英語スペルの覚え方を解説|基本ルールや練習のポイントも紹介

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英語スペルの覚え方や基本ルールを学ぶことを、アルファベットのブロックやパズルを組み立てる様子に例え、基礎から積み上げる楽しさを表現。

英語の勉強を始めても、なかなか英単語のスペルが覚えられない、何度書いても忘れてしまうという悩みを持っていませんか。ただやみくもに書いて覚えるという方法は時に非効率な場合もあります。この記事では、英語スペルの基本的な覚え方やルールをはじめ、初心者でも無理なく実践できる練習方法について解説します。英語の音とイメージを結びつけるアプローチを取り入れることで、難しいと感じていたスペル学習がより簡単で楽しいものに変わるはずです。

記事のポイント
  • 英語のスペルを音とイメージで無理なく覚えるための方法
  • 音のルール(フォニックス)でスペルを推測するテクニック
  • 英語独特の「音節」や「発音」の仕組みと日本語との違い
  • 小学生から大人まで実践できる練習方法とおすすめアプリ
目次

英語のスペルの覚え方と基本ルール

カフェや自宅で、ノートとタブレットを使いながらリラックスして英語のスペル学習に取り組んでいるポジティブな様子。

従来の学校教育では、単語帳の左側に英語、右側に日本語訳を書き、それをひたすら書いて覚えるスタイルが一般的でした。しかし、この方法では「英語→日本語→英語」という翻訳プロセスが脳内で発生してしまい、実践的な英語力にはつながりにくいのが現実です。ここでは、翻訳をできるだけ行わず、音と文字を直接結びつけるアプローチに基づいたスペルの覚え方について解説します。


英語のスペルとは?基本と仕組み

26文字のアルファベットと44種類の音素、そして一文字が複数の音を持つ「a」の例(cat, cake, car, ago)や同じ音が異なるスペルになる「f」の例(fish, phone, laugh)を図解したインフォグラフィック。

英語の学習において避けて通れない「スペル(Spelling)」あるいは「綴り(つづり)」。そもそも、このスペルとは一体何なのでしょうか?辞書的な意味で言えば、スペルとは「ある言語の単語を形成するために、正しい順序で文字を並べること」を指します。日本語で言えば、「りんご」という音に対して「り・ん・ご」という文字を当てる作業と同じです。しかし、英語におけるスペルは、単なる文字の羅列以上の深い意味を持っています。

英語のスペルを学ぶ前に理解しておかなければならない大前提があります。それは、英語という言語が抱える「音と文字の数の不一致」です。私たちは普段、AからZまでの26文字のアルファベットを使っていますが、実際に英語で話されている「音(音素=Phoneme)」の数は、目安として約44種類(地域や分類法により変動あり)にも及びます。
(参考:The 44 Sounds (Phonemes) of English | Dyslexia Reading Well

ここに英語スペルの難しさがあります。たった26人の役者(文字)で44人分の役(音)を演じなければならず、単純計算しても文字が足りませんよね。そのため、英語では必然的に「一つの文字が複数の音を担当する」ことや、「複数の文字がチームを組んで全く新しい一つの音を作る」という工夫が必要になったのです。

具体的な例を見てみましょう。「a」というたった一文字のスペルですが、単語の中での位置や周りの文字との関係によって、その「音」はカメレオンのように変化します。

  • cat の「a」は、「ア」と「エ」を混ぜたような音 /æ/
  • cake の「a」は、アルファベットの名前通り「エイ」という音 /eɪ/
  • car の「a」は、口を大きく開けた深い「アー」という音 /ɑː/
  • ago の「a」は、弱く曖昧な「ア」という音 /ə/

これらはすべて同じ「a」というスペルで書かれますが、音は全くの別物です。逆に、同じ音であっても、違うスペルで書かれることも頻繁にあります。例えば、「f」という摩擦音は、「fish」では「f」ですが、「phone」では「ph」、「laugh」では「gh」というスペルとして表現されます。

