初めての海外旅行、期待で胸がいっぱいになる一方、「どの国を選べばいいの?」「準備は何から始めれば?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。海外旅行を成功させる鍵は、最初の国選びにあります。この記事では、海外旅行初心者におすすめの国をランキング形式で紹介するのはもちろん、アジアと西洋の比較、安全な国や治安の情報、費用が安い国の見つけ方まで、あらゆる疑問にお答えします。さらに、一人旅や女子旅、大学生といった旅行スタイル別のおすすめや、逆におすすめしない国の特徴や理由、パッケージツアーと個人手配のメリット・デメリット、そして万全な準備の進め方まで網羅的に解説していきます。
- 初心者におすすめの国とその選定基準が分かる
- 目的や予算に応じた最適な旅行先の選び方が身につく
- 安全な旅を実現するための具体的な防犯対策や情報収集法を学べる
- パッケージツアーと個人手配の違いを理解し、自分に合った方法を選べる
海外旅行初心者におすすめの国と選び方を解説

- 定番のおすすめの国ランキング
- アジア圏と西洋圏の違いと傾向
- 安全面や治安を考慮した国選び
- 予算を抑えられる物価が安い国
- 初心者におすすめしない国の特徴
定番のおすすめの国ランキング
初めての海外旅行で最も大切なのは、「安心して楽しめる」国を選ぶことです。素晴らしい体験は、安全という土台があってこそ成り立ちます。ここでは、治安の良さ、日本からのアクセスのしやすさ、費用の手頃さ、言語の壁の低さ、そして観光の魅力という5つの客観的な基準から、海外旅行初心者の方に心からおすすめできる国を厳選しました。
結論から言うと、総合的に最もおすすめなのはハワイです。物価は高めですが、圧倒的な安心感と充実した観光インフラは、まさに初心者のための旅先だと言えるでしょう。2位の台湾、3位の韓国は、日本からの近さと食文化の豊かさが大きな魅力です。これらの国々は、物理的な距離だけでなく、文化的な親近感や日本語の通用度といった「心理的な距離」も近く、初心者が抱える不安を和らげてくれます。
ここでは、より具体的なイメージを持っていただけるよう、比較表を用いてTOP5をご紹介します。特に上位の国々は日本人観光客が多く、ホテルやショッピングモールで日本語が通じる場面も多いので、言葉の不安を最小限に抑えられるはずです。
順位 | 国・地域 | 魅力のポイント | 飛行時間(目安) | 予算目安(3泊4日) |
---|---|---|---|---|
1位 | ハワイ(米国) | 治安が非常に良く日本語も通じやすい。リゾート、グルメ、ショッピング全てが揃う。 | 7~8時間 | 20万円~ |
2位 | 台湾 | 親日的で治安も良好。特に小籠包や夜市など「食」の魅力が絶大。 | 3~4.5時間 | 7万円~ |
3位 | 韓国 | 日本から最も近い国の一つ。グルメ、ショッピング、美容が好きな女性に特に人気。 | 2~3時間 | 8万円~ |
4位 | シンガポール | 世界トップクラスの治安と清潔な街並み。英語が公用語で交通網も発達。 | 約7時間 | 12万円~ |
5位 | タイ | 「微笑みの国」と呼ばれる温かい国民性。物価が安く、非日常的な文化体験が可能。 | 約6~7時間 | 10万円~ |
アジア圏と西洋圏の違いと傾向

海外旅行先を考える際、多くの人が最初に悩むのが「アジア圏か、西洋圏か」という大きな選択です。この二つの地域は、費用、文化、得られる体験が大きく異なります。それぞれの特徴を理解し、自分の理想の旅のスタイルと照らし合わせることが、後悔しない旅行先選びの第一歩です。
冒険・発見型のアジア旅行
アジア旅行は、「冒険・発見型」の旅と言えるでしょう。日本から近くてLCC(格安航空会社)の便も多い国が多く、航空券を安価に抑えやすいのが特徴です。さらに、東南アジアを中心に現地の物価も安いため、コストを抑えながらグルメやアクティビティを満喫できます。活気ある市場やスパイシーな料理の香り、人々の熱気など、五感をダイレクトに刺激するエキゾチックな体験が魅力です。計画通りに進まないことさえも楽しめるような、柔軟な旅を求める方に向いています。
計画・鑑賞型の西洋旅行
一方、西洋旅行は、「計画・鑑賞型」の旅に適しています。美術館に並ぶ世界的な名画や、何世紀もの歴史を持つ荘厳な建築物など、人類の歴史や芸術の奥深さに触れる知的な体験が中心となります。航空券や滞在費は高くなる傾向にありますが、ヨーロッパでは鉄道網が発達しており、計画的に複数の国を快適に巡ることも可能です。歴史やアートにじっくりと浸りたい、洗練された文化を味わいたいという方におすすめです。
このように、どちらが良いというわけではなく、自分が旅に何を求めるかで選ぶべき地域は変わります。予測不能な出来事も含めて楽しみたいならアジア、知的好奇心を満たし計画通りに事を進めたいなら西洋、というように自分の旅のスタイルを見つめ直すことが、満足度の高い選択への第一歩となります。
安全面や治安を考慮した国選び

