英語リーディングのコツと勉強法|教材の選び方や無料サイトも紹介

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英語リーディングのコツと勉強法|教材の選び方や無料サイトも紹介

英語のリーディング学習に対して、苦手意識や焦りを感じてはいませんか。「単語帳は一通り覚えたはずなのに、いざ英文を目の前にすると頭に入ってこない」「一行読むのに時間がかかりすぎて、長文となると内容を忘れてしまう」といった悩みは、多くの英語学習者が共通して抱えています。

実は、速く正確に読むために必要なのは、難解な文法知識や膨大な単語の暗記ではありません。従来の学校教育で習った「翻訳」や「文法の分析」とは全く異なる、英語を英語のまま捉えるアプローチこそが解決の鍵となります。この記事では、英語をダイレクトに理解する力を育て、初心者でも無理なくリーディング力を伸ばすためのコツと勉強法について私の経験も踏まえながら解説します。

記事のポイント
  • 英語のリーディングで自然に読むためのコツや勉強法
  • リーディング学習の前にリスニングを強化すべき理由
  • 単語帳を使わずに語彙力を自然に伸ばす多読メソッド
  • 初心者が挫折しないためのコツとおすすめの教材選び
目次

英語リーディングのコツと勉強法の基礎知識

英語リーディングのコツと勉強法の基礎知識

英語をスラスラと読むためには、単に単語を知っているだけでは不十分です。単語の意味を知っていても読めない、時間がかかるという場合、根本的な「読み方」のOSが間違っている可能性があります。ここでは、なぜ私たちが英語を読むのにこれほど苦労するのか、その構造的な原因と、それを解決するための「英語脳」という考え方について深掘りします。従来の学習法を一旦リセットし、新しいアプローチへの理解を深めましょう。

英語リーディングを習得するメリット

「英語のリーディング」と聞くと、学生時代の試験勉強や、辞書を片手に難解な文章を解読する作業をイメージしてしまうかもしれません。しかし、本来のリーディングとは、日本語で新聞やブログを読むのと同じように、「書かれた文字から必要な情報をスムーズに取り出すこと」です。

英語学習におけるリーディングには、大きく分けて2種類のアプローチがあります。一つは、文法や構造を細かく分析しながら正確に読む「精読(Intensive Reading)」。もう一つは、辞書を使わずに大意をつかみながら大量に読む「多読(Extensive Reading)」です。学校教育では前者が中心でしたが、実践的な英語力を身につけるには、後者の「多読」を通して英語の波に慣れることが不可欠です。

では、なぜ私たちは時間を割いてまで英語のリーディング力を習得すべきなのでしょうか。単に「英語のテストで点数が取れる」以上の、人生を豊かにする圧倒的なメリットがあるからです。

リーディングを習得する3つのメリット

  1. 情報収集力が劇的に向上する
    世界のウェブサイトの約半数は英語で書かれています。2026年1月時点のW3Techsの集計を見ても英語は約49–50%、日本語は約5%と示されており、英語が読めるだけでもアクセスできる情報量は大きく広がります。
    (出典:W3Techs “Usage statistics of content languages for websites”
  2. 「生きた語彙」が自然と身につく
    単語帳で覚えた無機質な知識ではなく、文脈の中でどのように単語が使われるか(コロケーション)を体得できます。これにより、アウトプット(話す・書く)の質も向上します。
  3. 翻訳ツールに頼らない一次情報へのアクセス
    AI翻訳は進化していますが、ニュアンスのズレや誤訳は依然として存在します。自分の目で原文を確認できる能力は、ビジネスや学術の場においても武器となります。

このように、リーディング力は単なる語学スキルではなく、世界中の知識やエンターテインメントに直接アクセスするための「パスポート」のようなものです。翻訳されるのを待つことなく、最新のニュース、専門分野の論文、あるいは海外のトレンドをリアルタイムでキャッチできるようになること。これこそが、英語リーディングを習得する最大の醍醐味と言えるでしょう。


リーディングができないと感じる要因

リーディングができないと感じる要因

私たち日本人が英語のリーディングでつまずく最大の要因は、能力不足ではなく、学校教育を通じて長年染み付いてしまった「翻訳癖(いわゆる返り読み)」にあります。英文を目の前にしたとき、無意識のうちに後ろから前へと視線を行ったり来たりさせ、きれいな日本語の語順に直して理解しようとしていませんか?