しかし、ここで絶望する必要はありません。この複雑さの中にも、「ルール」や「傾向」が存在します。それさえ掴んでしまえば、スペルは決してランダムな文字の羅列ではなく、音を表すための仕組みであることが見えてくるはずです。丸暗記ではなく、この「仕組み」を理解することこそが、スペル習得への近道だと言えるでしょう。

ポイント
英語のスペルは「見た目の形」だけで覚えようとせず、「音」とセットで理解することが大切です。ネイティブスピーカーは、耳から入った音(phoneme)を細かく聞き分け、それをルールに従って文字(grapheme)に変換するというプロセスで読み書きを習得しています。


覚えられない・難しいと感じる理由

日本語の「子音+母音」構造と英語の「子音で終わる」構造の違い、「desk」が「desuku」と認識される母音の幻聴、カタカナ英語による混乱を図解したイラスト。

「何度書いても忘れてしまう」「スペルミスばかりして自信がない」。そう感じてしまうのは、あなたの記憶力が悪いからでも、努力が足りないからでもありません。最大の理由は、私たちの脳に根付いている「日本語のOS」と「英語のOS」の仕組みが根本的に異なるからです。ここでは、日本人が特にスペルを難しく感じてしまう3つの根本的な原因を紐解いていきます。

1. 脳が勝手に音を変換する「日本語フィルター」の存在

日本語は、世界でも稀な「母音が非常に強い言語」です。「あいうえお」という母音がはっきり聞こえないと言葉として認識しづらいため、日本人の脳は、聞こえてきた音に対して無意識に母音を補って聞き取る癖がついています。

例えば、「desk(机)」という単語。英語本来の音は /desk/ で、最後の「k」は息を破裂させるだけの音ですが、日本人の耳には「desuku(デスク)」と、本来存在しない「u」の音が聞こえてしまいます。このような「母音の幻聴」がスペルミスにつながりやすい事例の一つです。スペルを書く際にも無意識に「u」に当たる文字を探したり、ローマ字の感覚で余計な文字を付け足そうとして混乱してしまう傾向にあります。

2. 「書いて覚える」という文字だけの勉強法

日本の中学校や高校では、英単語を覚える際に「ノートに10回書いて覚える」という方法が推奨されてきました。しかし、これは「音」を無視して、文字の形だけを「視覚」と手の「運動神経」で覚えようとする方法です。

英語のスペルは本来、発音(音)を表すための記号です。それなのに音声を無視して、「d-e-s-k」という記号の並び順だけを丸暗記しようとするのは、電話番号を電話帳ごと暗記しようとするようなもので、脳にとって非常に負担が大きい作業です。この「音なき暗記」が、覚えられない、すぐに忘れるという悪循環を生み出しています。

3. 脳を混乱させる「カタカナ英語」

問題を複雑にしている理由の一つのが、日本の生活に浸透している「カタカナ英語」です。カタカナは、英語の複雑で微妙な音の違いを、限られた日本語の音に無理やり当てはめたものです。例えば、「Light(光)」と「Right(右)」は、英語では全く異なる音ですが、カタカナではどちらも同じ「ライト」になってしまいます。

もしあなたが「ライト」というカタカナ音で単語を記憶していたら、いざスペルを書こうとした時に「L」なのか「R」なのか、判断できるはずがありません。また、「マクドナルド」と「McDonald’s」の音が全く違うように、カタカナで覚えた音と実際の英語のスペルは大きく乖離しています。カタカナで覚えるということは、間違った地図を持って目的地に行こうとするようなものだと言えるでしょう。
(参考:The problems with using Katakana to teach English pronunciation | Gideon Roos


