない」といった段階があります。単語ごとに、理解や使い方の習熟度は違うのです。
まず読む・聞くなかで理解できる語彙を広げ、そのなかから自分によく必要な表現を使う練習に回しましょう。すべての単語を同じ深さまで覚えようとすると、学習の負担が大きくなります。
英語で必要な語彙数の目安

日常会話に必要な語彙数は、話題や相手の話し方、何をもって「会話できる」とするかによって変わります。買い物の短いやり取りと、友人との雑談を長く楽しむことでは、必要な言葉の範囲も同じではありません。
学ぶ言葉の優先順位を考える参考になるのが、Oxford 3000です。これはオックスフォード大学出版局が選んだ、英語学習者にとって重要な3,000語のリスト。日常会話が必ずできるようになる合格ラインではなく、基本語を確認するための手がかりとして使ってください。
(出典:Oxford Learner’s Dictionaries「Oxford 3000・5000の説明」)
また、Nationの研究では、調査対象の英文で出現語の98%をカバーするための目安として、書き言葉で8,000〜9,000、話し言葉で6,000〜7,000のワードファミリーが示されています。ワードファミリーとは、基本となる語と、関連する活用形・派生語をまとめた数え方です。
(出典:Nation(2006)「読解と聴解に必要な語彙量に関する研究」)
語彙のカバー率98%と、内容の理解度98%は別のものです。語彙の数え方も、単語帳の見出し語、アプリ内の単語数、研究のワードファミリーで異なります。数値はあくまで目安であり、異なる指標をそのまま比較することはできません。
学習の最初は、大きな数字を追いかけるより、自分が接する英語の基本語を繰り返し学ぶほうが取り組みやすいでしょう。旅行が目的なら宿泊や移動、仕事なら会議やメールなど、使いたい場面に沿って広げていくと、学ぶ理由も明確になります。
単語を覚えても使えない理由

単語を覚えたはずなのに使えないときは、どこで止まっているかを見分けることが出発点です。語彙数が足りない場合もあれば、発音に慣れていない、言葉の組み合わせを知らない、思い出す練習が足りない場合もあります。
たとえば、紙に書かれたappointmentはわかるのに会話では聞き逃すなら、その言葉を含む短い音声を聞く練習が役立ちます。意味はわかっても予約について話せないなら、make an appointmentやI have an appointment.のように、使う形で学んでみてください。
日本語訳を一つだけ覚えている場合は、意味の取り違えにも注意が必要です。「予約」に対応する英語でも、診察や面会の約束と、ホテルや席を確保する場面では、よく使う表現が異なります。元の例文や辞典に戻って、誰が、何について話しているのかを確かめましょう。
単語帳や意味の確認が無駄になるわけではありません。ただ、そこで学習を終えると、実際の英語に接する経験が不足しがちです。「意味を思い出せる」から「文のなかでわかる」、さらに「自分でも使える」へと練習をつなげることが大切になります。
英語のボキャブラリーと語彙を増やす方法

ここからは、単語を実際の意味や使い方と結びつける方法を紹介します。すべてを同時に始める必要はありません。今の自分が理解できる素材を選び、読む・聞く・確かめる・使うという流れを作っていきましょう。
絵や場面と英語を結びつける
英語脳という言葉を、ここでは英語を一語ずつ日本語に訳さず、意味や状況として理解する習慣という意味で使います。特別な脳の部位を作るという話ではなく、慣れた表現を直接理解できる場面を増やしていくイメージです。
初心者が取り入れやすいのは、ピクチャーディクショナリーと呼ばれる絵辞典です。台所の絵でcupやsinkを確かめたり、公園の絵でwalkやsitの動作を見たりすると、英語と実物・動きを結びつけて学べます。音声がある教材なら、文字を見るだけで終わらず、発音も聞いてみましょう。
慣れたら、I’m washing a cup.などの短い文に広げます。大切なのは、日本語の文を複雑に組み立ててから英語にすることより、目の前の場面に合う、すでに出会った英語を使ってみることです。
もっとも、すべての言葉が一枚の絵で説明できるわけではありません。unlessのような言葉や抽象的な表現は、短いやり取りや例文と一緒に確かめるほうがわかりやすいこともあります。絵だけにこだわらず、意味をつかめる手がかりを選んでください。
物語からフレーズで覚える