例えば、”I bought a book that was written by a famous author.” という文章を見たとき、「私は(I)」「有名な著者によって(by a famous author)」「書かれた(written)」「本を(a book)」「買った(bought)」と、パズルを組み立てるように日本語に変換してしまうプロセスです。この「翻訳読み」を行っている限り、リーディングスピードは絶対に上がりません。

なぜなら、日本語(SOV型)と英語(SVO型)は語順が決定的に異なるため、この並べ替え作業は脳のワーキングメモリ(作業記憶)に巨大な負荷をかけるからです。脳が「意味の理解」よりも「語順の整理」にリソースを使い果たしてしまうため、読み終わった頃には「結局、何の話だったっけ?」と内容を忘れてしまうのです。これが、あなたが感じる「読めない」「疲れる」「遅い」の正体です。

翻訳読み(返り読み)がもたらす3つの弊害

  • 圧倒的な速度低下
    ネイティブが前から順に情報を処理している間に、翻訳読みでは視線が往復するため、物理的に2倍〜3倍の時間がかかります。
  • リスニングへの悪影響
    音声は待ってくれません。「返り読み」の癖がついていると、前から順に流れてくるリスニングの音声処理に脳が追いつけなくなります。
  • 英語的感覚の欠如
    いつまでも日本語というフィルターを通すため、英語特有のリズム、コロケーション(語の相性)、語感が育ちません。

また、日本人に特有の「完璧主義」も大きな壁となっています。「知らない単語が一つでもあると、そこで思考が停止して先に進めない」「SVOCなどの文法構造を完全に解析しないと、理解した気になれない」という心理的ブロックが、スムーズな理解を妨げています。

実際のコミュニケーションや読書において、100%の解像度は必要ありません。日本語の新聞を読むときを一語一句解析しないのと同じように、英語も「情報の取得」を目的にするべきです。まずは「完璧に訳す」ことから「英語の語順のまま、大意をつかむ」ことへと、意識を大きくシフトする必要があります。


まずはリスニングを伸ばすべき理由

まずはリスニングを伸ばすべき理由

「リーディング力を上げたいと言っているのに、なぜリスニングの話をするのか?」と疑問に思うかもしれません。しかし、英語を効率的に習得する際に役にリスニング学習は外せないポイントです。言語習得の観点から言えば、「音」の回路がない状態で「文字」だけを追っても、真のリーディング力は育たないとも言えます。

人間は文字を読むとき、声に出していなくても頭の中で無意識にその文字を「音声化」しています。これを専門用語で「音韻符号化(Phonological Coding)」と呼ばれています。黙読しているときでも、脳内では小さな「内なる声」が再生されているのです。

もし、あなたの脳内に「正しい英語の音」が十分にインプットされていなければどうなるでしょうか?脳は文字を見た瞬間に正しい音を再生できず、代わりにカタカナ英語のような間違った音を当てはめたり、音声化のプロセスでつっかえたりします。この「脳内での音読のズレ」がボトルネックとなり、リーディングやその他の英語学習に制限を与えてしまう可能性も考えられます。

もう一つの理由として挙げられるのは、自然な言語習得の順序です。赤ちゃんが言葉を覚えるとき、まずは大量の音を聞き、その後に文字を学びます。文字はあくまで「音の記録記号」に過ぎません。言葉は音が主体であり、文字は従属的なものだと言えます。

リスニング先行学習のメリット

まず耳から大量の英語(インプット)を入れることで、英語特有のリズム、リエゾン(単語同士の連結)、イントネーション、そして「語順の感覚」が脳に刻まれます。この「音の下地」があって初めて、文字を見た瞬間に音と意味がダイレクトに結びつき、「読む」という行為がストレスなくスムーズに行えるようになります。