まずはリスニングを学習する重要性

リスニングで「音と文字を結びつける」「英語脳を作る」という概念を、美しいビジュアルとして表現。

「スペルを覚える」というと、どうしても「書くこと」や「読むこと」を優先しがちです。しかし、英語初心者がまずやるべきは、ペンを持つことでも単語帳を開くことでもなく、圧倒的な量の「リスニング(インプット)」を行うことです。なぜなら、正しい「音」のデータベースが脳内に構築されていない状態で文字だけを覚えようとすると、脳は勝手に自分が知っている音、つまり「カタカナ読み」で記憶を補完してしまうからです。一度間違った音(カタカナ発音)とスペルが結びついてしまうと、その矯正には倍以上の時間がかかります。

まずは、初心者向けのYouTubeやポッドキャストなどで、自分のレベルに合った簡単な英語をたくさん聞くようにしましょう。子供向けの物語やアニメ、英語学習者向けのやさしいニュースなどが最適です。この時、「一語一句すべて聞き取らなきゃ」と意気込む必要は全くありません。むしろ、BGMのようにリラックスして聞き、英語特有のリズム、イントネーション、そして音のつながり(リエゾン)に耳を慣らすことが目的です。「英語の音のシャワー」を浴び続けることで、脳内に「音素(英語の音の最小単位)」のストックが蓄積されていきます。

ある程度英語の音に慣れてきたら、今度は「スクリプトや字幕を見ながら聞く」という練習も取り入れてみましょう。聞こえてくる音と、目の前の文字を照らし合わせるのです。「あ、今聞こえた『ワラ』って音は、waterって書いてあるんだ!」「『ナイト』の最初はkから始まるんだ!」という発見(アハ体験)が、脳内で音と文字のリンクを育てます。文字を見る前に音を聞くこと。これが、英語圏の子供たちが自然に言葉を覚える順序と同じ、自然な学習アプローチだと言えます。

初期段階ではリスニングによって音声的な素地を作ることが、後のスペル定着に大きく寄与します。ただし、音に慣れてきたら『音(リスニング)→文字(フォニックス)→定着(書く・読む)』を並行して行うことも効果的で、片方だけを極端に優先する必要はありません。


スペル習得に役立つフォニックス

アルファベットの文字と音の関係、例えば「ai」が発音されるルールを示し、未知の単語「gain」の読み方や「main」のスペルを推測するプロセスを図解したインフォグラフィック。

スペルを効率的に覚えるために避けて通れないのが「フォニックス(Phonics)」です。フォニックスとは、簡単に言えば「英語の文字(綴り)と音(発音)の間にあるルール」を学ぶ学習法のことです。英語圏の子供たちは、幼稚園や小学校に上がると、アルファベットの名前(エイ、ビー、シー…)を覚えるのと同時に、あるいはそれ以上に、アルファベットが持つ「音(a、b、c…)」を徹底的に叩き込まれます。これが読み書きの基礎中の基礎となるからです。

フォニックスを学ぶメリットは計り知れません。最大の利点は、初めて見る単語でも「音」を聞けばある程度の「スペル」が論理的に推測できるようになり、逆に「スペル」を見れば正しい「音」が分かるようになることです。例えば、「rain」「pain」「wait」という単語を見てください。共通しているのは「ai」という綴りです。フォニックスでは、「ai」という2文字の組み合わせ(母音ダイグラフ)は「/eɪ/」と発音するというルールがあります。このルール一つを知っているだけで、もし「gain」という未知の単語に出会っても読めるようになりますし、「main」という音を聞いて「m-ai-n」とスペルを推測することも可能になります(もちろんmaineなどの例外もありますが、正解に近づく確率は格段に上がります)。

多くの大人の学習者は、「今さらフォニックスなんて子供っぽい」と思うかもしれません。しかし、論理的な思考ができる大人こそ、理屈で理解できるフォニックスは学習の武器となります。ルールに基づいてスペルを構築する力を養うことで、学習効率は何倍にも跳ね上がるはずです。


英語のスペルルール具体例一覧表

サイレントE、CとGのルール(Soft/Hard)、QとUの法則、子音の二重化、Yのルールなど、主要な英語のスペルルールを具体例と発音イメージで整理した一覧表の画像。

