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- シャドーイングに挑戦しているがイライラして学習が進まない
- シャドーイングとは何か、または具体的なやり方を知りたい
- 効果の出やすい英語学習法を探している
シャドーイングはリスニングやスピーキングなど英語の能力を総合的に伸ばすことができると言われています。その効果の高さから多くの英語学習者に取り入れられていますが、一方で「ついていけない」「発音がうまくできない」など練習中にイライラを感じる方も多いはずです。一見シンプルに見える学習法ですが、正しい方法で進めなければストレスを感じやすく、効果が薄れてしまうこともあります。
筆者自身も学習に取り入れてリスニングや発音、日常会話などを大きく伸ばすことができましたが、この記事ではシャドーイングでイライラしてしまう原因を探り具体的な解消法や学習のコツをご紹介します。
シャドーイングでイライラする原因:概要と具体例
- シャドーイングとは
- シャドーイングは意味ないという意見
- イライラの原因①:英語の速さについていけない
- イライラの原因②:口が回らない
- イライラの原因③:音声が自分の声で聞こえない
シャドーイングとは
シャドーイングとは、「英語でリスニングした音声の後に続いて自分で発話していく学習法」のことで、Shadow(影)のように追いかけていくという意味合いが語源に含まれています。
この学習法が効果的な理由は、音声を聞きながら即座に反応することで脳が英語の音声に自然に慣れ言語処理能力が高まるからです。単に読むだけではなく、聞いて発話するプロセスがリスニングや発音、スピーキングのスキルを同時に鍛えることができるため実践的な英語力が向上します。また、文章全体で文脈を捉えることができるようになるので文法を勉強せずとも自然に体得しやすいというメリットもあります。
赤ちゃんや子供が母国語を覚える時に大人の真似をして言語を習得していきますが、大人も同じようなアプローチで効果的に英語学習をすることができます。
シャドーイングは取り入れることで言語能力を総合的に向上させる強力なツールだと言えます。
シャドーイングは意味ないという意見
シャドーイングには意味がないという意見もたまに見られますが、筆者としては他の学習法では得られにくい効果を多く得られると考えています。
シャドーイングは同時通訳の訓練法にも取り入れられており、脳を英語に適応させる際に効率的な学習法だと言われています。筆者自身もシャドーイングによって英語のリスニングや発音、会話、理解力などたくさんの恩恵を得ることができました。
英語のネイティブスピーカーとの会話に挑戦した場合、シャドーイングを繰り返し練習した人は音声を聞き取ってその場で返答するスピードも格段に向上します。一方で日本の従来の勉強法のようにリスニングやスピーキングを別々に鍛えた場合では実践で苦労することも多々あります。
したがってシャドーイングは「意味がない」という意見に対し、実際のリスニングや発音、スピーキングなどの力を高める上でも効果のある学習法であると言えます。
イライラの原因①:英語の速さについていけない
シャドーイングで英語の速さについていけないのは学習法や教材が自分のレベルに合っていないことが考えられますが、適切な教材選びと段階的な練習によって解決することができるはずです。
速すぎる音声に対応できない理由は、学習者がまだ音声処理に慣れておらず、脳が英語の音声をリアルタイムで解釈するスピードが追いついていないことが挙げられます。教材のレベルが高すぎる場合や、英語のリズムや音に慣れていない段階で無理をして速い音声に取り組むと挫折感を感じてしまうことがよくあります。
初心者がネイティブのニュース番組や映画を使ってシャドーイングを試みると、その速さに圧倒されてしまい全くついていけないのは当然です。逆に、レベルに合った音声素材を使い最初はゆっくりとした英語の教材で練習することで、少しずつ慣れながら徐々にスピードを上げることができます。これにより、英語の速さに自然に順応していくことができます。
したがって、シャドーイングで英語の速さについていけない場合は、無理せず自分のレベルに合った教材を使い、徐々にスピードを上げて練習することが効果的な解消法です。
イライラの原因②:口が回らない
シャドーイングで英語の発音に口がまわらない原因は、筋肉の使い方や音のリズムに慣れていないことにあります。これを解決するには、発音練習と段階的なトレーニングが重要です。
英語の発音は日本語と比べて口の筋肉の使い方が異なるため、初めのうちはスムーズに口がまわらないのは自然なことです。特に英語の音は舌や唇の動きが日本語よりも複雑なものが多く、リズムやイントネーションも違います。これにより最初は音を出すのに苦労し、シャドーイング中に口が追いつかなくなる要因になっています。