「読めるけど聞けない」という人は多いですが、「聞けるけど読めない」という人は(識字の問題を除けば)稀です。リスニングができるようになれば、そのスピードに合わせて読む力も自然と引き上げられます。リーディングに行き詰まったら、まずは耳から英語を浴びることから始めてみてください。


暗記に頼らず語彙力を伸ばすメリット

暗記に頼らず語彙力を伸ばすメリット

「リーディングができないのは単語力がないからだ」と考え、単語帳を使って「英単語=日本語訳」を機械的に暗記しようとする人は後を絶ちません。しかし、これは労力が大きい割に、実際のリーディングでは役に立ちにくい効率の悪い方法とも言えます。

なぜなら、英語の単語は文脈によって意味が変化するからです。例えば “run” という単語一つとっても、「走る」だけでなく、「(会社を)経営する」「(川が)流れる」「(プログラムが)作動する」など、後ろに来る言葉によって意味が全く異なります。単語帳で「run=走る」と一対一で覚えても、実際の英文で “He runs a coffee shop.” と出てきたときに、「彼はコーヒーショップを走る…?」と誤読してしまうのです。

私がお勧めするのは、「フレーズ(文脈)の中で単語を自然に覚える(Incidental Vocabulary Learning)」という方法です。単語単体で切り離して覚えるのではなく、前後のつながりやストーリーの中で出会った言葉としてインプットします。「あの物語の、あの悲しいシーンで主人公が叫んだ言葉だ」というエピソード記憶と結びついた単語は、脳に深く刻まれ、忘れにくくなります。

効果的な語彙習得の3つのポイント

  • 単語帳の丸暗記はやめる
    文脈のないリスト形式の暗記は、脳にとって苦痛であり、定着率も低い傾向にあります。
  • 文章の中で出会った「生きた単語」を拾う
    読書中に出会った言葉こそが、あなたが今意識するべき単語です。
  • フレーズや文全体で記録する
    単語単体ではなく、”run a business”(ビジネスを経営する)のように、塊(コロケーション)として覚えることで、使える知識になります。

また、辞書を引く回数を極力減らし、「文脈から意味を推測する(Guessing from Context)」訓練も役立ちます。知らない単語が出てきても、すぐに辞書に飛びつくのではなく、前後の流れから「ポジティブな意味かな?」「文脈的に道具の名前かな?」と推測してみてください。この「推測する」という脳の働きこそが、ネイティブスピーカーが子供の頃から自然に行っている語彙習得のプロセスそのものです。


ストーリーを楽しむメリットと効果

ストーリーを楽しむメリットと効果

英語学習において、「何を」「どう」読むかは非常に重要です。無味乾燥な教科書の例文や、興味のない難解なニュース記事を我慢して読んでも、英語力はなかなか伸びません。なぜなら、脳が拒否反応を示しているからです。

脳科学的にも、脳が情報を最も効率よく吸収するのは、「面白い!」「続きが気になる!」と感情がポジティブに動いている時だとされています。第二言語習得論の世界的権威であるスティーブン・クラッシェン博士は、これを「Compelling Input(魅力的で夢中になれるインプット)」と呼び、言語習得における最も強力な要素だと提唱しています。(出典:Second Language Acquisition | Stephen Krashen )

ここで力を発揮するのが「ストーリー(物語)」です。物語には、登場人物の感情、具体的な情景描写、ハラハラする展開があります。これにより、単なる文字情報が鮮明なイメージに変換され、言葉と感情が強固に結びつきます。例えば「furious」という単語を「激怒した」という文字情報で覚えるのではなく、物語の中で顔を真っ赤にして怒鳴っている登場人物の映像として脳に焼き付けるのです。