ストーリー学習は、出来事の流れを追いながら、その場面で使われる言葉を学ぶ方法です。誰が何をしたのか、なぜそうなったのかがわかると、新しい表現を理解する手がかりも増えていきます。
たとえば、次の短い話を読んでみてください。
Mia left her umbrella on the train. It started to rain. Her friend shared an umbrella with her.
電車に傘を置き忘れたミアが、友人の傘に入れてもらう場面です。ここでshareを単独の訳語として覚えるだけでなく、shared an umbrella with herというまとまりで見てみましょう。「誰かと何かを一緒に使う」という状況と、withを含む言い方がつながります。
その後、share a room with a friendなどの別の例に出会えば、似た使い方を別の場面でも確認できます。同じ話を読み直して親しみ、別の話で使い方の幅を知るという二つの経験が役立つのです。
ノートに残すなら、単語だけでなく短いフレーズと出会った場面を書いておくと、あとで内容を思い出しやすくなります。文章を丸ごと大量に書き写す必要はありません。「自分でも使いそう」「別のところでも見た」という表現を少数選び、音声があれば一緒に確認してください。
物語なら必ず忘れなくなるわけではありませんが、単語の使われ方を見失いにくい点は魅力です。推理小説でも、旅行記でも、日常の短い会話でも構いません。続きを知りたいと思えるものを選びましょう。
多読と多聴で同じ語に触れる

多読・多聴では、比較的やさしい英語をたくさん読み聞きし、内容を楽しみながら言葉との接触を増やします。同じ語に繰り返し出会うことで、最初は曖昧だった意味や使い方を、少しずつ確かめていけるのが利点です。
読解・聴解・聞き読み・映像視聴を通じた語彙学習を検討したメタ分析でも、内容を理解する活動のなかで語彙が学ばれることが確認されています。ただし、出会った単語をすべて習得するわけではなく、学習条件によって結果に違いがあります。
(出典:Language Teaching掲載「第二言語の偶発的語彙学習に関するメタ分析」)
教材選びでは、まず一ページ、あるいは短い音声を試してください。知らない言葉が出ても話の流れを追え、何が起きたかを説明できるなら、続けやすい素材です。文章の自力読解では既知語の割合98%前後が参考になりますが、実際には背景知識や文の難しさも関わります。
100語の文章に未知語が2語ある場合と、10語ある場合では、読む負担はかなり違うでしょう。辞書を調べるたびに話を見失うなら、短くやさしい素材に替えるか、音声・挿絵・簡単な説明を利用するほうが進めやすくなります。
同じジャンルにしばらく触れるのも一案です。料理なら材料や調理の動作、旅行なら移動や宿泊の言葉に繰り返し出会えます。慣れてきたところで別の話題へ広げると、語彙の偏りも減らせるはずです。
取り組み方を詳しく知りたい方は、英語多読のやり方と教材の選び方も参考にしてください。音声を中心に進める場合は、英語多聴の進め方と教材選びで具体例を紹介しています。
忘れる前提で何度も復習する

一度調べた単語を忘れても、それだけで学習が失敗したわけではありません。大切なのは、忘れないように長時間にらみ続けることより、時間を空けてまた出会い、その都度意味を確かめることです。
復習は、元の話をもう一度読む、同じ音声を翌日に聞く、保存したフレーズの場面を思い出すなど、短いもので構いません。たとえば、今日読んだ話を翌日と数日後に読み返し、さらに翌週に音声だけで聞いてみる方法があります。この間隔は進め方の一例で、全員に共通する最適な日程ではありません。
見るだけでなく、答えを確認する前に少し思い出す時間も作りましょう。傘の物語なら「友人は何をしてくれたか」と場面を思い浮かべ、shareを含む言い方を思い出してから原文を確認します。出てこなければ見直せばよく、長く悩み続ける必要はありません。
復習する語句が増えすぎると、新しい英文を楽しむ時間を圧迫します。すべてを記録せず、自分に必要な表現や繰り返し出会う言葉を優先してください。何回出会えば覚えられるかは、単語や学習者、求める習熟度によって異なるため、決まった回数を達成すること自体を目的にしないほうが続けやすいでしょう。
会話で使える語彙へつなげる

