英語学習と言うと中学校や高校、受験勉強を連想してアレルギーが出る方も多いはずです。英語学習に挑戦するものの、途中で挫折してしまったり「時間の無駄では?」と感じたりする人も多いのではないでしょうか。特に「日本人にとって英語を学ぶのは意味がないのでは?」と考えたり、英語勉強や英会話がどれくらいの努力で成果を上げるのか疑問に感じたりすることもあるでしょう。年齢を重ねた大人や30代以降では、語学や外国語学習の壁がさらに高く感じられ、英語はどれくらいで伸びるのかなども気になる方もいるでしょう。
この記事では英語や語学を学ぶ意義やメリット、英語学習が時間の無駄になってしまうケースについても紹介します。本来は言語とは楽しみながら学ぶものであり、少しの捉え方の違いで今後の成果にも違いが出てきます。少しでも学習を続け、挫折することなく目標に到達するための方法も考察していきます。
- 英語学習や英会話が「時間の無駄」と感じられる理由
- 挫折しやすい学習方法とその改善点
- 英語を学ぶメリットと得られる結果
- 成果を出すために必要な時間や基準
英語学習や勉強、英会話は時間の無駄なのか
- 日本人が英語を学ぶことに意味がないのか
- 語学や外国語学習は無駄という意見
- 大人や30代からの英語学習は遅すぎるのか
- 母国語習得のクリティカルエイジ理論
- 英語学習を続けるメリットと得られる成果
日本人が英語を学ぶことに意味がないのか
日本人が英語を学ぶことに対して「意味がない」と考える人もいますが、それは一面的な見方だと言えます。日本国内で生活するだけなら、確かに英語を使う機会は少ないと感じるかもしれません。例えば、日常生活で必要な情報は日本語でほぼすべて得られ、職場でも日本語だけで完結する業務が多いでしょう。このような背景から「日本国内だけで生活するなら英語は不要」と感じる人がいるのも事実です。しかし、英語は単に「会話のツール」にとどまらず、情報収集や自己成長、国際的な理解のための手段としても大きな価値があります。
また、国際化が進む中で海外の情報や新しい知見は英語で提供されるケースが多く、最新の科学技術や経済の動向、ビジネススキルの情報は最初に英語で発信されることが一般的です。このように、英語を学ぶことで日本語だけでは得られない一次情報に直接アクセスできるようになります。専門知識や研究資料に興味がある人にとっても英語を理解することで大きなメリットが得られるでしょう。
さらに、キャリアの面でも英語は有利に働くことが多いです。企業の中には英語力を求める求人や、英語ができることで将来のキャリアが広がるポジションもあります。また、英語力を持つことで国内外問わず多様なネットワークが築けるため、ビジネスにおいて新しいチャンスが生まれやすくなります。もちろん、すべての人が英語を学ぶ必要はないかもしれませんが、英語のスキルを持つことで選択肢や可能性が増えるのは確かです。つまり、日本人が英語を学ぶことは「意味がない」のではなく、「可能性を広げる手段」としても価値があると言えるでしょう。
語学や外国語学習は無駄という意見
外国語学習自体が「無駄である」という意見も少なくありません。その理由として多く挙げられるのが、「学んだ語学を使う場面が少ない」という点です。たとえば、日本国内で外国語を使う場面は限定的であり、日常生活においても他言語を使わなければならない状況は稀です。このため、長い時間をかけて学習しても実生活で使わないまま忘れてしまうことが多いと感じる人も多いでしょう。また、語学を身につけるまでのプロセスが長く習得には努力と時間がかかるため、途中で挫折するケースも多く無駄に感じてしまう人がいることも事実です。
また、外国語を学ぶ代わりに他のスキルや専門知識に時間を割いた方が直接的なメリットがあると考える人もいます。たとえば、プログラミングやデザインスキル、マネジメントなどのスキルを身につけることで即戦力としての効果が期待できるという考えです。これらのスキルは職場での評価や昇進のチャンスに直結するため、外国語よりも実用的であると感じる場合もあるでしょう。
一方で、外国語学習は「無駄」と見られがちですが、実際にはコミュニケーション能力の向上や異文化理解を深めるための手段としての価値もあります。外国語学習を通じて異なる文化への理解が深まり、異なる価値観や視点を学ぶことができるため国際的な感覚や柔軟な思考が養われる効果も期待できます。外国語学習は直接的な結果を得るには時間がかかるかもしれませんが、長期的には自己成長や社会との関わりを広げるための重要なスキルとして有効であるとも言えるでしょう。
大人や30代からの英語学習は遅すぎるのか