たとえば、/th/ や /r/ の音など、英語特有の発音を練習する際に日本語にはない動きが必要になります。これらをいきなりシャドーイングでこなそうとすると、スムーズに発音できないことは多々あります。解決策としては、個々の発音を集中的に練習し、リピーティング(音声を聞いてから真似する方法)を使って徐々に慣らしていくと次第に口がまわるようになります。ゆっくりとしたペースから始めて少しずつスピードを上げることで、筋肉の慣れが早まります。
シャドーイングで口が回らないない場合には、発音に特化した練習を繰り返し行い徐々にリズムとスピードに慣れることで発話がスムーズにできるようになるはずです。
イライラの原因③:音声が自分の声で聞こえない
シャドーイング中に音声が自分の声で聞こえなくなるのは、リスニング音声のボリュームや発話タイミングの問題が考えられます。これを解消するためには適切な音量設定とシャドーイングの練習法を工夫することが大切です。
シャドーイングでは、音声を聞きながら同時に自分で発話するため、自分の声が音声をかき消してしまうことがあります。ヘッドホンやスピーカーの音量が小さすぎると音声が聞こえにくくなり、自分の声だけが耳に入る状況が発生します。もう一つの原因としては、慣れていない段階では音声に早く追いつこうとして焦り、話すことに夢中で音声に意識が向きにくくなることも挙げられます。
例えば実際にシャドーイングする際に、音声のボリュームが低いと自分が話す音が大きくなりすぎて、音声がうまく聞き取れなくなります。この場合の解決策としては、音声のボリュームを上げて自分の声が音声を邪魔しないようにすることです。また、慣れるまでは音声を止めながらでも良いので一文ずつ確実に練習することも発話とリスニングのバランスが取りやすくなります。
このように自分の声で音声が聞こえない場合は、音量調整と発話のタイミングを工夫することで、シャドーイングがより効果的に進められるようになります。
効果的な学習法でシャドーイングのイライラ解消
- シャドーイングがもたらす効果
- 学習のやり方とコツ①:教材選び
- 学習のやり方とコツ②:最初はリスニングに集中
- 学習のやり方とコツ③:初心者でもできる音読と実践
- 効果が出るまで何ヶ月かかるのか
- シャドーイングにおすすめの教材
シャドーイングがもたらす効果
シャドーイングがもたらす効果は、先ほど挙げたリスニングや発音、スピーキングだけでなく英語脳を作るという観点からも効率的です。
英語脳とは「英語の言語野を構築し、日本語を介在せずに英語を使えるようにする能力」を指しますが、これができることで無理なく英語が使いこなせるようになります。多くの方が英語をなかなか話せない要因として、従来の学校教育で文法の勉強や日本語への過度な翻訳作業を教わったことにより頭が英語に切り替わりにくくなっていることも関連しています。
英語脳を作る際に重要なポイントが日本語を介在させないことですが、シャドーイングでは英語の音声を後から自分で発声して日本語で考えている暇もないため翻訳をせずに理解する訓練になります。最初は難しく感じるかもしれませんが、ネイティブの英語を真似していく事で徐々に脳が英語の周波数にチューニングされていきます。
このことからシャドーイングはリスニングや英会話だけでなく、英語脳を作るアプローチとしても最適だと言えます。英語脳については以下の記事でも解説しています。
学習のやり方とコツ①:教材選び
大前提としてシャドーイングの教材を選ぶことも大切になります。使用する教材や音声は自分のレベルに合った、思っているよりも比較的簡単に感じるものがおすすめです。
使う音声が難しすぎるとリスニングや発話も上手くいかずにモチベーションが下がり継続が難しくなる可能性があります。教材が自分のレベルに合っていれば、英語も聞き取りやすく発音や文章の理解なども深く学習することができます。
また、教材の音声は会話調のもので日本語が全く聞こえないものを選ぶことも重要です。音声に日本語が入ってしまうと、どうしても日本語で考えるクセが取れないため英語を自然に使いこなすことの妨げになりやすいです。最初は短い音声でもいいですが、慣れてくれば30分〜1時間程度のものを繰り返し使うと効果的です。
シャドーイングを始める際には少し簡単な音声から始めて、継続しながら徐々にレベルを上げていきましょう。
学習のやり方とコツ②:最初はリスニングに集中
学習に使う教材・音声を準備したら、まずはリスニングだけに集中して音声を聞いていくこともおすすめです。ネイティブの英語を自分で発話して真似するためにも、まずは英語の音声に耳を慣れさせることが重要です。
シャドーイングは聞いた音声を瞬時に理解しすぐに発話することが求められる学習法なので、聞き取った内容を正確に聞き取れないと発話のスピードや精度が低下し練習の質も下がってしまいます。最初にリスニングで慣らしておくことで、シャドーイングを実際にする際に音声をスムーズに認識でき学習がスムーズに進みます。
映画やニュースの音声をシャドーイングする場合にリスニング力が不足していると、重要な単語やフレーズを聞き逃してしまい、曖昧なまま音声を追いかけることになります。リスニング力を高めるためにも、まずはゆっくりした音声や短い会話の練習から始めると、聞き取る力が強化され徐々に速い音声にも対応できるようになります。リスニング力が鍛えられると、シャドーイングの効果も飛躍的に向上します。