自分が心から楽しめるストーリーに没入している時、私たちは「英語を勉強している」という感覚を忘れ、純粋に物語の世界を楽しんでいます。この状態になると、学習に対する不安や緊張(情意フィルター)が下がり、英語が脳の深い部分に入っていきます。この「勉強という意識が消える没入状態」こそが、英語を自然に習得するためのポイントだと言えるでしょう。


英語リーディングの勉強法や教材選びのコツ

英語リーディングの勉強法や教材選びのコツ

基礎知識を理解したところで、ここからは具体的な実践方法に入ります。「理屈はわかったけれど、具体的に何をすればいいの?」という疑問に答えるべく、英語脳を育てながらリーディング力を飛躍させるためのアクションプランを紹介します。これらは日々の学習スタイルを少し変えるだけで実践可能です。

英語を自然に読むための練習方法

「英語を英語のまま理解する」と言われても、具体的にどうすればいいのか分からないという方は多いでしょう。この状態、いわゆる「英語脳」とは、英語(音声・文字)を日本語(訳)に変換せず、ダイレクトに「イメージ(概念・映像)」として処理している状態を指します。

私たちが日本語を聞くとき、「リンゴ」という音を聞いて、瞬時に「赤い果実の映像」を思い浮かべますよね?決して「リンゴとは、バラ科の落葉高木樹の実である」という辞書的な定義を思い出したりはしません。英語でもこれと同じ回路を作ることが、リーディング速度を上げるコツだと言えます。ここでは、その回路を作るための具体的な3つのトレーニングを紹介します。

1. 「ピクチャーディクショナリー」で感覚を掴む

「どうしても日本語が浮かんでしまう」という方にまずおすすめなのが、『ピクチャーディクショナリー(絵辞典)』の活用です。これは子供向けと思われがちですが、実は大人の英語脳作りにも極めて有効なツールです。

通常の単語帳は「Apple = リンゴ」のように文字情報で対になっていますが、絵辞典は「🍎(絵) = Apple」となっています。これを使い、絵を見て瞬時に英単語を言う練習を繰り返すことで、脳内の「日本語フィルター」を強制的にバイパスし、「イメージ = 英語」の直結回路を物理的に太くすることができます。机に向かう勉強の前に、5分間絵辞典を眺めるだけでも感覚を思い出すことができるはずです。

2. 場面を映し出す「イメージ連結法(Visualization)」

ピクチャーディクショナリーなどで単語レベルでの基本的な感覚が分かってきたら、英文を読んだ瞬間に日本語訳ではなく「場面」を脳内で再生する「イメージ連結法」にも挑戦してみましょう。

例えば、“The black cat is sleeping on the red sofa.” という文を読んだとします。この時、脳内で以下のような処理を行います。

スクロールできます
悪い例(翻訳脳)「黒い猫が(The black cat)」「赤いソファーの上で(on the red sofa)」「寝ている(is sleeping)」と、日本語の語順に並べ替えて意味を構築する。
良い例(英語脳)「The black cat」で黒猫の姿を思い浮かべ、「is sleeping」でそれが寝ている動作を再生し、「on the red sofa」でその背景に赤いソファーを配置する。

最初は時間がかかっても構わないので、一つ一つの単語を丁寧にイメージに変換する癖をつけるようにしましょう。

イメージ化のポイント

  • 名詞:具体的な「物体」や「人物」の写真・イラストを思い浮かべる。
    (例:Apple → 赤いリンゴの画像)
  • 動詞:具体的な「動作」や「動き」のGIF動画を再生する。
    (例:Run → 走っている躍動感のある動画)
  • 前置詞:「位置関係」や「方向」の矢印や配置図を思い浮かべる。
    (例:On → 何かの上に乗っている接触感、In → 空間の中にいる包容感)

3. 長文を塊で理解する「スラッシュリーディング」

前述したイメージ化に慣れてきたら、次は長い文章に慣れるための「スラッシュリーディング」の練習もおすすめです。これは英文を意味のかたまり(チャンク)ごとにスラッシュ(/)で区切り、前から順に小さなイメージを継ぎ足していく方法です。