英語のスペルには確かに多くの例外が存在しますが、それでも全体の約75%〜85%は何らかの規則性に従っているとも言われています。すべてのルールを一度に覚える必要はありませんが、頻出するパターンを知っておくだけでも頭に入りやすくなるはずです。

ここでは、特に学習者が間違いやすい、押さえておきたいスペルのルールを厳選して一覧表にまとめました。これらはあくまで基本のパターンですが、スペル学習の参考としてお役立てください。

スクロールできます
ルール名基本的なルール代表的な例と発音イメージ
サイレントE
(Magic E)
単語の最後にある「e」は発音しませんが、一つ前の母音を「短母音」から「長母音(アルファベットの名前読み)」に変える働きがあります。cap → cape
kit → kite
hop → hope
Cのルール
(Soft C / Hard C)
「c」という文字は、後ろに来る文字によって音が変わります。
・e, i, yの前では「s」の音(Soft C)
・a, o, uの前では「k」の音(Hard C)
Soft C: city, cycle, cell
Hard C: cat, cup, coat
Gのルール
(Soft G / Hard G)
「g」も「c」と同様の変化をします。
・e, i, yの前では「j」の音(Soft G)
・a, o, uの前では「g」の音(Hard G)
※getやgiveなどの例外も多いので注意。
Soft G: gym, giant, gentle
Hard G: game, goat, gum
QとUの法則英語では「q」は単独で使われることはほぼありません。多くは後ろに「u」を伴って「qu」の形で登場し、発音は /kw/ )となります。queen, quick, question, quiet
(qを見たら基本的にはuと覚えましょう)
子音の二重化
(Doubling Rule)
「短母音+子音1つ」で終わる単語に、母音で始まる接尾辞(-ing, -er, -ed等)をつける時、最後の子音を重ねます。これは前の母音を短母音のまま保つためです。run → running
big → bigger
stop → stopped
Yのルール「子音+y」で終わる語に接尾辞をつける時、yをiに変えます。ただし、-ingをつける時だけはyのままにします(iiと重なるのを避けるため)。happy → happiness
cry → cried
※cry → crying(ingは例外)

補足:I before E のルール
英語圏の学校で教わる有名な韻(ライム)に「i before e, except after c(cの後以外は、eよりiが先に来る)」というものがあります。例えば「believe」や「piece」はieの順ですが、「receive」や「ceiling」のようにcの後はeiの順になります。ただし、このルールには「weird」や「science」など例外も多いため、絶対的な法則としてではなく迷った時の参考として使うようにしましょう。


英語スペルの覚え方のコツと練習方法

日本人の英語学習者が、りんごの絵と「Apple」という文字が描かれたピクチャーディクショナリーのページを指差し、音声を聞きながら発音し、スペルを書いている様子を描いた写真。日本語訳を介さずにイメージと音と文字を結びつける学習法を表現。

ここからは、実際に今日から始められる具体的なトレーニング方法を紹介します。高価な教材を買ったり、机に向かって何時間も勉強したりする必要はありません。大切なのは、日常の中で「音」と「イメージ」に触れ、楽しみながら英語力を育てていくプロセスだと言えます。

スペルを簡単に覚えるためのコツ

長い単語を音節で分解する方法、接頭辞や接尾辞の意味からパズルのように組み立てる方法、語呂合わせ、分散学習の重要性をイラストで解説したインフォグラフィック。

フォニックスのルールを学んでも、「長い単語はどうしても覚えられない」「例外的なスペルでいつも間違える」という壁にぶつかることもあるでしょう。ここでは、そんな時に意識したい4つのアプローチを紹介します。

1. 長い単語は「音の塊(チャンク)」で分解する

10文字以上あるような長い単語を、頭から一文字ずつ「i-n-f-o-r…」と覚えようとするのは、ランダムな数字の羅列を覚えるようなもので非常に非効率です。長い単語は、「音節(シラブル)」ごとの塊にカットして捉えましょう。