大人や30代からの英語学習に対して「遅すぎるのではないか?」と不安に感じる人も多いかもしれません。しかし、実際には年齢による影響はあるものの、30代からの英語学習が「遅すぎる」ということはありません。多くの研究によると確かに子供の方が言語習得能力において優位であることは事実ですが、大人にも学習上の強みがあるため、決して遅すぎることはないのです。
例を挙げれば、大人には既に確立された母国語の理解力や学習方法を自分で工夫できる力があります。これにより、子供が自然に習得するとは異なる方法で効率的に学習を進めることが可能です。また、大人は目的意識が明確であり目標を持って学習に取り組む意識が高いため、英語を生活や仕事に活かしながら効率よく習得していくことができます。実際に、30代や40代から英語を学び始めビジネスシーンで活躍する人も多くいます。
さらに、語学学習は脳の柔軟性を保つためのトレーニングとしても非常に有効です。年齢を重ねると新しいことに挑戦する機会が減りがちですが、英語学習を通して新たな知識を取り入れることで脳の活性化にもつながります。したがって30代からの英語学習は決して遅すぎることはなく、むしろ知的な刺激を受けながら多くの成果が得られる機会とも言えるでしょう。
母国語習得のクリティカルエイジ理論
クリティカルエイジ理論(臨界期仮説)とは言語学者であるエリック・レネバーグが提唱した仮説であり、言語習得には「適切な年齢」が存在しその年齢を過ぎると習得が難しくなるという考え方です。一般的に、言語学習においてこの「クリティカルエイジ(臨界期)」はおおよそ10歳前後までとされています。この理論によれば、10歳前後までに学ぶ方が発音や自然な表現において母語話者に近づきやすいとされます。
ただし、クリティカルエイジ理論が主に適用されるのは母国語習得においてであり、第二言語である英語の習得には影響しないことが多いとされています。つまり、母国語ほどの発音や細かなニュアンスをネイティブレベルにすることは難しくなるかもしれませんが、大人でも十分に質の高いコミュニケーション能力を身につけることができます。
クリティカルエイジ理論は第二言語(外国語)の習得よりも母国語の習得に強く影響を与えると考えられているため、大人が英語を学ぶ際に多少のハンディキャップはあるかもしれませんが日常で使うことに支障が出るレベルではありません。実際に成人後に外国語を習得して高いレベルに達している人が多くいることからも、年齢にかかわらず挑戦する価値があると言えるでしょう。
英語学習を続けるメリットと得られる成果
英語学習を続けることには直接的な成果だけでなく長期的にも多くのメリットがあります。英語を通してできることが広がり、仕事や旅行、日常生活など様々な場面で活きてくるようになります。
まず英語ができるメリットとして、多くの事柄から自由になり将来の可能性が広がると言えます。日本だけを基準にして考えるか世界を含めた視点を持てるかで大きな差があり、これは日本に住んでいようと外国に住もうと関係ありません。少し環境や視点を変える事で解決する事が多く、筆者自身も日本を一歩出れば全く違った常識で世界が動いているのを目の当たりにして驚かされるばかりでした。特に同調圧力が強いこの国では一つの常識に縛られてしまいがちですが、日本の人口が約1億人として、世界の人口が約70億人とすればたった70分の1の常識です。世界に視野を向ける事で多くの可能性に気がつき選択肢も増えるはずです。
また、英語を習得すれば社会に必要とされ周りへの影響力がつく事も大きなメリットでしょう。働く業界によって違いは多少あるかもしれませんが、圧倒的に有利に働く事は想像できるはずです。今だに英語を話せる日本人の割合は低く、まだまだ人材が足りていないのが現状のため、少し英語を話せるだけでも会社で重宝され職に困る可能性も低くなります。テクノロジーの進化の中でいかに情報をキャッチできるかが鍵になるため、これからの世の中の流れに取り残されない為にも英語は重要になってくるはずです。
英語が世界共通語であり海外に友人ができるというのも大きな恩恵の一つでしょう。日本人には英語に対する苦手意識が強くどうしても身内だけで完結してしまいがちですが、世界には親日国家も多く日本に興味を持っている方がたくさんいます。海外には日本との文化的な違いもあり、フレンドリーな人も多く友人になるハードルも低いです。旅先で英語が少し話せるだけでも広がる世界が全く違うはずです。国内でも多くの外国人観光客や留学生がいるので声をかけてあげるだけでとても感謝されます。一歩外に出れば豊かな出会いが待っているのにも関わらず、英語を学ばないことはもったいない事だと感じます。様々な文化や価値観の人と交流する事で、結果として日本や日本人に対する理解も深まるはずです。
英語学習が時間の無駄にならないために