最初は音声のテキストやスクリプトなどの確認をできるだけせずに、完全に聞き取れるようになるまで繰り返し音声を聞くことも効果的です。シャドーイングを効率的に進めるためにも、まずはリスニングに集中して脳をチューニングさせていくことも大切な要素になります。
学習のやり方とコツ③:音読と実践
リスニングで英語の音声がだいぶ聞き取れるようになったら、シャドーイングを実践していきましょう。聞こえてきたままにの声のトーン、抑揚、リズムなどをそのまま真似して発話することもコツです。できるならジェスチャーや仕草なども役者のように演じて真似ることでネイティブの感覚が掴みやすくなります。
先ほどと同じように初心者向けの音声教材を使って練習し、音声のスピードが遅く発音がクリアなものから始めるのがおすすめです。一つの音声をマスターしたら、別の音声でも同じように段階を踏んで学習していきましょう。いくつかの教材を使ってシャドーイングをすることで様々なパターンで学習できるため、より効果を得やすくなります。ネイティブの英語に慣れてくれば映画やドラマにも挑戦し、難易度を徐々に上げていきます。映像で視覚的に捉えながらボディランゲージや表情、発音も真似することで、より臨場感を持ちながら英語を体に染み込ませることができます。
ネイティブの真似をしながら自分で発声していくことで、脳が徐々に英語に切り替わり舌も英語の発音やリズムに馴染んでくるのがわかるはずです。実際にやってみると自身が思っている以上に英語のスピードが速く感じることもあると思うので、最初は一文ずつ止めてでも確実に発音ができるようにしましょう。
シャドーイングを継続していくと以前よりも音声が聞き取れるようになり、長い文章でも続けて発音できるようになってくるはずです。ネイティブの英語がだいぶ馴染んできた、自分のものになってきたと感じるまで同じ音声を使って繰り返し訓練することもおすすめです。
効果が出るまで何ヶ月かかるのか
英語シャドーイングの効果が出るまでの期間は、個人のレベルや練習の頻度に左右されますが、一般的には3ヶ月から6ヶ月の継続的な学習で目に見える成果が見えてくるはずです。筆者自身はシャドーイングを始めて数週間から1ヶ月ほどでリスニングや発音に変化を感じました。
シャドーイングはリスニング力や発音、スピーキング力を同時に鍛える高度な学習法であるため、効果が現れるまでにある程度の時間と継続的な練習が必要です。初めは音声についていくことが難しいかもしれませんが、日々の練習を重ねることで徐々に音声を正確に聞き取り、発音も自然になっていきます。特にリスニング力は比較的早い段階で効果を実感でき、スピーキング力は少し遅れて向上する傾向にあります。
毎日15〜30分ほどのシャドーイングを3ヶ月続けた場合でも、リスニングで聞き取れる単語やフレーズが増え、スピーキングでも以前より流暢に発話できるようになることが多いです。6ヶ月以上続けると英語のリズムやイントネーションに慣れていき、ネイティブスピーカーとの会話もよりスムーズに反応できるようになるはずです。
効果が実感できるタイミングには個人差がありますが、一定期間の継続は大切です。英語シャドーイングの効果が出るまでには3ヶ月から6ヶ月ほどの時間がかかることが多く、練習を続けることで成果を得る可能性が上がります。
シャドーイングにおすすめの教材
- LingQ
- 英語は逆から学べ!シリーズ
LingQ
LingQでは初心者向けの簡単な音声から上級者向けまで幅広く利用できます。
無料プランにも初心者向けの短いミニストーリーの音声が60話ほど用意されているので、最初はこれを使って学習するのもオススメです。音声のスクリプトも出せるため、後で英文の確認もすることができます。
英語は逆から学べ!シリーズ
こちらはリスニングとシャドーイングに特化して作られたシリーズになります。付属の音声ではネイティブの日常会話がチャプターごとに収録されているので、シャドーイングの練習として使いやすいです。英文スクリプトも用意されており、CDの長さも30分から1時間程度なので丁度良いです。
付属されている音声は脳を英語にチューニングするための特殊音源として開発されているので、英語脳を作る観点からもオススメです。
シャドーイングでイライラする原因と解消法について総括
今回のポイントをまとめます。
・シャドーイングとは「英語でリスニングした音声の後に続いて自分で発話していく学習法」
・リスニングや発音、スピーキングを高める上でおすすめの学習法
・英語の速さについていけない場合には自分のレベルに合った簡単な教材から試す
・英語の口がまわらない際は発音練習と段階的なトレーニングが効果的
・自分の声で音声が聞こえない時は音量の調整と発話のタイミングを工夫する
・英語脳という観点からもシャドーイングがもたらす効果は大きい
・教材選びは簡単な音声から徐々にレベルを上げていく
・最初はリスニングに集中して音声に慣れる
・実践では聞こえてきたままに抑揚、リズムなどをそのまま真似して発話する
・3ヶ月から6ヶ月ほど継続していくことで目にみえる成果が現れやすい