海外旅行の計画で最も気になるのが「治安」の問題です。漠然とした不安を解消するためには、客観的なデータと具体的な対策を知ることが重要です。安全な旅は、正しい情報収集から始まります。
客観的データで見る治安の良い国
まず、国の平和度を測る信頼性の高い指標として「世界平和度指数(Global Peace Index, GPI)」があります。これは、オーストラリアの経済平和研究所が毎年発表しているもので、国内の犯罪率だけでなく、近隣国との関係や紛争のリスクなども含めて総合的に評価したものです。例えば2024年のランキングでは、アイスランド(1位)を筆頭に、アイルランド、オーストリア、ニュージーランド、シンガポールなどが上位を占めています。(出典:Institute for Economics & Peace “GLOBAL PEACE INDEX 2024”)
日本人旅行者のための必須情報源
しかし、日本人旅行者にとって最も重要かつ実用的な情報源は、外務省の「海外安全情報」です。これは、世界各地の日本国大使館や総領事館が集約した最新情報に基づき、国・地域ごとの危険度を4段階のレベルで示しています。
たとえ治安が良いとされる国でも、観光客を狙ったスリや置き引きはどこでも起こり得ます。例えば、一人が親しげに話しかけて注意を引き、その隙に別の仲間がバッグから財布を抜き取るといった巧妙な手口は、ヨーロッパの主要観光地で頻繁に報告されています。
バッグは必ず体の前で抱えるように持つ、レストランで席を立つ際に荷物を置いたままにしない、といった基本的な対策を徹底するだけで、被害に遭うリスクを大幅に減らせますよ。
ここで理解すべきは、「国全体の平和度」と、私たちが日常的に直面するスリなどの「生活レベルの安全性」は必ずしも一致しないということです。GPI上位の国へ行く場合でも、「自分の身は自分で守る」という意識を持つことが、安全な旅を実現するための鍵となります。
予算を抑えられる物価が安い国

「海外旅行はお金がかかる」というイメージがありますが、行き先を賢く選べば、予算を抑えつつも非常に充実した旅が可能です。特に費用を重視するなら、東南アジア諸国が圧倒的におすすめです。
その理由は、日本からの地理的な近さ(LCCが多く航空券が安い)と、現地の物価水準の安さという二つの大きな要因が揃っているからです。食費や市内交通費、宿泊費、マッサージなどのサービス料金が日本の数分の一ということも珍しくなく、限られた予算でもグルメやショッピング、アクティビティを我慢することなく満喫できるはずです。
物価が特に安い国々の例
ベトナム
東南アジアの中でも特に物価が安い国として知られています。屋台で食べるフォー(米麺)は一杯200円台から楽しめ、タクシーの初乗りも非常に安価です。フランス統治時代の面影が残るお洒落な街並みや、可愛い雑貨を探すのも低予算で楽しめます。
タイ
「微笑みの国」は、物価の安さでも旅行者を魅了します。ローカルな屋台での食事はもちろん、宿泊施設のコストパフォーマンスが非常に高いのが特徴。バンコク中心部であっても、プール付きの4つ星、5つ星ホテルに1泊1万円台で宿泊できるケースも少なくありません。
トルコ
地理的には中東とヨーロッパの間に位置しますが、現地での滞在費が非常に安い穴場です。本格的なドネルケバブが数百円で味わえるなど、驚きの安さを体験できます。歴史的な見どころも多く、満足度の高い旅が期待できます。
これからの賢い旅は、絶対的に物価が安い国を選ぶか、あるいはLCCで航空券を抑えて現地では少し贅沢するなど、何にお金をかけ、何を節約するのかを戦略的に考えることがこれまで以上に重視されてきていると言えるでしょう。
初心者におすすめしない国の特徴