- 学習をやめる・挫折する人の割合
- 時間の無駄になる学習方法
- 英語を習得するまでに必要な時間
- 毎日何時間学習すれば効果が出るのか
- 英語学習を通して得られる未来
学習をやめる・挫折する人の割合
英語学習を始めたものの途中でやめてしまう人や挫折してしまう割合は、実は非常に高いと言われています。例えば、社会人が英会話スクールに通い始めた場合、半年以内に約半数が退会するというデータもあり、特に忙しい日々の中でモチベーションを維持するのは難しいと感じる人が多いようです。これは学生や主婦なども含めて共通した傾向であり、英語学習は継続が重要とされる一方で、挫折率が高いことも事実と言えるでしょう。
挫折する理由として最も多いのは、学習の成果がなかなか目に見えないことです。英語は特に習得までの時間が長く、数週間や数ヶ月では明確な進歩が実感しにくいため、途中で自分の努力が無駄に感じてしまうことが挙げられます。また、学習に時間を割けなくなると、そのまま学習習慣が途絶えやすくなります。特に社会人は忙しさが増す中で、「続けなければ」と思いつつも他の予定が優先され、次第に英語学習への意欲が薄れてしまうケースが多いのです。
もう一つの大きな原因は、学習方法が自分に合っていないことです。英会話教室やオンライン教材で学ぶ人もいますが、学習内容が難しすぎたり、単調すぎたりすると、学習が苦痛に感じられることもあります。また、何を勉強するべきかが曖昧なままで学習を続けていると、成果が出づらいため途中で方向性を見失ってしまいがちです。このような理由から、英語学習を続けるためには自分に合った学習方法を見つけることや、短期間での小さな目標設定が重要になります。
時間の無駄になる学習方法
英語学習には正しい方法が重要ですが、誤った方法で進めると学習が非効率になり、時間と労力が無駄になることがあります。特に日本人学習者によく見られる間違いの一つが「単語暗記だけに頼る方法」です。英語を話せるようになるために必要な単語力は確かに大切ですが、単語暗記だけでは実践での会話力が身につきません。実際の会話では文脈に沿った使い方が重要であり、単語だけ覚えてもそれを適切に使いこなせるようにはなりません。
文法にこだわり過ぎることも、効果的ではない学習法の一つです。英会話で重要なのは、相手に自分の意図を伝えることです。完璧な文法を意識するあまり会話が止まってしまっては、コミュニケーションの本来の目的を達成できません。英語を話す上での基本的な文法は必要ですが、細かな間違いを気にしすぎるよりも「まず話してみる」ことが大切です。多くのネイティブスピーカーも文法の細部まで完璧ではないことを考えると、ある程度のミスを恐れず話し続ける姿勢が重要です。
また、目標が曖昧なまま進める学習法も、時間を浪費する可能性が高いです。何を達成するために学んでいるのかが不明確な場合、どの程度までの英語力を目指せば良いのかも分からなくなり漠然と学習を続けることになりがちです。こうした状態では学習に対するモチベーションも低下し、結果的に学習の継続が難しくなります。また、やみくもに教材を購入して多くの学習方法を試すことも、効果が分散してしまい十分な成果が得られないことも多いでしょう。
英語を習得するまでに必要な時間
英語を習得するまでに必要な時間は、学習の目的や現在のレベル、学習方法によって大きく異なります。一般的には「ビジネスレベル」や「ネイティブ並み」を目指す場合、数千時間の学習が必要とされています。アメリカ国務省(FSI: Foreign Service Institute)の研究データによると、英語のネイティブが日本語を流暢に話すためには約2,200時間の学習が目安とされています。これは英語と日本語の言語距離に関するデータのため、日本人の英語初心者がネイティブ並みに話せるようになるまでの標準的な時間と同じだと考えることができます。
また、英語学習に充てる時間の密度も重要です。例えば、週に1〜2回だけ短時間の学習を続けるよりも、毎日少しずつでも学ぶことも効果的です。この「短時間でも毎日続ける」学習スタイルは、英語の記憶定着に適しているとされています。また、アウトプットの機会を増やし実際に会話などの実践を取り入れると学習効率も上がります。一般的な目安として、初級者から日常会話レベルに達するためには約500〜700時間、中級からビジネスレベルにはさらに500時間程度が目安と言われています。つまり、最短で1〜2年はかかると見積もるのが良いでしょう。
毎日何時間学習すれば効果が出るのか