読める言葉を会話で使いたいなら、短い発話や文章で実際に取り出す機会を作りましょう。十分な語彙がそろうまで話すことを待つ必要はありません。理解できた表現から、無理のない範囲で試せばよいのです。
先ほどの傘の話なら、Who shared an umbrella with Mia?という質問にHer friend.と答えるところから始められます。慣れたら、A friend shared an umbrella with me.のように、自分の経験を話す文へ変えてみてください。実際の経験でない場合は、物語の説明として練習しましょう。
独り言で昨日の出来事を説明する、短い日記を書く、英会話で読んだ話を紹介するなど、練習の形はさまざまです。一度に新しい表現を詰め込むより、今日使いたいものを一つ選ぶほうが、意味にも注意を向けやすくなります。
言えなかったときには、単語そのものを知らないのか、使い方がわからないのか、音が思い出せないのかを確かめます。必要な例文や音声に戻り、もう一度自分の文で使ってみましょう。こうすると、インプットとアウトプットが別々の勉強にならず、つながっていきます。
AI英会話を使うなら、題材と使いたい表現を伝えて、短いやり取りを練習する方法もあります。ただし、提案された表現がどんな場面にも合うとは限りません。気になる言い方は学習者向け辞典や講師の説明で確かめると、使い方をより具体的に理解できます。

英語のボキャブラリー・語彙学習向け教材

教材は、難しさと興味の両方で選びます。やさしくても興味が持てなければ続きにくく、好きな内容でも難しすぎれば疲れてしまうもの。紙の本、無料の動画、アプリのなかから、英語に触れやすくなる組み合わせを見つけましょう。
初心者向けの本と絵辞典の選び方
英語をやり直す初心者には、身近な場面を扱う絵辞典と、学習者向けの短い読み物が取り入れやすい選択肢です。絵辞典で見た言葉が物語にも出てくると、物の名前だけでなく、文のなかでの使い方まで学べます。
本を選ぶ際に知っておきたいのが、Graded Readersと呼ばれるレベル別の読み物です。使用する語彙や文の複雑さを学習者向けに調整してあり、原書に取り組む前の橋渡しになります。原作の洋書と同じ題名でも、内容や長さは異なるため、購入時には版を確認してください。
| 教材 | 役立つ点 | 選ぶときの確認事項 |
|---|---|---|
| ピクチャーディクショナリー | 物・動作・場面と英語を結びつけやすい | 見やすい絵、身近な題材、利用できる音声 |
| Oxford Bookworms Library | StarterからStage 6まで段階的に選べる | 冒頭の読みやすさと音声の付属・提供方法 |
| Penguin Readers | 学習者向けに書き直された物語などを読める | 出版社のシリーズ名、レベル表示、興味を持てる題材 |
同じLevel 1でも、シリーズが違えば語彙や文章の難しさは同じとは限りません。また、ネイティブの子供向けの本には、独特の言い回しや音遊びが多い作品もあります。「子供向けだから簡単」と決めず、試し読みで確かめることが大切です。
最初の一冊は、背伸びした本よりも、読み終えたあとに「もう一冊読めそう」と感じられるものを。大人向けの内容をやさしい英語で読める教材もあるので、興味まで子供向けに合わせる必要はありません。
ピクチャーディクショナリーは、以下のような音声がついているものがおすすめです。
英英辞典で意味と使い方を確かめる