海外旅行の行き先選びでは、「どこへ行くか」と同じくらい「どこを避けるべきか」を知ることが、最初の旅を成功させるために重要です。ここでは、その国自体の魅力や文化を否定するものではなく、あくまで「海外旅行初心者とのミスマッチ」という観点から、避けるのが賢明な国の共通した特徴を解説します。
判断基準は主に以下の4つです。
- 客観的な危険性:外務省の海外安全情報で「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」以上が発出されている国・地域。これらは個人の注意だけでは避けられないリスクが存在します。
- 衛生環境の問題:安全な水や食事の確保が難しく、水道水が飲めないのはもちろん、食事によって深刻な体調不良を引き起こすリスクが高い国。
- インフラの未整備:交通機関が極端に不便または危険であったり、通信環境が悪く情報収集や緊急連絡が困難であったりするなど、旅行の基本的な行動に大きな支障が出る国。
- 旅行者への過度なストレス:しつこい客引き、悪質な詐欺、日常的なぼったくりが横行し、常に気を張り詰めていなければならず、精神的に疲弊してしまう国。
具体的な国名の例と理由
例えばインドは、多様な文化や壮大な歴史遺産など、計り知れない魅力を持つ一方で、衛生問題や執拗な客引きなど、初心者にはハードルが高い要素が多くあります。また、エジプトも、ピラミッドや古代遺跡は世界中の人々を魅了しますが、観光地での強引な物売りや過度なチップ要求に疲弊してしまうケースが少なくありません。これらの国は、旅の楽しさよりも、トラブルに対処するためのサバイバルスキルが求められる場面が多いため、まさに「上級者向けの旅先」と言えるでしょう。
旅慣れた人にとっては、そうした困難を乗り越えること自体が旅の醍醐味になることもあります。しかし、最初の旅行でこれを経験すると、海外旅行そのものが嫌になってしまう可能性も否定できません。
初心者のうちは、まず安全で快適な環境で海外旅行の楽しさを知り、成功体験を積むことが非常に重要です。その自信が、次のより挑戦的な旅への意欲を育むのです。ここで挙げたような国々は、「いつか経験を積んでから挑戦する場所」として心に留めておくのが賢明なアプローチだと言えるでしょう。
以下の記事でも海外旅行でおすすめしない国の特徴について詳しく紹介しています。

海外旅行の初心者におすすめの国を目的別に紹介

- 初めての海外旅行におすすめのスタイル
- 気ままな一人旅におすすめの行き先
- 女子旅におすすめの人気な旅先
- 大学生におすすめのコスパ重視の国
- ツアーと個人手配、どちらが良い?
- 快適な旅にするための準備リスト
初めての海外旅行におすすめのスタイル
初めての海外旅行を成功させるためには、自分の興味や性格に合った旅のスタイルを見つけることが大切です。旅のスタイルは、誰と、どのような目的で行くかによって大きく変わります。「みんなが行くから」ではなく、「自分が行きたいから」という視点で選ぶことが、満足度を高める鍵です。
例えば、「とにかく安心感を最優先したい」のであれば、日本語が通じやすく、観光インフラが完璧に整っているハワイやグアムのようなリゾート地が最適です。現地での移動や食事、ショッピングで困ることはほとんどなく、万が一のトラブル時も日本語でサポートを受けやすい環境は、初心者にとって何より心強いでしょう。ご家族での旅行やハネムーンにも自信を持っておすすめできます。
一方で、「異文化体験を重視したい」けれど、やはり不安も大きい、という方には台湾が非常におすすめです。日本から飛行機で数時間という近さに加え、治安も良好。街中には漢字の看板が多く、日本人にとってはどこか親しみやすい雰囲気があります。それでいて、活気あふれる夜市や荘厳な寺院、ノスタルジックな街並みなど、日本とは異なる文化を肌で感じることができます。
重要なのは、自分が旅に何を求めているかを具体的に自問することです。豪華なホテルでのんびりすることが目的なのか、知らない街をひたすら歩き回って新しい発見をしたいのか、現地の美味しいものを食べ尽くすことに情熱を燃やすのか。目的が明確になることで、行き先の選択肢は自然と絞られてきます。まずは「これだけは絶対に譲れない」というポイントを一つ、紙に書き出してみることから始めてみましょう。
最初の旅行は、少し背伸びをして難しい挑戦をするよりも、自分が心地よいと感じる範囲で計画するのが成功の秘訣です。この旅で得た自信と楽しかった記憶が、あなたの次のより挑戦的な旅へと繋がっていくはずです。
気ままな一人旅におすすめの行き先