毎日学習に費やす時間も、英語の習得スピードに大きく影響します。効果的な学習時間の目安としては、1日30分〜1時間の学習を継続するのが理想的です。30分であれば隙間時間や通勤時間を使って効率的に学習できますし、1時間程度であれば負担も少なく、長期的な継続も可能です。1日1時間の学習を毎日行うと1年間で約365時間になり、初級から中級レベルへのステップアップが期待できます。
ただし、学習時間が長ければ長いほど効果的というわけではありません。学習に集中できる時間には限界があり、2〜3時間以上の長時間学習は途中で疲れてしまい、学習効率が落ちることもあります。1時間以上学習する場合は、間に短い休憩を入れて集中力を保ちつつ進めると良いでしょう。また、興味のあるテーマやコンテンツを使ってリスニングやインプットを行えば楽しみなが飽きずに学習を継続できるはずです。毎日少しずつ学びを重ねることが、英語力を確実に高める近道です。
当メディアで推奨しているのは『まずは英語脳を構築する事を優先する』という方法論です。簡単に説明すると、英語を英語のまま理解するプロセスを脳に慣れさせるといったアプローチです。日本人が当たり前に思っている勉強法は海外の英語教育と乖離している部分もあるため、改めてこの『学習法』と言う視点で考えてみると新たな気付きがあるはずです。
詳しい学習法については以下の記事で紹介しています。
英語学習を通して得られる未来
前述したように、英語学習を通して得られる未来は単に「英語が話せるようになる」だけではありません。まず、英語を学ぶことで、世界中の人々とコミュニケーションがとれるようになります。例えば、旅行先で現地の人々と交流できたり、異文化についての理解が深まったりすることで、視野が広がります。また、英語での情報にアクセスできるようになるため、仕事や学問の幅も大きく広がるでしょう。日本語では得られない最新の研究や専門的な知識にも触れられるようになるため、自身の専門分野や興味のある分野をさらに掘り下げることが可能です。
ビジネスにおいても、英語力は大きな武器になります。国際的なビジネスでは英語が共通語であり、英語でのコミュニケーション能力があることで、海外のクライアントやパートナーともスムーズにやり取りができるようになります。英語ができることで職場での評価も高まり、昇進や転職のチャンスも増えます。さらに、英語力が求められるポジションやプロジェクトにも参加できるため、キャリアの選択肢が広がり、より多くの成長機会を得られるでしょう。
英会話スキルを活用できる場面は、旅行先でのコミュニケーションやレストランの注文、海外での観光案内など、日常生活のさまざまなシーンにも広がります。加えて趣味や余暇でも活用できるため、海外の映画や音楽、書籍を英語で楽しむことも可能になります。このように、英会話を通して得られるスキルは実生活でも活かされ、自分の世界を広げるための大きな武器となります。
そして、英語を学ぶことで得られるのは「挑戦し続ける力」です。語学習得は時間と努力を要するものであり、日々の小さな積み重ねが重要です。この経験を通じて、粘り強さや継続する力が養われるだけでなく、自己成長を実感できます。何度も失敗や挫折を経験しながらも学び続けた結果、言語スキルだけでなく自身にも繋がります。英語学習を通じて得た努力や成果が、今後の人生において挑戦を支える原動力となり未来をより豊かなものにしてくれるでしょう。
英語学習は時間の無駄なのかについて総括
記事のポイントをまとめます。
- 英語学習に取り組んでも、それが時間の無駄だと感じる人も少なくない
- 国際化が進む一方で、外国語学習が不要だという意見も根強く存在する
- 30代以降で英語学習を始めても遅い考える人も多いが、大人でも習得は可能である
- 言語習得には「臨界期」という理論があるが、年齢が進んでも英語を伸ばすことができる
- 英語学習にはキャリアや生活の視野を広げるなど、多くのメリットが見込める
- 英語を使えるようになることで、新たな視点を持ち異文化に触れる可能性が広がる
- 英語の学習では効果が出るまでに時間が必要で、長期間にわたる学習が求められる
- 学習時間が長引くと挫折する人も多く、モチベーションを保つ工夫が重要となる
- 適切な学習法でないと、せっかくの努力が成果につながらないこともある
- 学習を続けるための工夫や習慣化が、成果の実感や達成感に大きく影響を与える
- 効果的な学習法を採用することで、限られた時間を効率よく使い早く成果を感じられる
- 学習の目的や目標に合わせて自分に合った方法を選ぶことが効果的な英語習得において重要
- 毎日どの程度学習に時間を割くかにより、得られる効果や進捗のスピードは大きく異なる
- 英語学習はキャリアや人生における選択肢を広げ、自己成長にもつながる有意義な手段である
- 英語学習で得たスキルや知識は、仕事だけでなく人生全般でも活かせる可能性が高い