やさしい英文に慣れてきたら、英英辞典を補助として使ってみましょう。学習者向けの辞典は、意味の説明だけでなく、発音、例文、一緒に使われる語句などを確認するのに役立ちます。
たとえば、Oxford Learner’s DictionariesやCambridge Dictionaryの学習者向けの説明で、出会った表現を調べてみます。その際、最初に表示された意味だけで判断せず、元の文に合う説明と例文を探すのがポイントです。同じ単語でも、品詞や使う場面によって意味が異なることがあります。
使い方は「文章で出会う、辞典で必要な意味を確かめる、元の文章へ戻る」という流れが基本。説明文の知らない単語をさらに調べ続けると、最初に読みたかった内容から離れてしまいます。定義が難しいときは、例文や絵、日本語の短い説明を利用しても構いません。
英英辞典を使う目的は、辞典を読むこと自体を難しい課題にすることではなく、英語での理解と使い方の確認を助けることです。まずは知っている単語の説明を読んで、辞典の書き方に慣れるところからでも始められます。
日本語では一つの訳語で済ませていた言葉も、例文を比べると違いが見えてくることがあります。自分の文を作る際にも、辞典の用例を手がかりにして、自然な組み合わせを確かめてみてください。
無料の動画やサイトで語彙を増やす

無料の英語コンテンツでも、語彙を学ぶ機会は作れます。YouTubeなら、料理の手順、旅行先の紹介、道具の使い方など、映像が内容を助けてくれる題材から試すと入りやすいでしょう。
動画は、短い範囲を英語音声と英語字幕で見て、意味を確認したあとに音声中心でもう一度見る使い方もおすすめです。字幕を追うので精いっぱいなら、長さや難しさを下げてください。自動字幕には誤認識もあるので、聞こえる音や文脈と合わない箇所は、そのまま覚えないことが大切です。
ニュースに興味があるなら、News in Levelsは同じニュースを3段階の英語で読めるサービスです。一方、VOA Learning Englishには、初心者向けのLet’s Learn Englishなど、レベルや目的に応じた教材があります。二つのサービスがすべて同じ方式で記事を書き分けているわけではありません。
利用するときは、記事が新しいかどうかより、今の自分が無理なく理解できるかを優先しましょう。古い話題でも、読んでみたい内容であれば語彙学習に活用できます。更新を追うことに疲れるなら、お気に入りの短い記事を読み返すだけでもよいのです。
映画やドラマも魅力的ですが、速い会話、背景音、文化的な前提などで難しくなる場合があります。映画全体がわからなくても、自分の語彙力が足りないと決めつけず、まずは状況がわかる短い場面から取り組んでみてください。

アプリで読む量と聞く量を増やす

アプリは、英語に触れるまでの手間を減らすために選びます。読書、音声、語句の確認という自分の目的に合うものを一つ使い、続けられるかを確かめましょう。インストールする数を増やすことより、実際に読む・聞く時間が増えることが大切です。
Kindleで洋書を読みやすくする
Kindleでは、対応する本や端末・アプリで、読書中に単語の意味を確認したり、気になる箇所をハイライトしたりできます。わからない言葉を短時間で確認して、物語に戻りやすい点が便利です。辞書などの利用条件は、使う環境によって確かめてください。
Kindle Unlimitedは対象の電子書籍を読める定額サービスですが、Kindle本がすべて対象になるわけではありません。読みたい洋書やレベル別読み物が対象か、試し読みで無理なく読めるかを確認してから検討しましょう。紙の本や一冊ずつの購入が続けやすければ、そちらでも問題ありません。
Audibleで音声に触れる時間を作る
Audibleのプレミアムプランは、対象作品を聴き放題で利用できるプランです。洋書を選ぶときは、朗読の言語が英語であること、対象作品であること、音声サンプルの内容を追えることを確認してください。
初めて聞く難しい小説を流し続けるより、一度読んで内容がわかる作品を聞くほうが取り組みやすいでしょう。同じ内容の英文を用意して聞き読みをする方法もあります。ただし、電子書籍と音声は別の商品であることが多く、翻案や省略の有無によって本文も異なります。購入や契約の前に版を確認するのがおすすめです。
LingQで文脈と語句を一緒に学ぶ
LingQ(リンク)は、英文を読み、音声を聞きながら、わからない語句を保存して学べるサービスです。短いストーリーを読み、意味を確認し、あとで同じ音声を聞くという使い方ができます。学習中の語句に本文のなかで再会できる点が、文脈を重視した学習に向いています。
ウェブ記事などを取り込む機能もありますが、利用できる形式や機能の範囲には条件があります。アプリに表示される既知語数も、研究で使われる語彙数と同じ指標とは限らないため、自分の活動の記録として見ておきましょう。
ほかの選択肢も含めて比較したい方は、以下の目的別に選ぶ英語学習アプリの比較をご覧ください。自分が増やしたい学習時間に合わせて選ぶと、必要な機能が見えてきます。