自分のペースで自由に行動でき、新たな自分を発見するきっかけにもなる一人旅は、非常に魅力的で人気のある旅のスタイルです。しかし、特に初心者にとっては安全性や食事のしやすさ、寂しくないかなどが気になるところでしょう。ここでは、一人旅に最適な国の条件とおすすめの国をご紹介します。
一人旅の国選びで重視すべきポイントは、「高い安全性」「公共交通機関の利便性」「食事のしやすさ」の3点です。夜でも比較的安心して歩ける治安の良さはもちろん、地下鉄やバスが発達していて一人でも簡単に移動できること、そしてカウンター席のあるお店やフードコート、屋台などが充実していて一人でも気兼ねなく入れることは、ストレスなく旅を楽しむ上で非常に重要です。
一人旅に特におすすめの国
台湾
治安が良く人々も非常に親切で、一人旅の旅行者に温かい国です。最大の魅力は各地にある「夜市」で、多種多様なB級グルメを少しずつ、一人でも気兼ねなく楽しむことができます。台北市内はMRT(地下鉄)網が隅々まで発達しており、移動も非常にスムーズです。
シンガポール
世界トップクラスの治安と街の清潔さが、一人旅に絶大な安心感を与えてくれます。英語が公用語のためコミュニケーションの壁も低く、効率的な地下鉄でどこへでも簡単に行けます。「ホーカーズ」と呼ばれる屋台村では、様々な国の料理を安価に楽しめ、一人でも食事に困ることはありません。
タイ
「バックパッカーの聖地」とも呼ばれ、世界中から一人旅の旅行者が集まります。そのため、安価なゲストハウスなどで他の旅行者と自然に交流する機会も多く、孤独を感じにくい環境です。バンコクには日本語ガイド付きの現地ツアーも豊富で、一人でも気軽に参加できます。
女子旅におすすめの人気な旅先

気の置けない友人との女子旅では、安全性はもちろんのこと、「可愛い」「美味しい」「おしゃれ」といった、心がときめく要素が欠かせません。みんなで共有したくなるような写真映えする美しい街並み、絶品グルメやスイーツ、そして日本では手に入らないアイテムが見つかるショッピングの楽しさが揃っている国が特に人気です。
ここでは、女子旅の満足度を最大限に高めてくれる、おすすめの国と楽しみ方をご紹介します。
女子旅に特におすすめの国
韓国
最新のコスメやファッション、インスタジェニックなおしゃれなカフェがソウルの街に密集しており、ショッピングとグルメ、カフェ巡りを一度に満喫できます。公共交通機関が発達しているので、短い時間でも効率的に多くの場所を回れるのが魅力。本場のエステや汗蒸幕(ハンジュンマク)でみんなで「美」を追求する旅も、女子旅ならではの最高の楽しみ方です。
ベトナム(特にホイアン)
色とりどりのランタンが灯るホイアンの旧市街は、独特の雰囲気を味わうことができます。ノスタルジックで可愛い街並みは、どこを切り取っても絵になり、散策するだけで幸せな気分になります。物価が安いので、オーダーメイドでアオザイやワンピースを作ったり、おしゃれなカフェでベトナムコーヒーを楽しんだり、スパをはしごしたりと、贅沢な時間を手頃な価格で過ごせるのも大きな魅力です。
ハワイ
美しいビーチとどこまでも青い空は、どこでも写真撮影を楽しむことができます。アラモアナセンターのような大型ショッピングモールが充実しており、ブランド品からローカルな雑貨まで何でも揃います。パンケーキやアサイーボウルなど、見た目も華やかなグルメも豊富。治安が良く日本語も通じやすいため、海外旅行が初めてのメンバーがいても安心して楽しめます。
少し足を延ばせるならイタリアもおすすめです。歴史的な街並みそのものが美しく、本場のジェラートを食べ歩いたり、フィレンツェでおしゃれな革製品を探したり、美味しいパスタやピザに舌鼓を打ったりと、五感を満たす体験が待っていますよ。
これらの国々は、ただ有名な観光地を巡るだけでなく、現地の文化や空気感をおしゃれに体験できるという共通点があります。次の旅行の計画を立てながら、友達とどこでどんな写真を撮るか話し合う時間も、旅の醍醐味の一つですね。
大学生におすすめのコスパ重視の国