例えば、「Information」という単語なら、「In – for – ma – tion」と4つのリズムに分解します。「Wednesday」なら、「Wed – nes – day」と区切ります。こうすることで、脳が一度に処理すべき情報量が減り、リズムに乗せてスムーズに覚えることができます。ステーキを一口サイズに切って食べるようなイメージで、単語も食べやすいサイズ(音の塊)に分解するのが鉄則です。

2. 「意味のパーツ」を知ってパズルのように組み立てる

英語には、単語の意味を決定づける「部品」が存在します。これを「接頭辞(頭につく部品)」や「接尾辞(お尻につく部品)」と呼びます。これらを知っていると、スペルは暗記ではなく「組み立て作業」になります。

  • re-(再び):return, replay, rewrite
  • un-(否定):unhappy, unlock, unknown
  • -tion(名詞にする):station, action, education

例えば「Unbelievable(信じられない)」という長い単語も、「Un(否定)+ believ(信じる)+ able(できる)」という3つのパーツが合体しただけだと分かれば、一文字ずつ覚える必要はなくなります。漢字の「偏(へん)」や「旁(つくり)」を覚える感覚に近く、大人の学習者が得意とする効率的な方法です。

3. どうしても覚えられない単語は「語呂合わせ」を活用する

フォニックスのルールにも当てはまらず、どうしても間違えてしまう「例外的な単語」については、恥ずかしがらずに「語呂合わせ(Mnemonics)」を使って覚えましょう。これはネイティブスピーカーも学校で教わる立派な学習法です。

例えば、「Friend(友達)」のスペルが「i」か「e」か分からなくなる場合、ネイティブは「Fri the end(金曜日に終わる)」というフレーズで「fri」の並びを覚えます。日本人なら、「Lie(嘘)」が含まれているから「Believe(信じる中にも嘘がある)」と覚えるのも有名です。脳にフック(引っかかり)を作ることが目的なので、自分が覚えやすいストーリーを勝手に作ってしまうのがコツです。

4. 「1日100回」より「3日で3回」の分散学習

スペル学習で最も避けるべきなのは「一夜漬け」です。人間の脳は、一度に大量に詰め込んでも、寝て起きればその大部分を忘れるようにできています(エビングハウスの忘却曲線)。

今日100回書いて完璧にするよりも、「今日1回、明日1回、3日後に1回」書く方が、記憶の定着率は圧倒的に高くなります。これを「分散学習」と呼びます。スペルを覚えるときは、完璧を目指さずに「忘れた頃にもう一度出会う」スケジュールを組むことが、結果として着実な習得ルートになります。


ピクチャーディクショナリーの活用

ピクチャーディクショナリーのイメージ。猫のイラストと「cat」という文字のみで構成され、日本語訳がないページ。

「英語脳」を育てながスペルを覚えるためにおすすめしたい教材の一つが「ピクチャーディクショナリー(絵辞典)」です。「子供が使うものでしょ?」と侮ってはいけません。実はこれこそが、日本語訳の呪縛から逃れ、ネイティブと同じ感覚で言葉を理解するために役立つツールとなります。

通常の英単語帳は「Apple = りんご」のように日本語訳とペアになっていますが、これでは脳内でどうしても日本語変換のステップが発生してしまいます。一方、ピクチャーディクショナリーには日本語がほとんど書かれていません。あるのは「赤い果実の絵」と「Apple」という文字だけです。

これにより、「イメージ(絵)」→「音(Apple)」→「文字(スペル)」という、日本語を一切介さない直接的な回路を作ることができます。また、キッチンや空港、病院といった「場面(シーン)」ごとに単語がまとまっているため、関連する言葉を芋づる式に記憶できるのも大きなメリットです。文脈の中で覚えるため、記憶の定着率も良くなります。