英語の語彙とボキャブラリーを増やす習慣

続けるためには、学習を日常のどこに入れるかまで決めておくと始めやすくなります。最後に、短時間で取り組む一例と、語彙力の変化の確かめ方、よくある疑問への回答を紹介します。
一日二十分から始める学習の流れ
学習時間を確保しにくい場合は、一日20分程度の小さな枠を作ってみましょう。以下は、読む・聞く活動を中心に、復習と短い発話を組み合わせた例です。20分で十分という基準ではなく、習慣を作るための提案として考えてください。
| 時間の目安 | 取り組むこと | 意識する点 |
|---|---|---|
| 3分 | 前に読んだ話や保存した表現を振り返る | 答えを見る前に場面や意味を思い出す |
| 10分 | やさしい物語を読む、または聞き読みする | すべてを調べず、話の流れを追う |
| 5分 | 内容を確認した部分を音声で聞く | 文字で知っている言葉と音を結びつける |
| 2分 | 印象に残った場面を短く話す | 使いたい表現を一つ試す |
時間がない日は、同じ音声を少し聞くだけでも構いません。逆に余裕のある日は、新しい教材をいくつも開くより、気に入った話の続きを楽しんでみてください。毎回教材を探す時間が長くなるなら、翌日に使う一本や一冊を先に決めておくと取りかかりやすくなります。
一週間のなかでは、読み進める日と、以前の話に戻る日を組み合わせる方法もあります。復習ばかりで退屈なら新しい話を増やし、内容がほとんどわからないなら難しさを下げる。その日の負担に合わせて調整していきましょう。
語彙力テストと実感で伸びを確かめる

語彙力テストは、今の知識の範囲や、これから学ぶ言葉の目安を知るために役立ちます。ただし、選択肢から意味を選ぶテストと、単語を自分で思い出して答えるテストでは、測っている力が異なる点に注意してください。
無料のオンラインテストを使う場合も、結果の数字だけを見るのではなく、対象レベル、問題形式、語彙の数え方を確認しましょう。異なるサービスの推定語彙数を比べて、一方の数字が大きいから上達したとは判断できません。同じ問題の答えを覚えてしまった場合も、得点の変化をそのまま語彙力の伸びと考えないほうがよいでしょう。
日常の学習では、少し前に読んだ文章や聞いた音声を使って、辞書を使う回数、内容を追う余裕、自分で説明できることの変化を確かめる方法がおすすめです。そのうえで、同程度の新しい素材にも取り組むと、覚えた話だけに慣れたのか、別の内容も理解しやすくなったのかを見分けやすくなります。
英語の語彙力に関するよくある質問
総括:英語のボキャブラリーと語彙力

英語のボキャブラリーを増やすには、新しい単語に出会うことと、知っている言葉への理解を深めることの両方が必要です。受動語彙と能動語彙の違いを知っておくと、「読めるのに話せない」という状態にも、次にできる練習が見えてきます。
- 自分が理解でき、興味を持てる英語を読む・聞く
- 単語を絵・音・フレーズ・使われる場面と結びつける
- 忘れることを前提に、時間を空けて同じ表現に触れる
- 使いたい言葉を選び、短い会話や文章で試す
子供が日常のやり取りから言葉を学ぶように、私たちも意味のある場面に触れる機会を増やせます。ただし、大人の外国語学習は、母語を育てる環境とまったく同じではありません。辞典や復習も上手に使いながら、無理なく英語と過ごす時間を作っていきましょう。
今日の一歩は、短い物語を一つ読むことでも、好きな動画の一場面を見直すことでも十分です。一度で覚え切ることにこだわらず、何度も出会い、わかり、使ってみる。その積み重ねを、英語の語彙力を育てる習慣にしてみてください。