例えば、“I saw a man / eating a hamburger / in the park.” という文なら、以下のように頭で映像を順番にイメージしていきます。

  1. “I saw a man”: 男の人を見た映像をイメージ。
  2. “eating a hamburger”: その男がハンバーガーを食べている動作をズームアップ。
  3. “in the park”: カメラを引いて、背景が公園であることを映し出す。

このように、前から順に理解する感覚を掴むことで、後ろから戻って訳す「返り読み」を抑えることに繋がります。慣れてきたら徐々にスラッシュの間隔を長くし、最終的にはスラッシュなしで文頭から一気にイメージできるようになることを目指しましょう。


リーディング力を伸ばす多読のコツ

リーディング力を伸ばす多読のコツ

リーディング力伸ばすおすすめの勉強法が「多読(Extensive Reading)」です。これは、自分にとって理解できるレベルの英語を大量に読む学習法です。「精読」が深く掘り下げる作業だとすれば、「多読」は英語のシャワーを浴びて感覚を磨く作業です。

多読には、学習効果を最大化するための「多読三原則」と呼ばれるルールがあります。

多読の三原則

  1. 辞書を引かない
    読書の流れを止めないことが最優先です。辞書を引くと、脳が「読書モード」から「分析勉強モード」に切り替わってしまい、英語脳が育ちません。
  2. 分からない所は飛ばす
    全体の文脈さえ追えていれば、細かい単語や文法構造は無視して構いません。「なんとなくわかる」で十分です。推測力を鍛えるチャンスと捉えましょう。
  3. つまらなければやめる
    義務感で読むのは逆効果です。面白くないと感じたら、その本は今のあなたに合っていません。すぐにやめて、別の面白い本を探しましょう。

このルールを守りながら、「質より量」を意識してみましょう。私たちは日本語を覚える際、文法書を読んだわけではなく、大量の日本語に触れる中で自然とルールを体得しました。英語も同じだと言えます。簡単な英語を大量にインプットすることで、脳内に英語のパターンが蓄積され、文法力を理屈ではなく「感覚(語感)」として習得できるようになります。

なお、多読の効果や具体的な進め方については、非営利団体であるExtensive Reading Foundation(多読財団)などもガイドラインを提供しており、世界中の教育機関でその有効性が実証されています。


リーディング初心者の学習プラン例

リーディング初心者の学習プラン例

「多読が良いのはわかったけれど、いきなり洋書を読むのはハードルが高い」と感じる方も多いでしょう。そこで、初心者が挫折せずに始めるための、最初の3ヶ月間の学習プランの例を紹介します。

【1ヶ月目】「読む」よりも「聞く」に集中する(Reading While Listening)

最初の1ヶ月は、自力で読もうとしなくても構わないので、オーディオブックや音声付きの教材を使い、「音声を聞きながら、そのスピードに合わせて文字を目で追う」トレーニング(Reading While Listening)に挑戦します。音声は待ってくれないため、強制的に「返り読み」ができなくなります。また、目と耳の両方から情報を入れることで、集中力が持続しやすくなります。毎日15分〜30分、簡単な物語で行ってください。

【2ヶ月目】超簡単な「Graded Readers」レベル0〜1に挑戦

英語の音とリズムに慣れてきたら、語彙制限本(Graded Readers)の最も簡単なレベルから読み始めます。重要なのは、「簡単すぎる」と感じるレベルを選ぶことです。1ページに知らない単語がない、あるいはあっても1個程度のレベルが理想です。ストレスなくスラスラ読める体験を積み重ねることで、少しずつ「英語は読める!」という自信を付けていきます。

【3ヶ月目】習慣化と少しずつのレベルアップ

毎日読むことが日常の一部になってきたら、徐々に本のレベルを上げたり、読む分量を増やしたりしてみましょう。ただし、急激に難易度を上げるのは禁物です。「i+1(自分のレベルよりほんの少しだけ上)」を維持することが継続のコツです。また、読んだ本の語数を記録(語数カウント)し始めると、達成感が可視化され、モチベーション維持に役立ちます。