時間はあるけれど予算は限られている大学生の旅行は、どれだけ多くの経験と学びを得られるかが鍵となります。コストパフォーマンスの高さはもちろん、これまでの価値観を揺さぶるような刺激的な体験ができる国がおすすめです。
ここでは、知的好奇心と冒険心を存分に満たしてくれる、学生旅行にぴったりの国をご紹介します。
大学生に特におすすめの国
タイ
物価が非常に安く、宿泊や食事の費用を気にせず長期滞在しやすいため、まさに「学生旅行の定番」と言える国です。首都バンコクの喧騒、古都チェンマイの穏やかな空気、プーケットの美しいビーチなど、多様な顔を持っており、バックパック一つで周遊する楽しさを教えてくれます。カオサンロードなどには世界中からバックパッカーが集まるため、異文化交流の機会も豊富です。
スペイン
ヨーロッパの中では比較的物価が安く、それでいて見どころが非常に多い国です。バルセロナのガウディ建築や、アンダルシア地方に残るイスラム文化の遺産など、建築や歴史を学ぶ学生にとっては最高の教材が街中に溢れています。夜はバルをはしごして、安くて美味しいタパス(小皿料理)に舌鼓を打つのも最高の体験です。
トルコ
ヨーロッパとアジアの文化が交差するユニークな歴史と雰囲気を持つ国。カッパドキアの奇岩群の上を無数の気球が舞う風景は、息をのむほど美しく、一生忘れられない思い出になるでしょう。円安の今、特にヨーロッパと比較して非常にお得に旅行できるため、コストを重視する学生にとって大きな魅力となっています。
学生時代の旅行は、ただの娯楽ではなく、視野を広げ、自己を成長させる貴重な自己投資にもなります。コストを賢く抑えながらも、日本では得られない深い学びと経験を求めて、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
ツアーと個人手配、どちらが良い?

海外旅行の計画を始めるにあたり、初心者が最初に直面する大きな選択肢が「パッケージツアー」を利用するか、「個人手配」で旅行を組み立てるかです。それぞれに明確なメリットとデメリットがあり、どちらが最適かは、あなたの経験値や旅に求めるものによって異なります。両者の特徴を正しく理解し、自分に合ったスタイルを選びましょう。
安心と手軽さのパッケージツアー
パッケージツアーは、旅行会社が航空券、宿泊施設、現地での送迎、場合によっては観光や食事などをセットにして販売する商品です。最大のメリットは、準備が圧倒的に楽で、万が一の際の安心感が大きいことです。複雑な予約手続きは不要で、トラブルが発生した際も旅行会社のサポートデスクに相談できます。特に、空港からホテルまでの送迎が含まれているプランは、土地勘のない初心者にとって非常に心強いでしょう。ただし、日程があらかじめ決められており、自由な行動が制限される点がデメリットです。
自由とこだわりを追求する個人手配
一方、個人手配は、航空券からアクティビティまで、旅行に関わるすべてを自分自身で予約・手配する方法です。その魅力は、訪れる場所からホテルまで、旅の全てを自分の思い通りに設計できる完全な自由度にあります。特定のホテルに泊まりたい、マイルを貯めている航空会社を使いたいといった、個々のこだわりを最大限に反映できます。一方で、全ての予約やトラブル対応を自己責任で行う必要があり、情報収集に比較的手間と時間がかかります。近年ではインターネットやスマートフォンアプリの発達によって個人旅行のハードルも下がっているため、必要以上に神経質になる必要は無いとも言えるでしょう。
以下の記事でもツアー旅行と個人旅行の違いについて紹介しています。