効果的な活用ステップ例

ただ眺めるだけではもったいないので、五感も活用した以下のステップで実践してみてください。

  1. Look & Listen(見て聞く)
    まずはスペルを見ずに、絵だけを見ながら付属の音声(または辞書サイトの音声)を聞きます。「この絵はこういう音なんだ」と、視覚と聴覚をリンクさせます。
  2. Point & Say(指さして言う)
    音声を聞きながら、その単語の絵を指で差します。そして、自分でも声に出して発音してみましょう。子供っぽい動作に見えるかもしれませんが、指を使うことで脳への刺激が増し、集中力が高まります。
  3. Write with Sound(音と一緒に書く)
    最後に、絵を見ながら、口で音を再生しながらスペルを書いてみます。「c・a・t(cat)」のように音を分解しながら書くのもポイントです。この練習をすることで、そのスペルが「絵」と一体化したイメージとして脳に記憶されていきます。

以下の『Young Children’s Picture Dictionary』シリーズでは、音声CD付きで日常会話に必要な基本的な語彙も網羅されています。机上の勉強としてではなく、絵本をめくるような感覚で毎日5分「指さし学習」を取り入れるだけでも、スペルと一緒に英語をイメージとして理解する感覚が身につくはずです。


小学生や中学生も実践できる練習法

小学生や中学生も実践できる英語のスペル練習法

小学生や中学生のお子さんがスペルを覚える場合も、無味乾燥な丸暗記は避けるべきです。特に子供は大人よりも聴覚が鋭く、音に対する感性が豊かですが、退屈な作業にはすぐに飽きてしまいます。この時期こそ、ゲーム感覚や遊びの要素を取り入れて、自然と「音」と「文字」の関係(フォニックスルール)を体感させることが重要です。楽しんでいるうちにいつの間にか覚えている、というのが理想的な状態です。

家庭でも簡単に実践できる、効果的な学習アクティビティをいくつか紹介します。

ライミング(韻を踏む)ゲーム

英語には「Word Family(ワードファミリー)」と呼ばれる、同じ音の響き(韻)を持つ単語グループがあります。例えば、「-at」ファミリーなら、cat, bat, hat, mat, rat などです。「今日は『アット』の音を探そう!」と言って、親子でこれらの単語を出し合ったり、カードを作って並べたりします。これにより、「音の終わりが同じなら、スペルの終わりも同じになることが多い」というルールを感覚的に理解できます。

ワードサーチパズル

アルファベットがランダムに並んだ表の中から、隠された単語を縦・横・斜めに探すパズルです。海外の子供たちの学習定番ツールですが、これは単に遊んでいるだけではありません。目的の単語を見つけるためには、スペルの並び順(sの次はt、その次はr…)を正確に視覚認識し続ける必要があるため、集中力とスペル認識能力が同時に養われます。無料のプリントサイトやアプリがたくさんあるので、ぜひ活用してください。

歌で覚える(フォニックスソング)

YouTubeには「Phonics Song」などのキーワードで検索すると、たくさんの質の高い教育動画が見つかります。特に、「A is for Apple, a-a-apple」のように、文字の名前と音、そして代表的な単語をリズムに乗せて歌う動画は学習の役に立ちます。歌いながら画面の文字を目で追うことで視覚と聴覚が連動し、無理なく文字と音の関係をインプットすることができます。


スペル学習に役立つサイトやアプリ

英語のスペル学習に役立つサイトやアプリ

現代には、音声や視覚を使って楽しみながら効率的に学べる素晴らしいツールがたくさんあります。これらはスキマ時間にも活用できるため、モチベーションを維持しやすいのもメリットです。ここでは、特にスペル学習に効果的なリソースを厳選して紹介します。