教材選びで覚えておきたいポイント

教材選びで覚えておきたいポイント

リーディング学習において、教材選びは成功の鍵を握ると言っても過言ではありません。多くの学習者が犯す最大の間違いは、「自分の英語レベルよりも遥かに難しい本を選んでしまう」ことです。見栄を張って『TIME』誌や『ハリー・ポッター』の原書などに手を出し、数ページで挫折するケースはよくある話でしょう。

適切なレベルを見極めるための基準として、「5本指ルール(Five Finger Rule)」という有名な方法があります。

5本指ルールのやり方

  1. 読みたい本の任意のページを開きます。
  2. そのページを読み始め、意味のわからない単語に出会うたびに指で1本ずつ数えていきます。
  3. ページを読み終えた時点で、数えた指が0本〜1本なら「快適(最適)」、2本〜3本なら「学習に適している」、4本以上なら「難しすぎる」と判断します。

多読で英語力を育てるためには、目安として辞書なしで約95%程度は理解できる素材がおすすめです。「少し簡単すぎるのでは?」と思うくらいが、学習効果が高いと言えるでしょう。

多読におすすめの教材ジャンル

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Graded Readers(語彙制限本)英語学習者用に語彙レベルや文法が調整された小説シリーズ。「Oxford Bookworms」や「Penguin Readers」などが有名で、レベル分けが細かく、失敗しにくい鉄板教材です。
児童書・絵本ネイティブの子供向けに書かれた本。『Curious George(おさるのジョージ)』や『Frog and Toad(がまくんとかえるくん)』など。表現がシンプルで、絵が理解を助けてくれるため、大人にも最適です。
興味のある分野のブログ・記事自分の趣味(料理、スポーツ、旅行など)や仕事に関する分野のブログは、既に背景知識(スキーマ)があるため、多少知らない単語があっても推測しやすく、楽しく読めます。

おすすめの無料サイト、本、アプリ

おすすめの無料サイト、本、アプリ

現代の英語学習者にとって、インターネットはまさに宝の山です。かつてのように高価な教材を買い揃えなくても、スマートフォンやタブレットが一つあれば、世界中の良質なリーディング素材に無料でアクセスできる時代になりました。ここでは、特に多読やリーディング学習に役立つおすすめの無料サイト、アプリ、本を厳選して紹介します。

レベル別で読める無料ニュースサイト

いきなりCNNやBBCなどのネイティブ向けニュースに挑戦すると、難易度が高すぎて挫折の原因になります。まずは学習者向けに語彙や構文が調整されたサイトを活用しましょう。

  • VOA Learning English
    アメリカ国営放送が運営する学習者向けサイト。「Special English」と呼ばれるメソッドに基づき、語彙数が理解しやすく制限され、音声も通常よりゆっくり話されています。 アメリカの文化や歴史、科学ニュースなどを分かりやすい英語で学びたい方に特におすすめです。
    VOA Learning English 公式
  • News in Levels
    一つのニュース記事が、Level 1(初級)、Level 2(中級)、Level 3(上級・原文)の3段階で書き分けられています。まずはレベルごとに段階的に読むことで、無理なく理解度を深められます。全ての記事に音声が付いているのも魅力です。
    News in Levels 公式
  • Breaking News English
    レベル分けが細かく(Level 0〜6)、自分の実力に合った記事が見つかりやすいです。ディスカッションテーマも豊富なため、精読用の教材としても優秀です。 音声スピードも選べるため、リーディング前の「聞き読み」素材としても最適です。
    Breaking News English 公式

ネイティブも楽しむリアルなコンテンツ

ネイティブスピーカーが日常的に楽しむ「本物のコンテンツ(Authentic Materials)」にも挑戦しましょう。手加減なしの英語ですが、ここから得られる学びは非常に多いはずです。