快適な旅にするための準備リスト

海外旅行の成否は、準備段階で8割が決まると言っても過言ではありません。周到な準備は、予期せぬトラブルを未然に防ぎ、現地での時間を最大限に楽しむための土台となります。ここでは、出発までの期間を逆算した時系列のタスクリストで、スムーズに準備を進めるためのポイントを紹介します。
出発3ヶ月以上前から始めること
初めての海外旅行で最も重要なのは、余裕を持った準備です。特にパスポートは、海外渡航における絶対的な必需品。持っていない場合、申請から受け取りまで土日祝日を除き通常1週間程度かかりますが、連休前などは混雑するため、3ヶ月以上前には手続きを始めることを強くおすすめします。
すでにパスポートをお持ちの方も、これが最も重要なチェック項目です。渡航先の国によっては、「入国時に6ヶ月以上の残存有効期間が必要」といった規定があります。期間が足りないと、航空会社のカウンターで搭乗を拒否されたり、現地の入国審査で入国を拒否されるため、必ず渡航先の駐日外国公館のウェブサイトなどで要件を確認し、必要であれば更新手続きを進めてください。
この段階で、旅行の全体像を考え始め、航空券やホテルの予約を検討するのも良いでしょう。早期予約は「早割」などが適用されることも多く、費用の節約に繋がります。
出発1〜2ヶ月前のタスク
旅行の骨格が決まるこの時期には、ビザ(査証)の要否を確認します。日本のパスポートは世界トップクラスの信頼度を誇り、多くの国でビザなし渡航が可能ですが、渡航目的や滞在期間によっては必要です。また、アメリカのESTA、カナダのeTA、オーストラリアのETAなど、ビザとは別に電子渡航認証の事前申請が義務付けられている国もあります。これを忘れると飛行機に乗ることすらできないため、絶対に確認し、公式サイトから申請を済ませてください。
次に、万が一の事態に備えるための具体的な準備をします。
【この時期に準備すべき重要項目】
- 海外旅行保険への加入:海外での医療費は非常に高額になることがあります。例えば、アメリカで盲腸の手術を受けると数百万円の請求が来ることも珍しくありません。病気やケガ、盗難などのトラブルに備え、補償内容(特に治療・救援費用の補償額)を比較検討して必ず加入しましょう。クレジットカード付帯の保険だけでは補償が不十分な場合が多いので注意が必要です。
- クレジットカードの準備:海外では現金よりもクレジットカードが主流の国も多くあります。VISAやMastercardなど、世界的に通用するブランドのカードを最低2枚は用意しておくと、片方が使えない場合や紛失・盗難に備えられて安心です。
- 通信手段の確保:現地で地図アプリを使ったり、情報を検索したりするために、インターネット接続は不可欠です。レンタルWi-Fiルーター、現地で使えるSIMカード、あるいはスマートフォン本体のSIMをオンラインで書き換えるeSIMなど、自分のスタイルや渡航先に合った方法を予約・購入しておきましょう。
出発1週間前〜前日の最終チェック
出発が近づいたら、いよいよ本格的な荷造り(パッキング)を開始します。衣類や洗面用具はもちろんですが、風邪薬、胃腸薬、鎮痛剤、絆創膏といった日本の常備薬は必ず持参しましょう。現地の薬は成分が強すぎたり、体に合わない可能性があるため、飲み慣れたものを持っていくのが最善です。スーツケースの大きさは「1泊=10L」が目安とされています。
また、現地通貨への両替は、空港に到着してからの当面の交通費やチップ用に、1〜2万円程度の少額を日本国内の空港や銀行で両替しておけば十分です。多額の現金を持ち歩くのは危険ですし、多くの支払いはクレジットカードで対応できます。現地で現金が必要になった場合は、主要な空港や市内のATMでクレジットカードによるキャッシングを利用する方が、両替所よりもレートが良い場合が多いです。
【前日の最終確認事項】
パスポート、航空券(eチケット)、ホテルの予約確認書、海外旅行保険証書などの重要書類が全て揃っているか、最後に必ず確認してください。スマートフォンが故障したり、バッテリーが切れたり、盗難に遭う可能性もゼロではありません。そうした場合に備え、これらの重要書類は紙に印刷しておくか、PDFでクラウドストレージや自分のメールアドレス宛に送っておくなど、複数の方法でバックアップを取っておくと、いざという時に役立ちます。
海外旅行の初心者におすすめの国を総括
記事のポイントをまとめます。
- 海外旅行初心者は期待と不安が入り混じるもの
- 最初の国選びは「安心感」を最優先するのが成功の秘訣
- ランキング上位のハワイや台湾は日本語が通じやすく特におすすめ
- アジア圏は近くて安価、西洋圏は歴史や芸術に触れられる
- 旅の目的(冒険か鑑賞か)で選ぶ地域が変わる
- 安全な国選びには世界平和度指数(GPI)が参考になる
- 外務省の海外安全情報で渡航先の危険レベルを必ず確認
- 治安が良い国でもスリや置き引きへの対策は必須
- ベトナムやタイなど物価の安い国なら予算を抑えやすい
- 衛生環境やインフラが未整備の国は上級者向け
- 一人旅なら台湾、女子旅なら韓国、大学生ならタイが人気
- 最初は手配が楽で安心なパッケージツアーがおすすめ
- 旅に慣れたら自由度の高い個人手配に挑戦しよう
- パスポートの残存期間確認と電子渡航認証の申請は最重要
- 自分に合った国を選び、万全の準備で最高の海外旅行へ