おすすめの学習サイト・アプリ

パソコンの大画面でじっくり学びたい時や、体系的な知識を得たい時に最適なサイトです。

  • Starfall
    アメリカの子供たちが読み書きを学ぶための定番サイトです。「A is for apple」といった基礎から、アニメーションを使って視覚的にフォニックスを学べます。子供向けですが、英語の音とスペルの基礎をやり直したい大人にも最適です。
    Starfall 公式
  • BBC Learning English
    イギリスの公共放送BBCが提供する学習サイトです。「The Sounds of English」などのコーナーでは、発音記号と口の形、そして対応するスペルを動画で解説しており、より本格的に学びたい中級者以上にもおすすめです。
    BBC Learning English 公式
  • Duolingo
    世界的に人気のある語学アプリです。単語のスペル問題や、聞こえた音をタイプする問題などがバランスよく出題されます。間違えてもすぐに正解を確認でき、楽しみながらレベルアップしていく仕組みがモチベーションにつながります。ゲーム感覚で視覚・聴覚・操作を組み合わせた学習が行えます。
    Duolingo 公式

スペルチェック・校正ツール

自分が書いた英語が正しいかどうか、AIにチェックしてもらうことで「気付き」を得られます。

  • Grammarly
    単なるスペルチェッカーを超えた、AIライティングアシスタントです。スペルミスだけでなく、文法の誤りや不自然な表現まで指摘してくれます。文脈に合わせて「ここはこのスペルの方が適切です」といった提案をしてくれるほか、なぜ間違っているのかの解説も表示されます。「自分のミスの傾向」を知るための教師役として活用してみてください。
    Grammarly 公式
  • Googleドキュメント / Microsoft Word
    特別なツールを導入しなくても、普段使っている文書作成ソフトには強力なスペルチェック機能が備わっています。赤い波線が出たら、そのまま無視せずに必ずクリックして修正候補を確認しましょう。「あ、自分はいつも『receive』を『recieve』って書いちゃうな」と自覚することが、改善への第一歩です。

おすすめのYouTubeチャンネル

「音」と「文字」の関係を目と耳で理解するには、動画コンテンツが一番です。

  • Alphablocks
    イギリス発の教育アニメです。アルファベットの文字たちがキャラクターになっており、彼らが手をつなぐと「単語」になり、離れると「音」に戻る様子が描かれています。フォニックスの仕組み(文字が組み合わさって音が変わる様子)が視覚的に理解できます。
    Alphablocks チャンネル
  • あいうえおフォニックス
    日本人向けにフォニックスや発音の基本を分かりやすく解説してくれている人気チャンネルです。可愛らしいアニメーションで、日本語と英語の音の違いなども紹介しています。初心者の方をはじめ、子供から大人まで楽しみながら基本を学ぶことができます。
    あいうえおフォニックス チャンネル
  • Rachel’s English
    大人の学習者向けに、発音時の「口の動き」や「舌の位置」を論理的に解説しているチャンネルです。分かりやすい英語で話してくれているので、ネイティブの音に慣れる練習になります。スペルだけでなく、総合的な観点から理解したい方におすすめです。
    Rachel’s English チャンネル

総括:英語スペルの覚え方と練習方法

一夜漬け(Cramming)ではなく、日を分けて学習する分散学習を推奨するカレンダーのイラスト。

ここまで様々なテクニックやツールを紹介してきましたが、最終的に目指すべきゴールは、頭でルールを考えなくても、無意識のうちに正しいスペルがスラスラと書ける状態です。自転車に乗るのと同じで、最初は「右足を踏んで、次は左足…」と考えていても、慣れれば何も考えずに乗れるようになります。スペルも同じ「技能」だと言えます。

そのためには、「習うより慣れろ」の精神で、インプットした知識をアウトプットする回数を増やすことが効果的です。例えば、自分だけの英語日記をつけてみる(3行でOKです)、SNSで海外の投稿に短い英語のコメントを残してみる、スマートフォンのTo Doリストを英語で入力してみるなど、生活の中に英語を書く機会を意図的に作り出しましょう。間違ってもいいから、実際に英語を使う頻度を上げることが大切です。

英語の音を聞き、イメージし、そして書く。このサイクルを回すことで、スペルは単なるテストのための暗記から、あなたの感情や思考を表現するための「生きた言葉」の一部になっていくはずです。


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