  • Storynory
    ネイティブの子供向けに作られた無料サイトです。古典的な童話(イソップ物語やグリム童話)からオリジナルストーリーまで、数多くの物語が掲載されています。すべての物語にプロのナレーターによる音声とテキストが付いており、多読の入り口として最適です。
    Storynory 公式
  • Project Gutenberg
    著作権の切れた名作文学(シャーロック・ホームズ、不思議の国のアリスなど)を無料で読める電子図書館サイトです。古典特有の言い回しはありますが、原本(Unabridged)に挑戦したい方には宝の山です。
    Project Gutenberg 公式
  • The Guardian / BBC / CNN
    世界的なニュースサイトです。特に『The Guardian』の “Long Read” セクションは、深く掘り下げた長文記事やエッセイが掲載されており、読み応えのある英語に触れたい上級者に最適です。
    The Guardian 公式 / BBC 公式 / CNN 公式
  • Medium
    個人や専門家が記事を投稿するプラットフォームです。テクノロジー、ライフスタイル、ビジネスなど、個人の体験談や意見が書かれたブログ的な記事が多く、教科書にはない「生の英語表現」や「話し言葉に近い文体」を学べます。
    Medium 公式

ネイティブ向けコンテンツを選ぶポイント
いきなり政治経済などの難しい記事を読むのではなく、自分の趣味や仕事など「背景知識(スキーマ)」がある分野から読み始めると、推測が働きやすく挫折しにくいです。


初心者にもおすすめの多読用の本(シリーズ)

紙の本でじっくり読みたい派の方には、前述した「Graded Readers(語彙制限本)」のシリーズ本から始めてみるのもおすすめです。

  • Oxford Bookworms Library (オックスフォード大学出版局)
    最も歴史と定評があるシリーズ。レベル分け(Stage 1-6)が緻密で、ハズレが少ないのが特徴です。ミステリーからノンフィクションまでジャンルも幅広いです。
  • Penguin Readers / Pearson English Readers
    映画のノベライズ(『マーベル』や『ディズニー』作品など)や現代のベストセラーが多く、エンタメ性が高いのが魅力です。「勉強」という感覚を忘れて楽しめます。
  • ラダーシリーズ (IBCパブリッシング)
    日本の書店で最も手に入りやすい洋書シリーズです。巻末にワードリスト(辞書)も付いており、これ一冊あればどこでも読書が可能です。日本文学の英訳版なども充実しています。

Graded Readersの選び方
自分のレベルよりも「ワンランク下」を選ぶのが鉄則です。辞書なしでスラスラ読めるレベルからスタートするのがおすすめです。


隙間時間を活用できる英語学習アプリ

通勤・通学時間や待ち時間をリーディングタイムに変えるには、使い勝手の良いアプリが必須です。

  • Kindle(Amazon電子書籍)
    多読の王道ツールです。「Graded Readers(語彙制限本)」のシリーズを読むのにも最適です。わからない単語の意味が確認できる内蔵辞書機能もあるため、読書のリズムを崩さずに読み進められます。Kindle Unlimittedでは豊富なジャンルの洋書を読み放題で利用することができるのでおすすめです。
  • LingQ(リンク)
    著名な多言語話者スティーブ・カウフマン氏が開発した学習プラットフォームです。Web上のあらゆる記事、YouTubeの字幕、電子書籍などをアプリに取り込み、自分だけの教材として「読む」ことができます。分からない単語をリストとして登録される機能が秀逸で、語彙の習得に便利なアプリです。

総括:英語リーディングのコツと勉強法

英語リーディングの本質は、単語や文法を積み上げて解読するような「お勉強」ではありません。それは、新しい世界や物語を楽しむ「経験」そのものだと言えます。

もしあなたが今、英語が読めずに悩んでいるなら、まずは自分のレベルに合った簡単な英語に触れるることから始めてみましょう。最初は意味がぼんやりとしていても、続けていれば必ず英語のまま理解できる瞬間が訪れるはずです。この記事が少しでもあなたのリーディング習得のヒントとなれば幸いです。


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